山林での密集陣
今日のASLは、A108 サドンデス。ドイツのノルウェー侵攻時のフランス外人部隊によるナルヴィク奪還です。相手より5以上多くの損害ポイントを稼いだ側は、その時点で勝利。そうでなければ6.5ターン終了時に、フランスはドイツより多くの損害ポイントを稼いでいたら勝利ですが、その時はトーチカの支配が2ポイントになります。大雨同様の低視界があり、格闘戦が選べます。
守るドイツは二戦級3個徴募兵4個分隊とヒーロー、機関銃中2軽2、トーチカ1(必ず奥の丘に置く)、塹壕2(同前)、狐穴5です。ユニットは丘二つどちらかの上で、防御施設内か隣に置かなければなりません。
攻めるフランスは全てエリートで、5.5個分隊と機関銃中1軽2、爆薬2を初期配置。第2ターンには、エリート3個分隊と中機関銃1、37*歩兵砲1、爆薬1が来ます。裏面のモラルは1高く、最初の3ターンはだらしないです。
戦力による予想勝率はフランス76%なので、ドイツバランスで指揮官を9−2に交換し64%にしました。森林内では防御側が先撃ちできてヒーローの価値が高まるので、このくらいで丁度いいでしょう。
子供がドイツ、私がフランスです。
当然ドイツは前の丘に戦力を分けたりせず、全て奥の丘に配置。フランス軍は全速で道路を進みます。するとドイツは2か所で放火し、ウェットにもかかわらず両方成功しました。
第2ターン、フランス軍はさらに進みますが、まだだらしない内に戦力を逐次投入するのは愚かなので、増援を待ちます。ドイツは火事を利用した集中防御態勢を整えました。

第3ターン、フランスは全軍が奥の丘に着いて攻撃準備完了。ドイツとしては火事が大きくならず残念な所。
第4ターンにはフランス軍がしゃきっとし、ここからが正念場。右側で突出しているドイツスタックはダミーと思われるので、フランスは左端のドイツスタックに半個分隊を送り、鬼スタックだと確認した上で三方向から3つの爆薬を仕掛けに行きます。
臨機射撃は火力の割に奮いませんでしたが、フランスもエリートの割にこらえ性がなく、全員ピンか混乱。残念、どれか1つでも爆薬を仕掛けられていれば、かなり有利だったのに。ドイツは撃ち過ぎで中機関銃を故障させたものの、残りのフランス部隊がさらに移動して格闘を仕掛けるのは、残留火力を食らう上に、9−2に指揮されたFPFがかなり厳しい。
フランスは自重し、残りの全軍を隠蔽のまま突撃で隣接させました。ここで燃え始めている所に入るのは、次に炎上して焼け出される危険性がありますが、この状況ではそんな事を言っていられません。
ターン後半、フランス鬼スタックは中機関銃を直せず、残った火力で散布射撃。これはフランス軍をきっちり捉えて大混乱に陥れ、さらに火事が1つ燃え上がってそこのフランス兵も混乱しました。そして続く白兵戦では、ドイツ鬼スタックが不意打ちを取り、フランス分隊を捕虜にして、ドイツのサドンデス勝ちです。

一見サイの目勝負に見えるかもしれませんが、あくまでこれはどれだけ戦闘で有利に戦える陣形を作れるかの勝負で、結果的にサイの目勝負になったのは両者が最善手の応酬をしたからです。
ドイツが2つの丘に戦力を分けるのは問題外としても、もし奥の丘の前面に兵を並べていたら、射程とモラルで劣るドイツ軍は早々に向かいの丘からアウトレンジ射撃を受け、簡単に撃ち負けていたでしょう。必要であればフランスは待機射撃して、半個分隊が前進しても良いです。
一方今回ドイツが置いた奥の2へクスは森が無いため、どの向きから攻められても共同で迎撃でき、裏に回り込まれても二重稜線で敵の火力は2倍にならず、フルスタックの先制倍火力射撃が強力な最強の陣地です。もし火事がもっと早く燃え上がり接敵ルートが狭められていたら、攻めようが無かったでしょう。
そして今回のように炎上が遅れてもなお、フランスがこれを破るのは簡単ではありません。普通に隣接して行っても−3修正での24火力射撃にやられるだけなので、今回のように鬼スタックへ全爆薬を隠蔽警戒設置するしか手はないでしょう。
このようにASLは激しい火力決戦でいかに勝てる布陣(戦力集中や地形利用)をできるかが本質のウォーゲームであり、ただ戦車が駆け抜けるだけ等の、移動と妨害が主題となる障害物競争シナリオは例外なのです。
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