恐怖!泥に潜むヤークトパンター
浜甲子園さんとのVASSAL対戦、今回はAP198 ハッセルトでハッスル。ドイツに侵攻しクレーヴェを攻略したイギリス軍は、東に進みハッセルトという町に入った。イギリスは7ターン終了時に18以上の複数へクス建物を支配していたら勝利です。泥で曇りで、道路は全て舗装されています。
守るドイツは、二線級9個分隊、機関銃中1軽2シュレック1と、隠匿された88LLのヤークトパンター2両、75L対戦車砲1門です。
これを攻めるイギリスは、エリート3個一線級9個分隊、機関銃中1軽2PIAT1と、76LLのアキレス2両、75ミリのシャーマン4両、火炎放射器戦車クロコダイル1両、装甲輸送車ラムカンガルー12両です。第1ターンに北西、西、南西から入って来ます。
地面は泥ですが、攻撃側の侵入できる方向が広く、歩兵をラムカンガルーでいきなり市街地に運び込むこともできるので、以前にも市街戦でしたように泥を無視して戦力評価すれば、良いバランスとも考えられます。さらにアーカイヴでもバランスが良かったので、そのままやってみることにしました。
浜甲子園さんがイギリス、私がドイツです。
防御側が広い範囲に兵力を散らすのは、常に最悪の作戦です。ではドイツはどこまでを守るべきでしょうか。71Q9の交差点から見て、西には6個、南には5個勝利条件建物があり、ここまでは取られても問題ありません。そしてその北東側の建物はある程度固まっており、後方に丘と3階建て建物という守りの拠点になる場所があって、固い戦列は作れないものの割と守り易そうです。またラムカンガルーで内部に強襲されても、建物6個までの余裕があるので、この範囲で守るのが良さそうです。
そこでまずドイツは、広く見渡せる北東の丘の上の果樹園に、対戦車砲とヤークトパンターを重ねて南西向きに隠匿配置。そしてそこからは3階建て建物の陰となって西側の死角が大きいので、その西隣の石造1へクス建物に、もう1両の戦車を西向きで置きます。そして建物3階には鬼スタックを置いて火力拠点とし、防衛範囲の外殻には歩兵を撒きました。またお家戦車の近くにも、側面防御のために歩兵を置きます。
これに対しイギリスは可能な全道路から進入し、市街地の空いている所を一気に制圧に掛かります。その際分隊を降ろした所が、丁度中機関銃の穿孔照準で、KIAとなりました。そして防御射撃では丘の上の対戦車砲が、真ん中に来ていたシャーマンを炎上させます。お家のヤークトパンターも、少し離れたシャーマンを撃ちましたが、これははずれ。一方イギリスの前進射撃は効かず、アキレスは砲を故障させてしまいました。
ターン後半、ヤークトパンターは今度こそ正面のシャーマンを燃やし、クロコダイルの方に向き直ります。そして対戦車砲も振り向いて、西の丘の丁度見える所に止まっていたシャーマンを撃ち、炎上させました。うーん、やっぱりこのシナリオ、泥と隠匿の効果が強くて、ドイツ有利なんじゃない?最後には建物3階にいたドイツ鬼スタックが、安全のため散開しました。

(下が南)
第2ターン、最後のシャーマンはヤークトパンターの側面を目指し、道路を通って回り込みますが、丘の対戦車砲に見つかってあえなく炎上。南からは半個分隊が乗ったラムカンガルーで建物のドイツ分隊を横付け拘束(俗称VBMフリーズ)し、他のイギリス車両はその脇を抜けて一気に町の中心部に突入しました。そして最後にクロコダイルが幸運に賭けて起動しますが、ヤークトパンターはそれを逃さず撃破。白兵戦ではイギリス軍がドイツ半個分隊を倒し、ドイツ軍が半個分隊の乗ったラムカンガルーを燃やします。
そしてターン後半には、故障していたアキレスが砲を壊してリコールとなり、最後のアキレスもヤークトパンターに撃たれてあっさり炎上。イギリスは一方的に戦車が全滅してしまい、数不足の歩兵だけではどうしようもないので投了です。

やってみたらドイツがかなり有利でした。
以前AP131 春のコオロギで市街地の泥を無視して良かったのは、市街地のすぐ近くからスタートして泥移動の影響をあまり受けず、攻撃側戦車がパンターで正面から倒されることも無く、泥で使えなくなる煙幕も元々持っていなかったからで、状況が全然違いました。今回イギリス戦車は、泥によって狭められたルートで隠匿された強力な敵の格好の的になり、正面からではドイツ戦車に勝てないのに側面には回り込みづらく、せっかくのシャーマンも煙幕を使えなくて、泥の影響をもろに受けてしまいます。市街戦として泥を無視し、良いバランスと評価したのは誤りでした。
ちゃんと泥の効果を入れて計算すれば、イギリスの予想勝率は15%。ドイツが妥当な配置をすれば、イギリスが勝つのは相当難しいでしょう。しかしバランスは悪かったものの、特殊で難しい作戦や戦力評価を経験でき、対戦は有意義でした。あとやっぱりアーカイヴのバランスなんて、微塵も信じちゃいけないというのも、再認識できました。
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