ただの射撃実験
今日のASLは、クラシックASLのシナリオB、トラクター工場です。スターリングラードの要衝ジェルジンスキートラクター工場を粉砕するため、ドイツ司令部は突撃工兵を投入することを決めた。一方ソ連もこれを救出するため、大規模な反撃を開始した。
8ターンの終了時、トラクター工場(X3)の6へクス以上を、混戦せずに支配している側が勝利です。ただしゲーム終了時、工場内に片側だけが混乱していないユニットを持っていたら、そのプレイヤーが勝利します。
ソ連の工場守備隊は、4−4−7分隊12個と9−2指揮官に機関銃が重1中2軽3、救援隊は5−2−7分隊26個と軽機関銃4です。工場内のソ連軍はファナティックになります。
一方ドイツの工場攻撃部隊は、10−3と10−2指揮官がいて、8−3−8分隊6個4−6−7分隊6個に、機関銃重1中1軽2火炎放射器2爆薬4で、AA4とY8の建物でなら自由に組み合わせて配置できます。そしてソ連救援隊を阻止するのは、9−2指揮官と7個分隊に機関銃中2軽2です。
このシナリオは以前一度やりかけて、全然機動が無くただ撃っているだけでつまらないということで、止めたことがあります。しかし今回、市街戦で高火力側は2倍くらい有利になるという仮説を検証するため、実験に丁度いいのでやってみることにしました。
このシナリオは互いに攻撃する攻防不明シナリオでもあり、高火力側を2倍とすると、ドイツが6%台の優勢で予想勝率7割となります。アーカイヴを見ると逆にソ連が倍以上勝っていますが、それでもドイツ有利の結果となれば、高火力市街戦補正は2倍で適切という事になります。
子供がドイツ、私がソ連です。
最初に配置するソ連守備隊は、外から見えない完全建物へクスに鬼スタックを置き、ドイツ軍が入って来たら強力な倍火力射撃をお見舞いできるようにします。他は隠蔽を付けて周辺に配置。
次にドイツ攻撃隊は、自由編成して鬼スタックを作れ、ソ連救援隊にも睨みが効くY8の建物に集中配置して、10−3指揮官は36火力とします。そしてドイツ防衛隊はほぼ選択の余地無くU3の建物に全て入れ、副鬼スタックをU2に作って、後はできるだけ展開して建物内に散らして置きます。
最後にソ連救援隊ですが、一番ドイツ防衛隊に近いR1は混乱すると安全な回復場所が無いので、ここは各区画1個分隊ずつに留め、残りを一番大きなQ4の建物に詰めました。
さあ、後はただひたすら撃つだけです。このシナリオはサイコロで先攻を決めますが、今回はドイツから。
第1、第2ターン、互いに相手を削り、動くのはほとんど突撃だけです。ただソ連にとって予想外だったのは、ドイツ鬼スタックが重中機関銃でソ連救援隊建物の2、3階を撃ってきたこと。10−3の指揮は強力で、ここのソ連軍は急速に消耗していきます。

第3第4ターン、工場前面のソ連軍は排除されたので、ドイツ攻撃隊は一部が左側にも回りこみます。そして二方向のソ連軍をクリアした上で、工場に隣接してきました。
一方ソ連救援隊は、ドイツの副鬼スタックが強すぎて、R1の建物が壊滅します。そして本隊の方もドイツ10−3重中機関銃の攻撃を継続的に受け続け、戦力が低下してドイツ防衛隊を打ち破ることができません。かと言って無理に道路を渡ろうとするのも、ドイツ鬼スタックから道路が丸見えでできません。
第5ターン、脇の木造建物に突っ込んだドイツ10−2の隊が、残留火力で混乱してしまうというハプニングはあったものの、全ドイツ攻撃隊は工場に隣接して攻撃準備完了。ソ連救援隊はようやくドイツ10−3の睨みが無くなったので、中ほどの建物伝いに工場に近づきますが、時すでに遅い感じです。
第6ターン、まず爆薬を持った半個分隊4つが次々と警戒移動で工場に入り、隠蔽のまま工場中央のソ連鬼スタックに爆薬を仕掛けようとします。ソ連はこれを必死で迎撃し、FPFまで使って何とか食い止めました。
しかしドイツはさらに他の部隊を突入させ、最後に煙幕を撒きながら10−3鬼スタックが前進します。ソ連はFPFで迎え撃ちましたが、やはり10−3は強力で全員無傷。ソ連鬼スタックはピン状態の爆薬班に包囲されており、10−3と8−3−8の強力な前進射撃で混乱し全滅してしまいました。

最後にソ連救援隊がドイツ10−2を撃って混乱させたものの、もう大勢は覆りようが無く、ドイツの圧勝で実験終了です。
この流れならドイツは8、9割くらい勝てそうです。ただ普通に撃ち合ったら勝てないと初めから分かっていれば、最初にソ連は危険なR1の建物を敢えてフルスタックにし、失敗したら負けの大博打を打つことで、ドイツの勝率を下げられるでしょう。
するとドイツの予想勝率7割はだいたい良い線で、過去の該当例でもこの補正をすると皆妥当な結果になったので、市街戦で高火力を持つ側は以下のように分隊数を2倍で戦力評価して良いようです。
(高火力市街戦)
市街戦(建物密集地内での戦闘)において、32火力以上のスタックを相手より2個以上多く作れる側は、分隊数を2倍します。容易条件と重複する場合は、こちらを優先します。
インデックスへ