要塞メイカー
今日のASLはTAC42伍長の戦争。ノルマンディー上陸後のアメリカ軍はブレストを目指しますが、ドイツ降下猟兵で増強された街は固く、アメリカ軍は厳しいストリートファイトを強いられます。このことから将軍がこの戦いを伍長の戦争と呼んだそうです。アメリカは8ターンの終了時に、2つの大きな石造建築を両方支配していたら勝利です。
守るドイツは9−2指揮官付き12個分隊、50ミリ長砲身対戦車砲1門、81ミリ迫撃砲1門で、1個分隊が隠匿可能。そして4つ要塞区域を作れて、建物10へクスを瓦礫にしておくことができ(制限あり)、瓦礫にした建物の隣に2個分として瓦礫を置くこともできます。これを攻めるアメリカは18個分隊と火炎放射器1、100ミリ盤外砲1、76ミリ長砲身のオープントップ2両が第1ターンに侵入します。
戦力評価ではアメリカ2%の優勢で互角、アーカイヴでもドイツの勝率58%と良いバランスのように見えます。子供がドイツ、私がアメリカです。
このシナリオはドイツがどう瓦礫を置くかが重要で、それによって固さが全然違ってきます。ドイツはアメリカが攻撃拠点に使える3階建て石造建物を潰し、防衛側の石造建築の一角を崩して迫撃砲やパンツァーシュレックの置き場所を作りました。そして中央付近の勝利条件建物前面にいる大きなスタックは、要塞に入った9−2機関銃の鬼スタックでしょう。
これを見たアメリカは、かなり厳しいと感じます。右側は勝利条件建物の前面に林が広がっており、どう考えても瓦礫から迫撃砲で狙われています。しかもその前の道路はかなりの所が中央の鬼スタックから見えそうで、こちらから攻めるのは無理です。
では中央から鬼スタックを攻めるか?鬼スタックは地上レベルにおり、高い建物を潰されているので後ろから機関銃や盤外砲で狙うことができません。そして前面に一見都合の良さそうな長い石壁がありますが、真正面に邪魔な林と木造建物があって、石壁で大きな射撃グループを組むことができません。狭い所から撃とうとしても、鬼スタックの先撃ちが強く、生き残りの火力ではそうそう要塞には効きません。もちろん無理に平地に突っ込めば、周りじゅうから撃たれて自殺行為です。
そしてアメリカ戦車は対戦車砲が当たれば正面でもほぼ破壊されるベニヤ板。とうてい前面に出て支援などできません。
結局アメリカの出した結論は、盤外砲煙幕を使って左側から回り込むことでした。まずは第1ターン主に左側で前進し、先頭は石壁にたどり着きます。ちょっと顔を出した分隊は、鬼スタックに撃たれて損耗しました。そして盤外砲はいきなり赤を引いてしまいます。

第2ターン、左側で石壁から前に出るとどこも全て平地で鬼スタックに撃たれる地形になっています。そのため煙幕を落とせなかったアメリカは一旦前進を止め、ドイツ前衛を撃ちながら盤外砲を待ちます。今度はその辺に落下しますが、後半に煙幕に変えようとすると、確認された敵がいなくて引いたカードがまた赤。ぐぐぐ。
第3ターン、アメリカは真ん中の建物から見えない石壁の所に戦車を前進させます。盤外砲は離れた位置に落ちたので修正するだけ。
第4ターン、いい加減もう落とせないと時間が無い。来い!ふわふわ煙幕!しかし、また「赤」。あと4ターンで要塞2つ落とせとか絶対無理。終わり。

その後で隠匿配置を聞いてみると、歩兵は渡ろうとしていた先の石造建物におり、対戦車砲は鬼スタックの上の階でどこでも見渡せるようにしてありました。輪をかけてどうしようもなかった。
アメリカ盤外砲の引きが悪すぎましたが、そうでなくてもこのように配置された時点でかなり苦しく、回り込めたとしても時間内に両方の要塞化建物のドイツ軍を全滅させるのは難しいでしょう。このような一目では分からない地形の困難さは、戦力評価でも計りきれません。まあ砲爆撃でランダムにできるはずの瓦礫を、防御側の理想どおりに配置できるというのがおかしいとも言えますが。
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