マシンガンズ
今回はClassic ASLより、シナリオJ ビッチュ突出部です。ドイツ国内に進撃してきたアメリカ軍に対し、ビッチェ付近でドイツ軍がその突出部に反撃を加えます。しかし到達したアメリカ軍増援により、ドイツ軍は次第に包囲されていきます。アメリカ軍はゲーム終了時に、東から西までの道路とその隣接ヘクスからドイツ軍を排除するか、ドイツより20点以上多くの損害ポイントを得れば勝ちです。
まずこのシナリオのアメリカ軍は、とにかくたくさんの機関銃を持っています。総分隊数30個に対して、持っているだけで12丁、ハーフトラックから取り外せば最大18丁の中重機関銃を持つことができます。部隊は最初西側に14個分隊を配置し、第5ターンに東から11個分隊と105ミリオープントップ2両とハーフトラック4台、第8ターンにも東からエリート5個分隊が侵入します。また4ターンから80ミリ、7ターンからは100ミリの盤外砲撃も使えます。それから初期配置では分隊(半個分隊含む)同士を隣接して配置できません(特に書いてないのでスタックは良いようです)。
一方ドイツ軍は、東側に6個分隊と狐穴8、鉄条網8と80ミリ盤外迫撃砲(事前照準有り)を後番で配置し、先番で第2ターンに15個分隊と75ミリ長砲身の3号突撃戦車1両(シュルツェンつき)、ハーフトラック3台が南北から登場します。これらでアメリカの増援が来る前にどの程度攻撃するかがカギになりそうです。
子供がアメリカ、私がドイツです。
アメリカは4つのフルスタックを数へクスずつ離して横に並べます。中央の2つは少し高めなのでこれは機関銃部隊でしょう。これを見たドイツは右端(北側)を狙って主力を配置し、中央は鉄条網と少数の部隊で支えることにしました。アメリカの機関銃との撃ち合いは怖くてできません。
第1ターン、ドイツ軍の攻撃によりアメリカ軍の北端スタックは全て混乱し、退却先でも狙われて回復もままなりません。ただそこを狙って落とそうとした盤外砲は、追加のカード引きで赤を出してしまい、止めを刺し損ねます。アメリカ軍は右手(南側)の低い方の丘に1スタックを進めます。
そして第2ターン、ドイツは増援を北から出すか南から出すかで迷います。結局戦力を南北に分散すると増援と連携したアメリカ軍の集中攻撃に耐えられないだろうということと、混乱させた部隊に止めを刺したいということから、ほとんどの部隊を北から出すことにしました。これは今から考えると、南から出せば南の低い丘に登ったアメリカ軍を包囲することもできそうで、こちらの方が良かったのかもしれません。ともあれドイツ軍の攻撃により、アメリカ軍は4.5個分隊が壊滅し、ドイツが良い感じに思えるスタートです。

(上が西)
第3ターン、今度は南の丘のアメリカ軍に向けてドイツは攻撃を開始します。アメリカ軍は耐えきれずに丘を降り、丘の北隣の林に隠れます。しかし第4ターンにドイツは最強の9−2指揮官と機関銃部隊を前面に出し、退路も中機関銃で断って、殲滅にかかります。もうどうしようもないアメリカ軍。しかたなく隠蔽された9−2指揮官の部隊にあまり期待できない射撃をしてみます。ところがこれが当たり、しかも9−2指揮官がいきなり11を出して、混乱した上にクラス低下!!残った部隊の射撃も当たらず、殲滅どころか逆に一方的大損害を受けてしまいます。一方アメリカもアメリカで、確認できない敵に仕掛けようとした盤外砲撃で、2回続けて赤を出し、以後の砲撃を禁止されるという不運に見舞われます。
第5ターン、クラス低下した指揮官は奇跡的に戦禍からのクラス上昇で9−2指揮官に回復したものの、このターンでアメリカ軍が来る前に南北の丘の間を走る道路をしっかり確保する予定が完全に狂います。結局南の丘のアメリカ軍は混乱させて追い払ったものの、道路は少数の部隊が抑えるだけの状態です。北の丘への前面はドイツの防衛体制が整っていたので、アメリカ軍は無難に南の丘側から部隊を侵入させ、車両は丘の向こう側に隠れて西に進みます。
第6ターン、ドイツは東側面を守っていた部隊を南に向け、南のアメリカ軍との対決姿勢を整えます。もちろん中核は9−2指揮官の率いる機関銃部隊。ドイツはこれでアメリカ軍の反撃を止められるはずと確信します。しかしアメリカは臆せずここで全軍を突撃。105ミリ砲も含めて6つのヘクスからドイツ機関銃部隊を狙う形にします。

第7ターン、こうなってみると大丈夫か、ドイツ?機関銃はこれらと撃ち合って勝てるのか?ドイツはまず周りの小さな部隊でいくつかの射撃をしてみます。これでいくらか敵を減らせれば、機関銃で撃ち合おうと思いますが、全然成果なし。+1修正しかない地形で、ROFに賭けて6つの敵と撃ち合うのは無謀と、ドイツは機関銃を尾根から下がらせます。しかし下がった先に対する小さな射撃で、9−2指揮官がただのモラルチェックにまた11を出して失敗し、分隊も混乱して重機関銃も置き去りにされます。ただドイツは前進していたアメリカのハーフトラック前面に3号を進めており、次にこれを倒すことに期待をかけます。ところが3号は9以下で当たる射撃を外してこれを取り逃がしてしまいます。さらにアメリカは最初からの機関銃部隊も前進させてきて、道路は完全にアメリカの確保下に入ります。
もうこの状況で次にはさらにアメリカのエリート増援が来ては、到底ドイツがこれから道路を奪還できるとは思えず、アメリカの勝ちとなりました。
たしかにドイツの不運で予定が狂ったのもありましたが、ドイツは北の攻撃に深入りし過ぎたのでしょう。ドイツの増援は南から出して、道路の確保を優先した方が安全性が高かった気がします。しかし戦力を分散すると、大量の機関銃を持つアメリカに点数を稼がれやすくなり、点数による勝利を奪われそうなのが難しい所です。もし北の高い丘を取られると、防御効果の無い南の低い丘は守りようがなくなります。また南の丘にドイツは盤外砲の事前照準をしていたのですが、結局アメリカはそこに居座らなかったのも残念でした。
予想プレイ時間は、(51+10×3)×10÷60+1=14.5時間。今回は7ターンまででそのくらい掛かったので、最後まで行ったらもっと長くなります。攻撃側と防御側がはっきりしない難しい状況と、侵攻方向も自由度が広いことから、考えるのに時間が掛ったようです。
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