軽戦車の晴れ舞台
 
 今日のASLは、Paddington Bears96パックのPB2追い詰められた王室騎馬砲兵(RHA)。1940年5月、ダンケルクからの撤退を阻止するため、イギリス師団の隙間を突破しようとするドイツ軍。それを防ぐのは王室騎馬砲兵と、臨時に歩兵となった80人のサーチライト操作員だけだった。ドイツは7ターン以内に、2つのイギリス砲を破壊すれば引き分け、それに加えて10VP以上を東に突破させたら勝利します。麦畑はありません。
 イギリスは二線級8個分隊と84*野砲2門、木造瓦礫1個をQからZ列の間に配置しますが、砲は建物に置けません。そしてドイツはエリート5、一線級5個分隊を初期配置し、1号戦車2両が第1ターン、38(t)戦車3両が第2ターンに入ってきます。
 戦力評価ではドイツが2%の優勢で予想勝率5割です。しかしドイツの戦車は1号や38(t)という最弱クラスの軽戦車。一方でイギリスには、当たれば戦車をだいたい破壊できる強力な砲が2門と、一応ATRも2丁あり、本当にドイツはそんなに勝てるのか?子供がイギリス、私がドイツです。


 大きな建物付近に固まるイギリス軍に対し、砲が隠れていないか半個分隊で辺りの林を探しながら、ドイツ軍は進みます。すると遠くからイギリス歩兵に撃たれて、1個分隊半が混乱。その後に主力は最初の建物に入ります。そしてATRにすらやられかねない1号戦車は、林の陰に隠れることにしました。
 イギリスの方は、大きな建物の前面にある建物に放火。
 第2ターン、ドイツは中機関銃スタックを射撃待機させると、さらに付近の林を探しながら、軽機関銃部隊が2列目の建物まで前進。38(t)もやっぱり砲が怖いので、1号戦車の後ろに隠れ、戦車はみんなでブルンブルン言わせながら後方待機。戦車とは思えない情けなさ。
 イギリスは大きな建物の脇に置いた瓦礫まで燃やした上で、部隊を全て本館に引き揚げました。


 第3ターン、ドイツ軍は2列目に着いた軽機関銃部隊で前面のイギリス兵を撃ち、その後中機関銃を持ったフルスタックが、安全そうな左側を通って前に出ようとしたその時。
「ボウン!」
なんと右奥の森に隠れていた野砲が、細い隙間を縫って砲撃。ドイツスタックはエリートの中機関銃分隊だけを残し、指揮官ごと混乱してしまいました。しかも唯一の潰走先である左隣の建物も、また砲に撃たれそう。これはドイツ、非常にまずい・・
 どうする。この状況で手はあるのか?
「戦車隊、今こそ出番だ!あの砲へ突っ込め!」
 普通であれば弱小戦車で強力な砲に突っ込むのは無謀の極みだが、このピンチをチャンスに変えるには、砲が撃ったばかりのこの瞬間しかない。まず1号戦車から道路沿いに接近して砲に隣接。
 すると左隣の果樹園にもう1門隠れていて、至近距離から射撃。しかし1号はこれを躱した。イギリスはさらにATRも撃ったが、これも弾かれる。全てを切り抜けた1号は、今撃ってきた砲に突入しオーヴァーラン!惜しくもこれは効かなかったが、これで1門を一時的に無力化した。
 さらに2両目の1号が林の砲を迂回して、これも射撃を止める。そうしたら38(t)3両は右側の石垣の所に進み、一番前の車両は砲と相対する。機動中の1号2両が砲に仕掛けた白兵戦は、残念ながら効果無し。大博打の突入自体はうまく行ったが、肝心の砲を倒せていないので次が本番。どうなるにしろすぐに決着がつきそうだ。
 第3ターン後半、2門の砲はそれぞれ1号戦車を撃つが、機動中の同一へクス小型には当てにくく、どちらも外れ。一方ドイツは積み上げた軽機関銃スタックが冴え、左の砲の操作班を除去。ただ右の砲を撃った38(t)は主砲を故障させてしまった。
 そしてここで左の1号戦車の隣にやって来たイギリス軍が、ATRで見事1号を破壊。そこに1個分隊と指揮官を送り込んで、砲の再確保に成功した。右の砲への白兵戦はまた効果無し。まだどうなるか全然分からない。


 第4ターン、まずドイツ軽機関銃スタックの射撃で、左の砲を持つイギリス兵は混乱。次にバーサークしたドイツ分隊が砲に向かって突っ込んで行き、隣接建物からの強力な射撃を耐え切ったが、移動力はそこまで。
 そしていよいよ38(t)も突入の時。次々と右の砲に隣接しては機関銃を撃って行くが、砲は頑強で全て効果無し。しかし1両は左の砲の所に突入し、オーヴァーランで混乱したイギリス分隊を損耗させた。そしてドイツ歩兵も進めるだけ進み、1個半分隊が右の砲に隣接して、1個分隊が砲に突撃可能となる。
 だがここで残ったイギリスの砲が、防御射撃でついに同へクスの1号戦車を仕留めた。さらに追加射撃で目の前の38(t)を狙ったが、これは外れ。一方ドイツも前進射撃で、38(t)が建物内の混乱部隊を撃ってどうにも参らせる。
 そしてドイツ分隊は操作班に対して白兵戦。もうイギリスはここで一方的にドイツ分隊を倒すという奇跡しか、勝利の可能性は無い。が、やはり操作班は一方的に倒され、これでドイツは砲を2門とも確保した。イギリスは勝ちも引き分けも絶望的となり、ドイツの勝ち。



 僅かな隙を突いたドイツの大胆な博打が図に当たりました。もし普通に攻めていたら、火事に邪魔されて正面からは大きな建物を落とせず、右に回って撃ち合っても、強力な砲2門を打ち破るのは大変だったでしょう。いつもは弱い軽戦車の晴れ舞台でした。

 
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