まず包囲
今日のASLは、ASLジャーナル2よりシナリオ139The Weigh In。割って入るという意味のようです。ドイツ軍は緒戦でポーランド軍を撃退し、後は楽勝と思って進んでいたましたが、ピョトルクフでポーランド軍が予想外の激しい抵抗をしてきました。56VP以上の損害VPを得たら即ポーランドの勝利、そうでなければ8ターン終了時に南東側の全ての建物を占領したらドイツの勝利です。捕虜の尋問ルールが使用されます。
守るポーランド軍は一線級8、新兵6個分隊、81ミリ迫撃砲1、75ミリ野砲2、37ミリ長砲身対戦車砲2に加え、3ターン目には37ミリ長砲身砲搭載のこの当時としては結構強い戦車2両が出てきます。一方ドイツはエリート5、一線級15分隊と火炎放射器1、爆薬2。さらに大量の装甲車両を持ち、4号2両、2号4両、1号4両、装甲車4両、ハーフトラック2両があります。子供がドイツ、私がポーランドです。
アーカイブではポーランドの勝率が高いですが、戦力比や地形を見る限りそんなにポーランド有利とは思えません。ポーランドは普通に建物へ兵力を配置して守ります。これに対しドイツは足掛かりになる地形の多い中央を中心に前進してきますが、ポーランドにとって意外だったのは、ドイツが東の端(ポーランドから見て右側)から、かなりの兵力を進めてきたこと。こちらはあまり良い地形が無く近づきにくいのです。
しかしドイツの前進方法は、豊富な戦車を生かした効率的なもので、まず歩兵と戦車で随伴して前進し、止まったその一へクス先にもまた別の戦車を止まらせます。これにより突撃で先の戦車に随伴を引き継いで、突撃フェイズも無駄にせず継続して戦車の随伴を受け続けられます。ドイツはこの前進の途中で、運悪く三階からの中機関銃の照準区域に嵌って中央で損耗を1つ出すものの、全体的にはすばやく村を三方から見据える所までたどり着きます。
さてこれでポーランドは全く困り果てます。実はポーランド、ドイツの進撃ルートを中央から左にかけてと読んでいて、右手には迂回した少数の戦車くらいしか来ないだろうと、こちらの麦畑に迫撃砲と対戦車砲を中央方向に向けた状態で隠していました。右手手前の建物には新兵2個分隊しかおらず、中央の建物からの支援は距離、麦畑、生垣があって効果的に行えません。出現すれば撃たれるだけの状況に躊躇して、ポーランドは対戦車砲、迫撃砲を出さず、中央の野砲で付近に来た装甲車を撃破するだけに留めます。
第3ターン、ドイツ軍は村の北西端の建物に向けて前進し、煙幕を越えて非常に低い確率だったにも関わらず、1スタックが野砲に撃たれて1KIAの大損害を出しますが、9−2指揮官の最強スタックは無事建物にたどり着きます。そして東側でドイツは、1スタックで準備射撃をした後、戦車と歩兵で村はずれの建物に殺到。ポーランド軍新兵ではどうにも止められず、建物に侵入します。ただドイツはこの攻撃で、ハーフトラックの上から撃った火炎放射器を壊してしまいます。
そしてターン後半にポーランド軍は、村を狙っていた4号戦車を重中機関銃で撃ち、これをスタンさせます。そして増援の戦車を東側から登場させ、東の建物まで出てきたドイツ戦車へ、砲の威力を頼みに正面から挑み、対戦車・迫撃砲の救援を狙います。ドイツは2号戦車とATRでこれを撃ちましたが、いずれも弾かれてしまいます。

第4ターン、ATRと2号戦車はさらにポーランド戦車を撃ちますが、弾かれ続けます。この頃のドイツ戦車は主砲の故障率が高く、無理撃ちはリスクが高いのですが、このままやられるよりはと2号戦車はさらに追加射撃。これが遂に急所を捉えて、ポーランド戦車を一両撃破します。そして別の2号と1号が、残ったポーランド戦車の裏側に回り込みます。ポーランド戦車をこれを撃ちますが外し続けてしまい、結局これも次ターン2号にやられてしまいます。(ポーランドはうっかり追加射撃するのを忘れていました。)
隠れていたポーランドの2門の砲も、捕虜の尋問で所在がばれ、対戦車砲は1号戦車を破壊するものの、その後4号戦車のオーヴァーランと歩兵の突撃を受けて沈黙させられます。
中央では9−2のドイツ最強スタックがポーランド野砲を混乱させ、それを受けてドイツ戦車が接近します。さらに西に回り込んだドイツ軍も、村が見える林まで出てきます。するとここで村の西の端からもう一つのポーランド野砲が登場。これが奇跡的な能力を発揮して、たちまちドイツ車両を2両破壊してしまいます(1両はハルダウン)。
第5ターン、ポーランド超人野砲はドイツ最強スタックの攻撃にもぎりぎり耐え、林のドイツスタックを全混乱させます。さらにポーランド歩兵がそこに追い打ちを掛けたら、2個分隊を損耗させたものの、1分隊が狂暴化して復活してしまいます。他にもポーランド軍は、ATRで1号戦車を破壊したり、機関銃の射撃で1分隊を混乱させたりしますが、周りじゅうからドイツ軍に迫られ、徐々に損害を増やしていきます。
第6ターン、ドイツ軍は弱ったポーランド軍に対し、戦車や歩兵で次々に近接します。超人野砲も狂暴兵を止められず、ついに白兵戦に持ち込まれてしまいます。ポーランド軍は対戦車砲で後ろに回り込んできたドイツ車両1両を破壊したのが最後の抵抗で、大半が混乱して退路も失い、もう2ターン生き残れる可能性はありません。ポーランド投了です。

これは大量の戦車を上手く生かし、両翼包囲を完成させたドイツの完全な作戦勝ちです。ポーランドは東からの攻撃を軽視していて、こちらを本格的に攻められた時に対処できる配置になっていませんでした。対戦車砲は石造建物内、迫撃砲も隠匿を捨てて建物付近に置けば、右手から回られてもそちらの建物の新兵を中央に逃がし、戦車も無理せず村の中で防御に当たって十分戦えたはずです。
もしかすると今回の配置であっても、隠匿砲は見捨てて、戦車も新兵も中央の村に集めて戦った方がましだったしれません。予想外の展開に混乱して、そこまで考えが回りませんでした。
一旦包囲されると、防御側は安全な回復場所が確保できず、抵抗力が大きく落ちてしまいます。なので両軍はまず最初に、包囲できるよう/できないように考えなければいけないというのが、良く分かりました。
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