下界の支配者たち
 
 今日のASLは、A52白鳥の歌。フランス降伏直前、ドゴールの戦車部隊による反撃。ドイツの対戦車砲がフランス戦車に効かず、ドイツ歩兵は激しく動揺しました。フランスは12ターン以内に、建物3階区画をドイツより多く支配したら勝利です。ただし10ターン以降は、盤上に残っている砲撃可能なB1-bisの数が、フランスの支配数から差し引かれます。
 フランスは第1ターンに37*のR35が6両、第2ターンに21.5個分隊と中機関銃2と70ミリ盤外砲の無線機。さらに現在ターンより2少ない目を出したターンに、主砲47と副砲75*のB1-bisが6両、3少ない目を出したターンには、6.5個分隊と中機関銃1とR35が2両出てきます。
 ドイツは12個分隊、37L対戦車砲2門と、墓地付近に88L対空砲と戦力は少なめですが、重機関銃1、中機関銃2に、弾薬豊富な80ミリ盤外砲と電話が事前照準付きであります。
 町の近くの林は果樹園になり、麦畑は繁っています。また配置前にフランスとドイツは建物1へクスずつを瓦礫にします。そしてフランス戦車は建物に入れず、9ターン以降脇から退出できます。そしてドイツ歩兵は戦車に対する恐怖のため、PAATCに+1され、フランス戦車に隣か同じヘクスから攻撃されると、2の目でNMC以上がある火力なら、少なくともNMCを受けます。
 さて戦力評価をすると、フランスが28%の圧倒的優勢で予想勝率10割。ですが、ROARでは22対22とまったく互角の勝負。どういうこと?子供がフランス、私がドイツです。


 フランスは長屋でない3へクス建物の階段を潰し、ドイツは反対側の3階建て1へクス建物を潰して、ドイツ配置開始。フランスのR35は37ミリ砲と2火力の機関銃しかなく、普通だったら歩兵相手にはあまり役に立ちません。しかしこのシナリオでは、特別ルールの強制モラルチェック能力により、地上レベルで隣接されるとドイツ歩兵はすぐやられてしまいます。フランスのELRがドイツより1低く、ドイツに9−2指揮官がいるくらいでは、到底ドイツの戦力優位を覆せるようには見えません。
 ドイツが頼りにできるとすれば、88ミリ砲と、盤外砲と、9−2指揮官+重中機関銃+ATRの30火力鬼スタックくらい。ドイツは射程の長さを生かして遠くから撃てるようにするため、そして隣接モラルチェックを受けないようにするため、主な部隊はレベル2に置きます。

 第1ターン、まず侵入するフランスR35戦車は、最短距離で町に接近しますが、スピードが遅すぎてそれでも半ばまでしか進めません。ドイツは外縁の迫撃砲で撃ち合うだけ。
 第2ターン、フランスは戦車4両で強制MCを使って迫撃砲を始末し、2両はドイツ鬼スタックに接近。そして大量の歩兵は、最短距離で町に進むと当然ドイツの盤外砲と機関銃にやられまくるので、南北に走る果樹園に隠れながら進みます。ドイツは観測弾を落とすだけ。


 第3ターン、フランス戦車は5両が町に接近し、1両が墓場の迫撃砲を混乱させます。そして歩兵は果樹園の陰をさらに進みました。すると町のはずれに隠れていたドイツ対戦車砲が、戦車に射撃開始。命中精度が高くバンバン命中させますが、やはり弱すぎて全て弾かれます。
 ターン後半、ドイツは盤外砲で果樹園の中を撃とうとしましたが、追加カードが赤でこれも失敗しました。そして戦車に隣接されたドイツ歩兵は、強制MCにやられる前に後退します。
 第4ターン、フランスは歩兵を、盤外砲煙幕に隠れて墓地の方に回り込む部隊と、そのまま果樹園を進む部隊に分けます。そして登場したB1-bisは、88ミリ砲を避けて歩兵と反対側の道路を進みます。隠れていた88ミリ砲はこれを撃ちましたがはずれ。しかしドイツは、果樹園に進んできたフランス歩兵に、事前照準してあった盤外砲を落とし、3、4個分隊ほど混乱・クラス低下させました。
 ターン後半、88ミリ砲はさらに撃ってB1-bisを1両破壊します。しかしここで地域目標で撃ち続けていたフランスの軽迫撃砲や戦車が、遂にドイツ鬼スタックを捉えました。これは1個分隊が混乱しただけでしたが、隠蔽が取れたことの方が痛いです。


 第5ターン、フランスは最後の増援が侵入し、残っている煙幕に隠れながら進みます。またB1-bisはもう1両を破壊されながら、3両が3ヘクス建物までたどり着きました。そして付近の歩兵も進んで、88ミリ砲は倒されます。さらに回復した鬼スタックに対しても、R35や迫撃砲で撃ち続け、再び一部を混乱させました。
 ターン後半には、ドイツが果樹園の中に弾幕を落とそうとしましたが、最大限ずれてしまって効果なし。しかも鬼スタックでは、ヒーローになった9−2指揮官が戦死してしまい、ドイツは厳しい状況です。
 第6ターン、ドイツの火力拠点が弱体化したので、フランスは町に突入します。ドイツは防御射撃をしますが、数の差がありすぎて、いくらか混乱させても全然追いつきません。
 第7ターンには、フランスは準備射撃でさらにドイツ軍を混乱させ、ドイツ鬼スタックのいた建物と、階段の崩れた3ヘクス建物を、掃討して占領します(掃討は階段が通じていなくてもOKです)。そしてフランス軍は総突撃。ドイツは対戦車砲がR35を倒したり、B1-bisを衝撃にしたりし、防御射撃や3階からの爆弾投げでフランス歩兵をいくつか除去、混乱させます。
 しかしやはり地上を埋め尽くすフランス軍は止めきれず、3か所で3階建て建物の1階を占領されました。これで過半数の勝利条件建物が、フランスによって支配または包囲状態にされたので、もうドイツに勝ち目は無くフランスの勝利です。



 いくらドイツの盤外砲や機関銃が遠距離を攻撃できるといっても、フランス歩兵が死角を進めば意味ありません。やはりこの戦力差では、フランスは必勝だと思うのですが。

 それから掃討のルールを読んでいたら、おもしろい手に気付きました。敵味方のいる建物内で、準備射撃により敵を全て混乱させたら、即座に掃討して今混乱させたばかりの敵を捕虜にできるのです。しかも掃討は放火や築壕と違って、今準備射撃したばかりのユニットでも行えます。
 あまりにも都合良すぎだなと思っていたら、ぴょんさんにコメントで教えていただき、AH版からMMP版で手順が訂正されたことがわかりました。MMP版では、準備射撃より前に掃討をしなければならなくなり、これはできなくなりました。一安心です。

 
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