頂を棄てれば丘は囲めない
今日のASLは、T7 Hill 253.5。ツィタデル作戦でドイツは期待したような突破に成功せず、徐々に守勢に追い込まれた。そのためドイツは防御拠点としてHill 253.5の確保を目指した。ドイツは8ターン終了時に、レベル3のヘクスを4つ以上支配し、ソ連の統制MMCもAFVもレベル3ヘクスにいなければ勝利です。
守るソ連は、8個分隊と火炎放射器1爆薬1、鉄条網6、地雷40戦力、80ミリ盤外迫撃砲無線機1、76L野砲2門、45L対戦車砲1門を、可能なら狐穴に初期配置。そして第4ターンにはトラックに乗ったエリート3個分隊と、76LのKV−1が2両やって来ます。他にモロトフ能力と、普通より1低い目以下で登場する爆弾無し戦闘機があります。
これを攻めるドイツは、12個分隊と10−2、9−2指揮官に、火炎放射器2爆薬2、80ミリ盤外迫撃砲無線機1、75LLのパンターD型(壊れやすい)2両、88LLのフェルディナンド1両、ハーフトラック2台です。他に爆装のスツーカが来ます。
戦力評価では、全く歯が立たないKV−1を0.25倍し、狭い面からの攻撃で丘の効果を無視しますが、それでもドイツの予想勝率はマイナス23%の必敗。何か互角そうなことを言ってるアーカイヴは無視するにしても、このバランスはあまりに酷過ぎます。
これはもしかして正面から倒されない戦車で左側に回り、右側に初期配置できる部隊と丘を挟撃することで、ドイツに不防地形1.5倍を付けてなんとかなりうるのか?しかしそれで計算してもなおドイツの勝率は12%しか無いので、ソ連の砲を各1門ずつ減らして37%にしましたが、これで足りるのでしょうか。
子供がソ連、私がドイツです。
ソ連の配置は最初から大尾根を放棄して、後ろの小尾根の周りを固めています。この勝利条件ではソ連が大尾根を守らなくても、最終ターンの突撃で小尾根に歩兵を1つ登らせればソ連は勝てるからです。これでは挟撃にならず不防地形の1.5倍が付かないので、ドイツの予想勝率は0%になります。それでも盤外砲、航空支援、強力な戦車等、当たり外れの大きいもので覆せる可能性は僅かにあるので、まあやってみます。
地雷や対戦車砲が怖いので、ドイツ戦車はひとまず砲撃支援をし、歩兵を先行させることにします。すると大尾根には鉄条網、小尾根には野砲がありました。ドイツ歩兵は右端を進むつもりでしたが、平地で野砲に撃たれたくないので丘登りに変更し、フェルディナンドで野砲を撃ちます。しかしこのターンは当たりませんでした。ターン後半にソ連は、丘の中腹の小さな森の放火に成功。火炎瓶は便利だ。
第2ターン、ドイツは火が燃え広がる前になんとかしなければなりません。そこでふわふわ煙幕を撒いて、歩兵、戦車、ハーフトラックが全力で接近します。
まず10−2率いる8−3−8フルスタックは、運良くソ連軍からの射撃を耐えたました。しかしハーフトラックは振り向いた野砲に破壊され、煙に隠れて進んだ爆弾班は、いきなりの突風で煙が晴れた所を撃たれて混乱。うーん。
第3ターン、ドイツは戦車を前に出そうとしますが、火事が広がっている状況では森に入れず、大尾根に登るのは火炎瓶が危険過ぎ、脇の道路を抜けて進むのは対戦車砲が危険です。しかたなくひとまずフェルディナンドが、右手から野砲の見える位置まで進み、パンターはその後ろに続きました。
そしたらそこに攪乱砲撃を落とされ、パンターが致命的命中でぶっ飛び、森の歩兵も混乱。さらにターン後半には、フェルディナンドにスタックした10−2指揮官と8−3−8のフルスタックまで全混乱してしまいました。まだ地雷も全部残ってるし、やっぱ無理、ドイツ投了。

やはり評価通りで、このくらいの戦力調整では、ドイツどうにもなりませんでした。全く当てにならない素人によるアーカイヴはともかく、アヴァロンヒルともあろうメーカーが、勝率マイナス23%などという完全崩壊シナリオを作るとは、なんとも情けない。
このシナリオ名で検索すると、ソ連が部隊と鉄条網を一番前に並べるという、最悪の配置をしている例が最初に出て来ます。このようなプレイを前提にシナリオを作ったら、まともなバランスになるはずがありません。
時に判断が難しいことはあっても、やはりバランスは戦力で評価するしかないようです。
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