不死身のT−26
 
 今日のASLは、アニュアル97よりA107赤い波。1941年9月、封鎖されたレニングラードへの陸上救援路を切り開こうと、ソ連軍は猛烈に戦っていました。ソ連は5.5ターンの終わりに、24VP以上を西に脱出させているか、42G4から4へクス以内の建物全てを支配していたら勝利です。
 ドイツはSSライフル兵8個分隊と75*歩兵砲1門で守り、ソ連は徴募兵6を含む18.5個分隊と45LのT−26Sが2両で攻めます。果樹園は弾痕になります。
 戦力評価はソ連軍が徴募兵20%以上とELR劣勢で質を各−0.1され、ドイツが4%の優勢で予想勝率5割となります。子供がソ連、私がドイツです。


 このシナリオでは両者とも問題を抱えています。ドイツの問題は、突破を防ぐため広がって守らなければいけないのに、左右の見通しが悪くて相互支援しづらく、近距離から始まるので各個撃破されやすいこと。またソ連の問題は、攻撃の足掛かりにできる良い地形が少なく、3分の1ほどいる徴募兵が攻撃で当てにならないことと、T−26Sが攻撃、防御、移動3拍子揃って弱く頼りにならないことです。
 ドイツにとっては左の石垣に囲まれた丘が要で、ここを取られるとそこから先は止めにくくなってしまうので、丘に近い石造建物に重中機関銃とATRを持ったフルスタックを置き、丘の上には一歩下がって壕に入った2個分隊とLMG1を置いて守ります。中央はよほど薄くしなければ攻めてくることは無いと思うので、建物に半個分隊3つを散らすだけ。
 そして右側の麦畑に対しては、1.5個分隊と軽機関銃を置き、ファイアレインを利用して守ります。しかし全軍で来られるとそれだけでは止め切れないので、こちらの林に75ミリ砲も隠しておきました。

 第1ターン、ソ連は全軍で左の丘を攻めることにしました。ソ連軍はドイツ軍の視界外を進み、隠蔽を付けたまま突撃で視界に入ります。丘の上には弾痕があるので、CXを付ければ隠蔽を付けたまま丘に登れるのがソ連に有利な点。
 そしてターン後半、ここでの射撃が重要。ドイツは24火力−1の主力スタックと、隣接の2個分隊が射撃します。しかしドイツの火力が高く、ソ連軍がフルスタックして撃たれ弱い割には、3個分隊を混乱させたに留まりました。
 その後右側から動いてきたドイツ分隊が、途中で撃たれてピン。さらにソ連は防御射撃でドイツ2個分隊を混乱させます。
 最後に丘の上で生き残ったドイツ分隊が、隣でピンになって取り残されたソ連分隊1個に白兵戦を挑みましたが、両者効果無し。ドイツ全体的に期待外れです。

 第2ターン、主力スタックのドイツ分隊は一発回復。さすがSS。ソ連はこれに集中射撃を加えましたが、石造のSSは強く1個分隊が混乱しただけ。
 ですが混乱したのは丁度ATRだったので、ソ連はドイツ主力の背後にT−26Sを回り込ませてきました。ドイツは代わりに中機関銃で側面を撃ちましたが、弾かれます。防御射撃ではかなりのソ連分隊を混乱、クラス低下、ディスラプトさせたものの、混乱したドイツ2個分隊は戦車のために潰走できず、除去されてしまいました。一方ソ連が増援を注ぎ込んだ白兵戦は、また混戦継続。
 ターン後半、さすがにこのまま包囲されるのは危険なので、ドイツ主力スタックは右隣に移動して奥のソ連軍と撃ち合いますが、一方的にピンにされてしまいました。そして右手の歩兵は中央手前に移動しましたが、右に隠れていた歩兵砲は人力移動に失敗します。継続していた白兵戦も、結局ドイツ分隊が一方的に除去されました。

(下が西)

 第3ターン、ドイツ主力が離れた隙に、ソ連軍は左手を駆け抜けます。またドイツは軽機関銃を戦車の背後から当てたけど、やっぱり弾かれました。ドイツ主力は危険でも踏みとどまって、対戦車白兵戦に賭けるべきだったのだろうか。
 ターン後半、ソ連戦車が安全のため一歩後退したので、ドイツ主力は再び左手に戻りますが、平地のソ連兵への前進射撃は効かず、対戦車白兵戦も7以下が出ず効果無し。歩兵砲も移動には成功したものの、戦車機関銃の目が良く、操作班が除去されます。しかも狙撃兵がソ連分隊を混乱させたにもかかわらず、正面にドイツ軍がいないため、逆に前に向かって潰走されてしまいました。SS弱いぞ。

 第4ターン、T−26Sは始動前の移動中射撃で、白兵戦を掛けてきたドイツ兵を撃ちます。これでATRを持った指揮官が混乱し、安全性が増した戦車はCC対応射撃も躱して、悠々と走り去ってしまいました。ほんとにこのT−26は不死身。
 ターン後半、ドイツ軍は後ろから追いかけ、横からは出口を軽機関銃のファイアレインで塞ごうとします。しかしこの期に及んでは止めようがなく、ソ連軍はドイツ軽機関銃から見えない林にオーバースタックし、そこから突撃で脱出して勝利条件達成です。



 ドイツは十分左手に備えていたつもりでしたが、負けてしまいました。これはサイの目がやや悪かったのもありますが、ドイツにはもっと手があったのです。
 中央の主力スタックが下がってG8の林に入れば、ここから重中機関銃が麦畑の出口にファイアレインを引けると、終わってから子供に教えられました。それなら歩兵砲は右側正面でなくても、少し左の建物K5で十分です。そうすれば砲は左側にも撃てて、榴弾とは言え回り込んだ戦車を撃てました。
 あるいは平地に出るリスクはありますが、砲を第1ターンで道路に押し出し、早く左を撃てるようにするべきでした。
 
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