都会と郊外の狭間で
 
 今日のASLは、アニュアル90よりA17ロストフの浸透。ドイツ軍はロストフの市街地に突入したが、そこには市街戦に長けたNKVD守備隊が待ち受けていた。ドイツは11ターン以内に、全ての3階建て建物から混乱していないソ連軍を排除した瞬間に勝利します。
 ソ連はエリート10個分隊で守り、レベルBブービートラップとモロトフ能力を持ちます。ソ連は1建物につき2個分隊以下の制限で、ドイツの侵入へクス列から5へクス以上離れて配置しますが、侵入へクスを事前照準することはできません。
 ドイツは一線級16個分隊と、非装甲ハーフトラックに曳かれた歩兵砲の75ミリと150ミリ各1門が第1ターン以降に侵入。またdrで1が出たターンに75*の4号戦車1両が入ってきます。
 子供がソ連、私がドイツです。


 背景説明とは裏腹に、ソ連分隊は市街戦に強い6−2−8ではなく、普通の4−5−8です。しかも素のままでの戦力評価は、ソ連21%の劣勢で予想勝率0割。ソ連が市街地に引き込んで戦うのは不利と思われます。
 ではソ連はどうすればいいのか。鍵になるのは、攻撃側が遠くから侵入してくる普通のシナリオと違って、このシナリオでは防御側が侵入口すぐ近くの3階建て建物で待ち受け、ろくに隠れる地形のない侵入へクスを近距離から狙い撃ちできること。
 そこでソ連はこれを最大限生かすよう、配置制限一杯のユニットを前面の3階に置き、他のユニットもできるだけ前に置きます。するといつ出てくるか分からない戦車を待っていられないので、ドイツ歩兵はたいてい戦車優勢を得られずに平地に突っ込むことになるでしょう。すると戦力評価は平地による0.5倍補正が付き、全く優劣無しの互角となります。

 第1ターン、この配置に向かってドイツ軍が平地を突っ切ったら死にます。止むを得ず突撃フェイズで鬼スタックを林に、2個分隊を平地に侵入させました。しかしこんな僅かな侵入で間に合うのか?ターン後半にソ連は、平地のドイツ分隊を撃って損耗させ、鬼スタックに撃たれる所からは逃げて、外の部隊は石造建物に集めます。
 第2ターン、ドイツはフルスタックをもう1つ侵入させ、ソ連軍はドイツ半個分隊を除去しました。


 第3ターン、ドイツはやっと鬼スタックが射撃位置に着いたので、これに射撃待機をさせ、さらに2スタックを侵入させます。お互い1個分隊ずつが混乱。
 第4ターン、前に進んだドイツ歩兵の睨みにより、近くの3階からソ連軍がいなくなったので、ドイツは歩兵煙幕で隠しながら、75ミリ砲を盤内に押し出します。ドイツの射撃はソ連分隊を1つピンにしただけで、逆に混乱していたドイツ分隊が、重機関銃に撃たれて除去されました。結局第1ターンに平地から入ったドイツ2個分隊は全滅してしまい、この侵入は余計でした。
 ソ連は完全建物へクスを持つ大きな建物に、少しずつ兵力を集めて行きます。ドイツ軍は置ける場所が限られていて、かなり攻めづらい。


 第5ターン、ドイツはこれ以上進めないので全体で射撃をしますが、隠蔽された石造建物ではあまり効かず、混乱させたとしてもエリートにコミサールなのですぐ回復されてしまいます。非装甲のハーフトラックで砲をソ連軍の前に出すのは無謀だし、それを援護できる戦車もなかなか来ないし。その間にソ連軍は、大方の部隊が一番大きな建物への集結を完了しました。
 第6ターン、戦車はまだ来ない。ただ左側からソ連軍がほぼいなくなったので、ドイツはこちらからの150ミリ砲侵入を準備します。そして左側の3階建て建物に進もうと、一番前のスタックが煙幕を試みましたが全て失敗。しかしこのままでは時間が足りないので、素で突っ込んでみますが、抜けられたのは1個分隊のみ。やっぱり戦車も無しにここを進むのは無理じゃない?
 しかももし何とか抜けたとしても、完全建物へクスを持つ巨大建物が超難物。ここに籠られると、混乱させても中心に置いたコミサールですぐ回復されるだけなので、落とすのにとんでもない時間が掛かる。150ミリ砲も近づくのが危険なので、戦車の支援無しでは撃てる位置に持って行けないけど、これから戦車が来たとしてももう遅すぎる。ドイツどうしてみようもないので投了です。



 表面上の戦力は互角でも、ドイツには不利な条件が多すぎます。特に完全建物へクスを持つ建物は、四行倉庫の八百壮士でもそうだったように、そこで守る防御側に大分有利です。もし他にも同様の例が出て来るようなら、評価補正に加える必要がありそうです。

 
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