全容の掴めぬ構え
今日のASLは、Paddington Bearsの96パックよりPB7、Piece of Cake朝飯前。ソ連は枢軸軍を破ってブダペストに侵攻したが、自分たちの首都を守ろうとする本気のハンガリー軍は、今までのような朝飯前の敵ではなかった。ソ連は7ターン半の終わりに、奥の大きい2つの建物内の11へクス以上を支配していたら勝利、7〜10へクス支配なら引き分けです。
ハンガリーはエリート8個分隊と爆薬2、76ミリ対戦車砲を初期配置し、第1ターンに76Lのヘッツァー3両が入ってきます。さらに40ポイントで防衛装備を買うことができ、値段は例えば対人地雷は1戦力1ポイント、対戦車地雷、鉄条網、要塞化は3ポイント、HIPは分隊5、半個分隊3ポイントなどです。ただし一つの項目には18ポイントまでしか使えません。
ソ連は6−2−8エリート9個分隊と、火炎放射器、爆薬各1、82ミリ迫撃砲を北側か運河の東に初期配置し、第1ターンには122LのIS−2mが3両北から入ってきます。また最初の準備射撃で、LOS内のヘクスに拡散した煙幕を1つ置くことができます。
戦力評価は攻撃側のELR優勢と防御側の完全建物へクスで共に質が+0.1され、ヘッツァーはIS−2mを倒せないので数を1/4で評価して、ハンガリーが2%の優勢で予想勝率5割です。子供がハンガリー、私がソ連です。
ハンガリーは兵力を分けたら勝てる訳ないので、当然完全建物へクスを持つ巨大建物1つに集中します。ソ連は全軍北から進みますが、ハンガリーの重中機関銃らしきものが3階から狙っていて、そこに煙幕は置いたものの安心して進めない。ターン後半には入って来たヘッツァーが全て大きな建物に突っ込み、どれも無事入れました。
第2ターン、煙幕が晴れたのでソ連は迫撃砲で代わりのを置こうとしましたが、持っていませんでした。仕方なく左側の部隊は戦車に隠れて建物に進みましたが、ハンガリー10−2指揮官の重中機関銃に撃たれて2個分隊が混乱。ただ右側を進んだ部隊は、無事小さい方の勝利条件建物に到達しました。後半隠蔽の取れたハンガリー重中機関銃は下がってまた隠蔽します。
第3ターン、隠れている76ミリ砲が怖く、ソ連軍はびくびくしながら巨大建物に近づきます。ハンガリーは重中機関銃を奥に隠したままで、特に反撃は無し。しかし突撃で大きめのハンガリースタックが前面に出てきました。これは何だろう。
第4ターン、ソ連はIS−2mで空いている建物突出部を迂回してみると、やはりここは8戦力の地雷原。目の前にはヘッツァーがいますが、隠蔽されていてほとんど当たらないので、弾数の少ないIS−2mは撃ちません。次にその左奥のハンガリースタックに2両目が迂回してみたら、これは10−2指揮官のスタックで、IS−2mは街路戦闘を食らって破壊されてしまいました。
そこでソ連は最後の戦車をその前面に置き、そのすぐ後ろに2つのスタックを進めると、防御射撃でこの指揮官1つがクラス上昇。9−2が2つに強化されたスタックで、ハンガリーの10−2機関銃スタックを突撃火力で撃ちました。しかし戦車を犠牲にしてまで行ったこの射撃も、要塞に阻まれて効きません。さらに突撃で左の小さな木造建物に入った分隊は地雷で混乱。ハンガリーの機関銃前面で平地に残るのは危険なので、2つの9−2スタックは一旦下がって木造建物に戻ります。
ターン後半には、ヘッツァーが1両討って出て、IS−2mの後ろに回り込んで来ました。しかしその瞬間、ソ連は2へクス後ろから火炎を放ち、運良く炎上させて難を逃れます。ハンガリー機関銃はまた後退。

第5ターン、正面は全体に要塞化されているのが分かってきましたが、もう回り込んでいる時間は無いので、ソ連は再び正面から歩兵を巨大建物に接近・隣接させます。戦力が足りないので、小さい勝利条件建物の守備隊も前線に投入しました。ターン後半、前面のハンガリー軍は下がって戻ります。
第6ターン、いままでハンガリー歩兵を何も倒せておらず、ここで準備射撃が効かないとソ連はもう勝てそうもありませんが、隠蔽要塞にどれだけ効くのか。しかしここでソ連は天運に恵まれ、前面のハンガリー分隊を2個KIA。よし。これで空いた左側では戦車の突入にも成功し、両方に分隊を突撃させます。さらに右の突出部にも地雷を越えて9−2フルスタックが突っ込む賭けに出て、これも全て混乱せずに到達成功。一気に戦況が好転します。
だがターン後半、ハンガリーは2つの機関銃スタックで満を持しての反撃。奪取したばかりの要塞2か所は、両方損耗して奪還され、突っ込んでいたIS−2mは、またしてもハンガリー10−2指揮官にやられて炎上してしまいます。うーん、やはり巨大建物は固い。
けれども第7ターン、ソ連も再び準備射撃が冴えて、前面のハンガリー軍を追い払い、ヘッツァーも白兵戦で倒します。これで10へクスを占領し、次のターンにあと1へクス取れれば勝利。
などと思ったターン後半、ハンガリーは隠れていた半個分隊と砲の操作班が登場。あっ!という間に小さい方の勝利条件建物3へクスを奪い返してしまいます。しまった、煙幕切れの迫撃砲など捨てて、操作班をここに送っておくべきだった。今まで巨大建物が固くて手に負えなかったので、あるかどうか分からない隠匿配置に備える所まで気が回りませんでした。
しかも巨大建物の方でも、ヘッツァーを倒したスタックが爆薬攻撃を受けて全員混乱。そこも奪還されてソ連の支配へクスは6に減ってしまいます。両者の損害が激しく、ハンガリーも巨大建物全ては守り切れないので、ソ連は次に1へクスを取って7つ支配にはできますが、11は無理。引き分けです。

隠匿されている相手の兵力や野戦構築物等は、この購入システムのように何がどのくらいあるのか正確に分からない方が、現実的でかつ面白いです。この方式がもっと一般的になればいいのに。
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