孤立した麓の村で
 
 今日のASLは、シナリオ11 ヒル30での反抗。ノルマンディーに降下したアメリカ空挺部隊が交通の要所を押さえており、ドイツ軍はその奪取に向かいました。ドイツは9ターンの終わりに、麓の村の建物4つを全て支配しているか、1つ以上を支配した上でアメリカより多くの損害ポイントを稼いでいたら勝利です。ただしアメリカは、増援が第4ターンに出てこないと、3損害ポイントを獲得します。
 攻めるドイツは12個分隊。守るアメリカは空挺エリートで、村の周りに4.5個分隊と狐穴2個、そして4か5ターンに5個分隊が西から入って来ます。
 単純に戦力を計算するとアメリカが有利そうですが、アメリカ軍は過半数が後半にならないと出て来ず、その間ドイツの全軍に攻められるという、今までに例の無い厳しい条件になっています。そこで防御不全として攻撃側1.5倍で戦力を評価すると、ドイツが2%優勢なだけになるので、修正せずそのままやってみます。
 子供がドイツ、私がアメリカです。


 アメリカはとにかく初期戦力が少なく、地形もあまり守り易いとは言えません。普通に正面攻撃されただけで、初期配置のアメリカ軍は壊滅するか、村を全て奪われそうです。そこでアメリカは正面の森に2つのスタックを作り、放火して森からの攻撃を阻止することにしました。
 これに対しドイツ軍は正面と右手に分かれて前進して来ます。正面の部隊は建物の2階に上がり、右手の部隊は小さな家と林に入りました。ああっ、これは。アメリカは迫撃砲も機関銃も左側に置いており、右側のアメリカ軍はこのフルスタックに対して、撃ち合うことも放火をすることもできなくなってしまいました。
 アメリカ初期配置の失敗です。仕方なくアメリカは左側だけで放火し、右側は後退します。しかし右側ではどこに下がってもドイツ軍から撃たれる形で、半個分隊が混乱しました。
 第2ターンもドイツ軍は前進を続け、一部は丘を登り始めます。アメリカは村に広がって防御態勢を整えますが、このまま丘の上に登られるとまずいのでは。


 第3ターン、右手のドイツ軍は丘の頂上にたどり着き、中央のドイツ軍は火事を迂回して左側面に回り込みます。これに対しアメリカ軍は丘の上のドイツ軍と撃ち合い、互いに中機関銃分隊が混乱しますが、これは数で劣るアメリカの方が厳しい。
 第4ターン、アメリカは左側面から村の建物に入って来たドイツ分隊を撃退します。しかしドイツ軍スタックは左側でも丘の上に登って来て、村は完全に包囲されてしまいました。こうなるとアメリカ軍は両側から撃たれて安全な回復場所が無く、かなり苦しい状況。
 第5ターンにはさらにドイツ軍の攻撃が激しくなり、一部のアメリカ軍は包囲射撃を受けて風前の灯です。この状況でようやくアメリカの救援軍が到着しますが、ドイツ軍が丘の上に陣取っているので、すぐには村を救出できません。


 第6ターン、ドイツ軍のさらなる射撃に村は壊滅寸前です。しかしアメリカはここで起死回生の一手。丘の上で裏手に回り込んだドイツ鬼スタックに向かって、村と救援の部隊で包囲射撃を加えました。ここは東側以外を崖に囲まれており、アメリカ軍が東側の丘に登ったことで、混乱しても逃げられなくなっています。
 さあ四方向からの包囲攻撃で、一気に壊滅させてやる。やあっ!え?1個分隊がピンになっただけ?残りのドイツ鬼スタックは突撃で抜け出し、アメリカ救援部隊が村に向かう道は塞がったまま。無念。
 ただ村の方では回復したアメリカ中機関銃が、左の丘のドイツ機関銃に対して会心の大当たりを出し、大々的に潰走させました。まだ可能性はあるか?

 しかし第7ターン、ドイツの準備射撃により、村でアメリカ最後の頼みだった中機関銃分隊も混乱。さらに村の西側を守っていたアメリカ分隊も、ドイツ軍が撒いた1のみの歩兵煙幕に巻かれてしまいました。これで突入を阻止する者はいなくなり、ドイツ軍は村の建物に隣接します。
 アメリカは最後の抵抗で、石垣越しのバズーカを命中させましたが、これもドイツ分隊は耐え切り万事休す。村の中の混乱したアメリカ軍は逃げ場を失って降伏し、救援軍だけで村を奪還するのは無理なので、ドイツの勝ちです。



 やはりアメリカは前半の戦力が少なすぎて、村を守ろうとするとドイツに丘の上を取られて苦しくなってしまいます。アメリカは丘に近い1つ(W7)以外の建物を放棄して丘に登り、増援が来てから共同で反撃するべきなのかもしれません。

 
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