山林の花火師
今日のASLは、TAC30八重岳。沖縄戦で日本軍の籠る八重岳に、アメリカ海兵隊が地形的に戦車を使えないので砲兵の支援を受けて攻撃します。結末を読むと、「アメリカ軍は日本の厳しい抵抗に会い、思うように進めないでいたら」ほうほう、これは。「日本軍は75人で突撃し、砲兵に撃たれて全滅」しちゃいかんでしょ。「しかし宇土大佐は、この絶望的な戦いを続けるという強い意志を持って」おお、やっぱりこれは。「すでに前日逃げ出した後だった。」だめだめでしょ。
アメリカは7ターン半の終了時に、八重岳のレベル3のヘクスを全て支配していたら勝利です。沼は茂みに、橋は浅瀬になります。また森林道は小道になって、日本軍だけが利用できます。
日本軍は13個分隊と機関銃が重1中1軽3、擲弾筒3、爆薬3、70ミリ歩兵砲2、20ミリ対空砲1に、塹壕4、洞窟6、地雷24火力で守ります。一方アメリカ海兵隊は、西から8個分隊と機関銃が重1中2、火炎放射器2、爆薬4、80ミリ盤外砲。南からは5個分隊と機関銃が重2中1。そして第5ターンには東から5個分隊と中機関銃2、火炎放射器1、爆薬3。火炎と火薬だらけです。
そして戦力評価は日本が10%の優勢で予想勝率80%ですが、アーカイヴのスコアは日本の6勝4敗です。子供がアメリカ、私が日本です。
南西にはレベル3の山があって、八重岳のそちら側に置くと盤外砲に狙われるので、日本は部隊を北東側の山林に隠します。そしてアメリカ軍は西、南、東に分かれて山に近づき、日本軍は隣接するまで撃たれないように、山頂で三日月形に陣を敷きます。そして第2ターンには、まず西側のアメリカ軍が麓に到達。日本軍も配置を整えます。
第3ターン、西のアメリカ軍から火炎放射器を持った半個分隊が南西側に回り込もうとしたところ、山の上に隠れていた日本半個分隊が爆弾を投げ込んで混乱させ、その日本半個分隊はその後白兵戦で相打ちになります。また今度は北西側に回り込もうとした爆弾半個分隊も、洞窟から撃たれてKIAとなりました。
それ以外のアメリカ軍は皆麓に到着し、次の総攻撃に備えます。またこの間日本軍は狙撃兵に2回も撃たれ、回復用に谷間に置いていた8−0指揮官が死亡したので、9−1指揮官を機関銃スタックからそこに下げました。
第4ターン、まず西側からアメリカ軍は山頂に登りますが、こちらは2へクスとも地雷原で、1個は混乱1個は除去されます。さらに突撃で今度は前面から4へクスで日本軍に接敵すると、うち2へクスが地雷原。8以下を出せばたとえ効かなくても隠蔽は取れるので、日本はそこを倍火力で先撃ちする算段です。
ところが地雷攻撃は11と12を出してどちらも効果なし。えええっ?しかたなく日本は隠蔽がついたままのアメリカ軍を撃ちますが、機関銃スタックは火炎放射器半個分隊を倒したものの、フルスタック歩兵はまた11を出して軽機関銃を故障させただけ。小さいスタックは効かなそうなので射撃をあきらめます。さらに奪った爆薬で回復中のアメリカ兵を攻撃しようと、洞窟から飛び出して背後に回り込んだ日本半個分隊ですが、弱い火力にも関わらす2個とも混乱させられてしまいます。
そしてアメリカの反撃では、前面に3つ並んだ中機関銃が4以下を連発。日本の3個分隊が全部半個分隊になってしまいます。サイの目の差がひどすぎる。予定が完全に狂った日本は塹壕での抵抗を諦め、半個分隊づつを残して後退するしかなくなりました。戦力差的にも、戦術的にも絶対勝てると思ったのに。

(下が北)
そして第5ターン、ついに闇に隠れていたあいつが動く。海兵隊に恐怖を持ってその名を轟かす9−2指揮官「ダークエンペラーとヘヴィーマシンガンズ」。その火力はゲーム中ほぼ最高の41もあり、隣接すれば散布射撃でも両方のヘクスを36火力−2で撃てるという信じられない奴ら。これが半個分隊の抵抗など軽く蹴散らして山頂にそびえ立ち、次には隣接する日本兵をまるごと冥府に叩き落そうとしています。
今反撃しなければ後が無い日本。ここでまず9−1指揮官はそのコミサール能力で、混乱退却してきた半個分隊を全て即時回復させます。そして隣の壕の部隊と一緒に12の倍、24火力で射撃。効くのか?頼む!結果はダークエンペラーと2個分隊が混乱、1個分隊がピン!よし、良くやった!
さあ花火大会だ。壕に隠れていた爆弾持ちが、隠ぺいのままヘヴィーマシンガンズの所に警戒移動で爆薬配置。残った50calが防御射撃をしますが、ピンと隠ぺいと疲労に阻まれて効かず、配置成功です。さらに日本は洞窟で回復したアメリカ爆弾持ちが再び討って出て、これも配置に成功しました。
そして爆発。すでに混乱していたダークエンペラーは耐えたものの、ヘヴィーマシンガンズはモラルチェックに失敗し、3つの重機関銃を置き去りにして全員潰走させられます。一方奪ったアメリカ爆弾の方は大して効かず、逆に戦禍でファナティックになって回復されてしまいますが、もはや関係なし。日本軍は突撃してアメリカ重機関銃を全て奪ってしまいました。
しかも東から来たアメリカの増援は、林に入った所を山頂に隠してあった歩兵砲から迫撃され、戦禍でリーダー以下1スタック全員が狂暴化した後損耗してしまいます。日本の70ミリ歩兵砲は変わっていて、迫撃砲としても使えるのです。次のターン狂暴兵たちは、洞窟に向かって裸斜面を登り死にに行くしかありません。
第6ターン、潰走したダークエンペラーたちですが、なんとここで全員一発回復します。そしてアメリカは東に回り込んだ後失敗し続けていた盤外砲で、最後の砲撃を試みましたが、これはやはり外れ。後は山頂にぽつんと取り残された中機関銃分隊で、重機関銃を奪った日本軍を撃ってみます。しかしこれも半個分隊が混乱しただけ。
こうなるとアメリカ軍が正面から再攻撃をしても、隣接すればどちらも36の最大火力で撃たれ、裏手でまだ正気な部隊が前進しても、洞窟の対空砲に撃たれるだけ。これから頂上の日本軍を全滅させて全へクスを支配するなんて、火力的にも時間的にも無理。アメリカ投了です。

やっぱり戦力評価の方が正しかった。4、5ターンのサイの目が圧倒的だったのに、それでもアメリカは勝てません。森の中では隣接しないと撃てないので、防御側が下がって待つと、倍火力で先撃ちできる防御側の火力優勢を覆すのは非常に困難です。また昔は防御側の爆薬なんてどう使うのかと思っていましたが、隠ぺいも地形修正もついたまま配置しに行けるので、このような状況では反撃時にかなり強力でした。
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