ボカージュはまだ序の口
今日のASLは、デラックスシナリオ12、「撃退された」。もうタイトル通りで、アメリカ軍はノルマンディー上陸後、あちこちのボカージュ地獄で苦い戦いを強いられて、ここでM4は撃破され歩兵は撃退されました。アメリカは10ターンの終わりに、奥のボードで8建物へクスを支配していたら勝利です。
ドイツは二線級13個分隊と81*迫撃砲が初期配置で、第1ターンに75Lの4号駆逐戦車2両が西から、現在ターンより2以上小さいdrで3個分隊が南か北(dr3以下で北、4以上で南)から入って来ます。そしてアメリカは一線級23個分隊と、75ミリ中砲身のM4が3両、東端の中央に初期配置です。
戦力評価はM4が4号駆逐戦車を正面から倒せないので半分で評価され、ドイツ12%の優勢で予想勝率8割。戦力評価もタイトルも史実もドイツの明らかな優勢を告げていますが、アーカイヴだけは頑なにアメリカ有利を主張しています。子供がドイツ、私がアメリカです。
アメリカは戦力評価で劣勢な上、攻撃側の割に指揮官も機関銃も貧弱気味なので、条件はさらに厳しいです。しかしアメリカは低い士気がボカージュで軽減され、ターンが10ターンと長く、勝利条件上ドイツは広い範囲を守る必要があるので、勝機はあるかもしれません。
第1ターン、ボカージュラインで守るドイツ軍に対し、アメリカ軍は到着した部隊から順次前進射撃を始め、一部を撃退して強力な射撃ラインを形成しました。ボカージュは射撃してもすぐにまた隠蔽を付けられるので、攻撃するには良い場所です。ドイツは今の防衛線を維持。
第2ターン、アメリカは火力スタックを射撃待機させ、全線戦じわりと前進してボカージュラインに取りつきます。射撃戦では互いに損害を出しますが、アメリカ軍を全て撃退することはできず、ドイツ軍は最初の戦線を維持できなくなります。
第3ターン、アメリカはボカージュラインを順調に突破し、損害を与えながらドイツ軍を押していきます。あれ?ドイツこんなもん?この調子だと10ターンまで持たないんじゃない?
第4ターン、アメリカは中機関銃スタックで視認兵を射撃。ずっと撃ってきていた迫撃砲を黙らせます。これで林も安心になったので、アメリカ軍はさらに前進を継続。すると石造建物内だから大丈夫と思っていた南側で、予想外の24火力射撃を受けて撃退されてしまいました。とは言え北側ではより多くの兵力が戦車を伴って進んでいるので、こっちで行けるはず。
ターン後半、南側でドイツは建物の後ろに戦車を回り込ませ、混乱した部隊の退路を断って降伏させてしまいました。アメリカ戦車は弱すぎてドイツ戦車に近づけないので、こういう事が起きるのも仕方ない。
第5ターン、そんなことに構わずアメリカは北側でさらに前進。戦車の煙幕・白燐弾支援も受けて最初の勝利条件建物に隣接します。ここで新たな視認兵を得たドイツ迫撃砲が林に撃ってきましたが、観測射撃は当たりにくくて外れ。建物を守るドイツ守備兵はどちらも半個分隊で、アメリカ分隊相手では勝負にならず、1個は除去され、もう1個は自己潰走。アメリカはまず2個を占領しました。北側では対戦車白兵戦に失敗したものの、この調子で煙幕白兵戦を繰り返して南で押せば、アメリカ十分やれるぞ!

(下が北)
なんて行くと思いますか?戦力劣勢なのに。
まず一番前に出たアメリカ分隊は撃たれて混乱し、後ろを取られて降伏。また南から転進してきたドイツ戦車が石造建物突入に成功し、アメリカ戦車に向き合います。そして丁度こちら側に出て来たドイツの援軍は守りを強化し、ドイツ重中機関銃は煙幕から出て、石造建物の隣区画で新たな射撃体勢。さらに南側で対戦車白兵戦を掛けたアメリカ部隊も、3度のオーヴァーランを受けて大きく損耗しました。
こっ、これは。M4は4号駆逐戦車に全く歯が立たないので進めない。石造建物のドイツ機関銃は、間に果樹園もあって、アメリカが撃っても効果無し。唯一建物を占領しているアメリカ分隊も、三方から狙われ逃げるしかない。しかしこの撤退は煙幕迫撃砲で援護したにもかかわらず、ドイツ機関銃の射撃が冴えて全滅。あああああ。
次のターンに煙幕が全て無くなれば、果樹園まで進んだアメリカ軍はTEMも無く撃たれ放題。かと言って突撃でボカージュの線まで下がると、途中に果樹園や戦車が挟まって、アメリカの射撃はほとんど効かなくなります。進めず、留まっても下がってもダメ。アメリカ負けです。

やっぱり戦力評価がそんな簡単に覆る訳はありませんでした。ボカージュ同士の撃ち合いでは、両者の地形が互角なのでアメリカも十分戦えますが、それはあくまでドイツがそこで時間稼ぎをしている間だけ。傷の浅いうちに建物ラインまで下がられたら、結局は戦車の強さと優勢な兵力に太刀打ちできないのです。
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