森の奥の秘めごと
今日のASLは、TAC16夏のお掃除。ソ連冬期反攻の突出部をドイツ軍は包囲しました。そして1942年6月、スペイン派遣軍「青師団」は、包囲下のソ連軍の掃除に取り掛かりますが、予想外の頑強な抵抗に会います。
スペインは8ターン終了時に、8点以上かつソ連の2倍以上の損害ポイントを獲得していたら勝利です。茂みは沼に、涸れ谷は小川になります。
スペイン軍はドイツ軍の駒を使い、9−2指揮官付き4−6−8が16個分隊と、50ミリ対戦車砲が2門。そしてソ連軍は9−1指揮の5−2−7が5個、4−4−7が8個分隊と、狐穴6、塹壕3、地雷24戦力。ソ連は2個分隊が隠匿配置できます。
アーカイヴではスペインの勝率が85%で、戦力評価でも普通に計算するとスペイン10%の優勢、予想勝率8割になります。しかしこの勝率計算は正しくなく、攻撃側の砲は戦力計算に含めてはいけません。その理由は以下を見てください。子供がスペイン、私がソ連です。
ソ連軍はスペイン軍に近い側に配置しなければならず、普通なら守りの要になる建物は、脇に数軒しかありません。またスペイン軍の方が射程も長く、一見守りにくいシナリオに見えます。
しかしその考えは誤りです。実は大きな森の中は、防御に有利な地形なのです。外から見えない森の奥に部隊を配置すると、攻撃側は隣接しなければ攻撃できません。すると+1修正しかつかない地形で、倍火力の先制攻撃を受けるのです。これはたまったものではありません。
しかも森では射程の短さも打ち消され、ソ連には壕や地雷まであります。逆にドイツの50ミリ砲は離れて撃つことができないので、全く使えなくなります。
そのため真の戦力評価は、50ミリ砲を除いて計算するべきで、スペイン軍が0.1%優勢なだけと全く互角です。
そういう訳でソ連は森の奥に魚鱗の陣を作って待ち構え、先撃ちを最大限生かせるよう、いつもとは逆にフルスタックします。またスペイン軍が回り込んでくるかもしれないので、壕は魚鱗の中央3ヘクスを含む六角形に配置し、角前面には地雷を配置します。そして六角壕の中心にはコミサールを置き、回復も完璧。
スペインは使えない砲を端に置き去りにし、まずソ連軍前面を偵察して、中央と両端に3つの地雷原を見つけます。そしてこれを受けて、突撃では隠蔽をつけたまま、4スタックスペインが4ソ連スタックに隣接します。
この内魚鱗の中央先頭には、9−2指揮官の鬼スタックがぶつかります。ここはソ連の射撃を1か所からしか受けない代わりに地雷がある所ですが、彼なら耐えてくれるだろうという狙いです。実際6火力の地雷攻撃で隠蔽は取れたものの、損害はありませんでした。

そしてソ連ターン。ソ連中央先頭には、隠匿配置の部隊がごそっと追加されます。ここが鬼スタックでした。彼らはスペイン鬼スタックに36火力0修正の猛射撃。結果は、蛇の目、5KIA、スペイン鬼スタック全滅。いきなりスペイン投了です。
さすがに超大事な射撃で2が出たら、どうにもなりません。ここからもう一度サイコロを振って、2回目を始めることにしました。結果は5で2KIAとなり、9−2指揮官も死んでしまいます。やっぱりソ連勝勢では?
しかし他のソ連部隊による12火力射撃3回は、大して効きませんでした。さすが青師団。そしてスペイン軍のソ連鬼スタックへの反撃ですが、これがまた蛇の目、1KIA。さらにもう一つの部隊も鬼スタックを撃って、9−1指揮官は負傷してしまいます。ソ連は2か所で白兵戦を仕掛けたものの、どちらも混戦状態。うーんこれはやっぱりどうなるか分からない。

(MMGは除去し忘れてます)
第2ターン、スペインはさらに血みどろの射撃と白兵戦を続け、混戦は3か所となりました。そしてソ連もターン後半、白兵戦で徹底抗戦を続けます。その結果ソ連の目がやや良く、ここまでのソ連の損害10VPに対し、スペインの損害は17VP。
ここからスペインがソ連軍を一方的に全滅させたとしても30VPにしかならず、VP2倍の条件を満たせないので、ここでソ連の勝利としました。ただ後から考えてみると、スペインが捕虜を取れば、勝つ可能性もいくらかは残っていました。

インデックスへ