激流
 
 今日のASLは渡河作戦、シナリオ25ギャバンの賭け。マーケットガーデン作戦でナイメーヘンの橋を確保するため、アメリカ空挺部隊が行った渡河作戦です。アメリカ軍の目的は、10.5ターンで川を越えて北端に20VP以上突破させることで、特に北東の隅から突破させると1.5倍のVPが入ります。川は急流で西に流され、東へは行きにくくなっています。
 アメリカ軍は26個分隊が26艘のボートに分乗し、他に機関銃と軽迫撃砲の操作用らしい半個分隊9個と、81ミリ迫撃砲1門、M4戦車4両が川の手前で支援します。ドイツ軍は練度にムラのある21個分隊と、20ミリ対空砲2、88ミリ対空砲1、81ミリ迫撃砲1、81ミリ迫撃砲の盤外砲撃電話があります。第1ターンには+3修正の煙幕が北岸に張られていますが、1ターンごと1づつ弱まり、ランダムに隙間ができていきます。
 子供がアメリカ軍、私がドイツ軍です。

 ドイツ軍は川岸やや左手の森、中央の建物、手前左の森2つ、右手中ほどの森に兵力を分けて置き、他は隠匿配置です。これを見てアメリカ軍は、ドイツから見て左手、川の上流、東側に支援兵力を集中します。そしてアメリカ軍は5つある中機関銃を川の前での支援に使うか、一緒に河を渡らせるか悩みましたが、全てボートに乗せて行くことを決断しました。
 最初ドイツ軍は隠蔽が付くよう全部影に隠れていたため、アメリカ軍の砲と戦車は川岸のドイツ軍が隠れる森の前面に地域射撃をして捕捉を付けておきます。そしてボートは一斉に出発します。しかし渡河作戦未訓練の部隊のため、なかなか進まず流されるものが続出します。
 これに対しドイツ軍は沿岸に隠しておいた20ミリ機関砲で射撃を開始します。ボートはペラペラのため、どんな小さな砲でも当たれば沈没なので、川岸に置いたのです。ところが射撃の段になってよく確認してみると、ボートは超小型で常に機動中でハルダウン扱いで、実はほとんど当たりません。これは確認不足でした。
 第2、3ターンには少しづつボートは接岸し始め、隠匿配置のドイツ歩兵に多少倒されるものの、4ターンにはアメリカ軍は東西から前進を始めます。東から細い半島を進んだアメリカ軍は、迫撃砲と88ミリ対空砲に撃たれて大混乱しましたが、3個分隊ほどがなんとか森のそばにある建物に逃げ込むことに成功します。
 一方西に上陸した部隊は、重機関銃の支援で操作班が居なくなった20ミリ対空砲を占拠しながら前進します。ところがその操作班は熱狂して回復し、これを倒そうと迫りくるアメリカ軍にKIAを連発し、指揮官を2人殺して撃退。もうこちら側にはアメリカの指揮官が居なくなり、自己回復でしか回復できなくなります。

 かなりまずい雰囲気のアメリカ軍。第5ターンは回復した東側の部隊に隠蔽を付け、第6ターンに警戒しながら9−2指揮官が率いて森の裏側のドイツ軍大スタックに隣接します。ドイツ軍は9−1指揮官と全て軽機関銃を持ったエリートで、アメリカ軍を1個分隊半に打ち減らしますが、アメリカ軍もドイツ軍を1個混乱させます。その結果白兵戦力は10対10で、アメリカ軍は指揮官能力分少し有利です。戦局を逆転するには白兵戦に賭けるしかなく、アメリカ軍は突撃します。不意打ちも起こらず正面からの殴り合いの結果、アメリカ軍はドイツ軍を一方的に全滅させ、この大きな賭けに勝利しました。これによりまだアメリカ軍に可能性は残ります。
 次のアメリカ軍にとっての障害は中央の建物に陣取るドイツ軍ですが、前進したアメリカ9−2指揮官との撃ち合いで、ドイツ中機関銃が2つとも故障し、一方的にやられて階下に逃げ出します。 しかし逆転したかと思ったのも束の間。ここで誘導を続けていた81ミリ盤外砲撃が遂に目標を捉え、次々と東側のアメリカ軍に大損害を与えます。これでアメリカの夢も潰えたか?
 しかしアメリカ軍はあきらめずに、建物の中で砲撃を持ちこたえた9−2指揮官の部隊を、ドイツ軍建物が見える生垣まで前進させ、中央から上陸した部隊もそこに並ばせます。さらに西側でようやく熱狂操作班を倒した後続部隊も、途中の小さな建物と石垣を利用してドイツ軍建物に近づきます。

 これにとどめを刺そうとドイツ軍は次の砲撃を要請しますが、なんと拒否されます。そこで中機関銃1個が回復したドイツ軍部隊は、西側のアメリカ軍を射撃しKIAを与えて撃退するものの、中機関銃を持つアメリカ9−2指揮官部隊の攻撃に壊滅的損害を受け、命からがら後ろの森に逃げ出します。
 進撃を阻止するため再度出てきたドイツ迫撃砲操作班も、待機していたM4と重機関銃にすぐ倒され、中央のアメリカ軍を阻止するものはいなくなりました。第9ターンアメリカ軍は全速力で前進し、森に逃げたドイツ軍に迫ります。第10ターン、負傷してDMのドイツ指揮官は回復できず、23VP分いるアメリカ軍に盤の北端で迫られて降伏敗北となりました。

 ドイツは結果的には途中までうまく行っていたものの、命中率の勘違いから対空砲の置き場所を間違えていたのが響いて、最後は逆転されてしまいました。20ミリ対空砲のIFEは射程が16へクスもあるので、右端と左端に置いたらかなり進撃を食い止められたはずです。あと中央はあまりにも建物にいる部隊に頼り過ぎましたが、後方の森にも少しは予備の徴募兵を置いて置くべきでした。
 一方アメリカ軍は中機関銃を全部持って行ったのが正解でした。これが無ければ到底撃ち合いには勝てません。渡れない半個分隊が丁度数分用意されていて、いかにも後ろで撃ってくださいという感じになっていますが、実はこれはデザイナーの引っ掛けのようです。
 後で気づきましたが、本当はドイツ側を東西に走る道路は土手道になっていました。お互いに撃てない所での撃ち合いをしていました。
 今回の予想時間は(56.5+4×3)×10.5÷60+1≒13時間。実際には前日の特別ルール読み+10時間で終わり、1.5ターン早く終わったことを考えても予想より少し短めでした。ただ序盤ボートに乗っている間はやることが少ないので、これで妥当な所なのでしょう。
 
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