へたくそパンター
 
 今日のASLは、デラックス17の「奴らが迫ってる!」。44年、ボカージュ地帯にいるアメリカ軍に対してドイツのレーア装甲師団が反撃します。ドイツの目的は45VP以上突破させること。ただしアメリカがM4を1つ隠匿配置するごとに必要なVPは5づつ減ります。また大きな丘はありません。
 攻めるドイツ軍は、エリート20個分隊とパンター4両、非装甲の対空車両1台となぜかトラックに曳かれた75ミリ砲が。それに対してアメリカは1戦級が23個分隊。えっ?さらにM4が5両とM5が2両と57ミリ長砲身対戦車砲2門。ええっ?さらに風でDR3以下を出すと、雲が晴れて150ミリ砲相当の爆弾を積んだ戦闘爆撃機が。えええっ?しかも重機関銃の数はドイツ2丁に対して、アメリカはジープに載っているのを取り外すと5丁(内3丁が50.cal)。ええええっ?
 普通攻撃側は歩兵が1.5倍、戦車が2倍くらいいないと勝てないのに、歩兵も戦車も重機関銃も防御側の方が多くて、なおかつ航空支援まで防御側に付くとか、これドイツに勝ち目あるの?確かにパンターは正面からなら一方的だから、これでM4を一掃してから砲撃支援や近接攻撃でなんとかするのか?
 子供がアメリカ、私がドイツです。

 少し離れた中ほどにボカージュを利用して守るアメリカに対し、ドイツは中央を中心に前進。隠れていたM4が至近距離から撃ってきましたが、砲が故障し、ドイツ軍は一部が混乱しただけで済みます。ドイツ軍を見たアメリカ右手前衛はすぐに戦線を下げます。そしてジープに載っている50.cal重機関銃を外して持ち出します。
 第2ターン、ドイツ軍はさらに前進し、第3ターンにはパンターを前面に出して戦闘開始。ところがパンターの射撃はことごとくハルダウンに弾かれるのに、煙幕越しにハルダウンのパンター側面を撃ったM4の射撃は一発で命中撃破。ええ?
 しかももう戦闘機が来襲して10−2指揮官のいるフルスタックを爆撃して3KIA。いや、もうだめでしょ。

(J1にいるPIN、DMのスタックが爆弾で全滅)

 翌日同じ陣営を持ち、バランスルールでドイツにパンターを1両追加して再戦です。今回アメリカは最初から少し下がった所で守り、ドイツは横一線に広がって前進します。1、2ターンとドイツはアメリカの足止め半個分隊をものともせず進み、第3ターンには3両のパンターがM4を視界に捉えます。しかしここでパンターの6回の砲撃が全てハルダウンに弾かれて外し、まんまとM4は脱出成功。パンターはどうして足元ばかり狙うんだ。
 第4ターン、パンターは別のM4を狙って移動し砲撃しますがやはり足元ばかりで当たらず。中央には3つのアメリカ大歩兵スタックが待ち構えており、パンターがこれを何とかしてくれなければ、とうてい進めない。しかしその最中に丁度狙撃兵がアメリカの中央のスタックに当たって指揮官を撃ち倒し、そこの分隊が全て混乱します。
 ドイツ歩兵はこのチャンスを逃さず前進。しかしその後もパンターの砲撃は全然当たらず。アメリカの50.cal3丁を含む恐ろしい射撃は煙幕越しでもどんどんドイツ軍を混乱させ、M4の攻撃も加わって前面に出たドイツ軍は全て撃退されます。そして混乱したアメリカ分隊も回復して復帰。だめです。ドイツ軍、残り5ターンでこれを破って盤の向こうまで到達するなんて、到底できません。


 確かにパンターの情けなさが輪をかけたとはいえ、やっぱりこのシナリオ、ドイツに勝ち目があるとは思えません。いつも十分テストプレイをしているアバロンヒル製のシナリオなのに。ちなみにASLシナリオアーカイブの対戦記録はドイツの勝率が15%しかない。当たり前ですね。
 
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