やっぱり合体するよね
今日のASLは、シナリオ69「今日俺たちは攻撃する」。ビルマに派遣された中国軍エリートたちは、タウングーを包囲している日本軍を攻撃して、包囲されているイギリス軍を救援しようとしています。中国は9ターン半以内に、損害と南東への突破で65VP以上獲得したら勝利です。地形は浅いジャングルの太平洋地形になっています。
日本軍は、南東の飛行場の非隠蔽地形に75ミリ短砲身歩兵砲2門と3個分隊、その外郭地帯に16個分隊と37ミリ長砲身対戦車砲2門、70ミリ短砲身歩兵砲1門、狐穴12、塹壕8で守ります。歩兵は全て二戦級です。
そして中国軍は、エリート29個分隊と、45ミリ長砲身のロシア製T26TUが6両、イギリス製のキャリアが4両です。これらは日本軍のさらに外側に配置するか、第1ターン以降に侵入するかしますが、少なくとも各ボードには9個分隊以上初期配置しなければなりません。また中国は3へクスを事前に選び、ゲーム開始前にそれらを事前照準として1回だけ70ミリ盤外砲で撃ちます。
さて戦力評価ですが、浅いジャングルは今まで実例が1つしかなく、ジャングル攻撃補正をつけていいか分かりません。補正無しなら日本軍7%の優勢で予想勝率6割、補正を付けると15%弱の優勢で予想勝率8割となります。日本が有利なことには変わりありませんが、どちらが適切かはやってみて判断します。子供が日本、私が中国です。
日本軍の配置を見てみると、外郭部隊は一番飛行場に近くてジャングル、クナイ、竹林に囲まれた場所にびっしり。当然全て狐穴や塹壕に入っているのでしょう。事前の盤外砲は、隠匿配置の半個分隊を見つけ出しただけで実害はありません。
日本軍は迫撃砲としても使える70ミリ砲に加えて擲弾筒が4つもあるので、ジャングルからの攻撃は自殺行為。またクナイも射撃グループが組めないので全く攻撃に向かない地形で、竹林なんて問題外。しかも日本軍は全て壕の中。さらに中国側の戦車は全て装甲が1以下の紙戦車で、日本のどの砲に撃たれても簡単に撃破されるのに、VP上はとても重要なので、攻撃になんか使ってられません。つまり中国軍が日本の密集外郭陣地を攻撃するなど全く不可能です。
そこで中国は、歩兵を正面の平地から進ませて飛行場の歩兵砲を無力化し、その後に戦車を侵入させる方針とします。しかし日本がどこに対戦車砲や対戦車ヒーローを伏せているか分からないので、中国は日本の配置地域を偵察しながら進みます。
静粛な歩兵がジャングル、クナイ、竹林にいると、そこに入っただけでは発見できないので偵察したのですが、日本軍が静粛なのはエリートと一線級だけなので、二線級であるこのシナリオでは本来必要なかったことに、ゲームが終わってから気付きました。また建物・瓦礫以外で日本軍相手の偵察は+2がつくのに気づいたのも、終わってからでした。
そしてターン後半、とりあえず攻撃されなかった日本軍はあっさり外郭陣地を捨て、全軍が飛行場の砲の周りに移動します。隠匿してあった砲も出現して、人力移動で持っていきます。正面の中国軍からは遠すぎ、間にクナイもあるのでこれを邪魔できません。
まあ初期配置で離れていようが壕があろうが、やっぱり可能な限り全軍を合体させる方が良いに決まってるよね。大原則だよね。

(下が西、ピンクダイヤは日本の外郭部隊配置範囲)
第2ターン、第3ターンと中国軍はウミガメ戦術で近づいていきますが、途中にあるクナイが邪魔で中国軍の射撃は減じられ、日本の砲4門が強力で中国軍の損害は増すばかり。運良く中国の迫撃砲が致命的命中を出して、日本の対戦車砲1門を破壊したものの、日本軍は狐穴を掘って守りも固くなってきており、中国軍はクナイを抜けても今度は平地で撃たれてしまいます。
そして何よりも、戦車無しでは中国軍は圧倒的に戦力劣勢であり、日本軍に集結されたらそもそも勝ち目など全然ありません。中国投了です。

このシナリオは明らかに日本が有利でしたが、アーカイヴのROARで日本が53%しか勝っていないのは、例によって各個撃破されているのでしょうか。アーカイヴの中国が勝った記録を見てみます。すると「日本人は中国の攻撃をスタートエリアの近くで停滞させるという素晴らしい仕事をしましたが、」と、やはり外郭部隊がわざわざ前に出て単独で戦い、各個撃破されたのが見て取れる記述があります。特別な理由が無い限り、防御側はやっぱり集中決戦戦術です。
そして今回の経過を見ると、太平洋地形での攻撃は、クナイ、竹林もかなり攻撃を阻害しますし、大抵互いに迫撃砲を持っていて、疎生でもジャングルを通っての攻撃は難しいのが分かります。そのためジャングルの密疎に関わらず、ジャングル・クナイ・竹林が主な地形の場合は、攻撃補正を0.75倍として良いでしょう。
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