地獄の門番たち
 
 今日のASLは、ユーロパック5よりEP99草原の支配者たち。1942年8月、順調な進撃を続けるドイツ軍に対し、ソ連軍はドン川の西で抵抗線を敷きました。ドイツは6.5ターンの終了時に、次の2つのどちらかを達成していれば勝利です。1.43N8から2へクス以内の全ての建物(石垣に囲まれた建物群)を支配している。2.ボード43と44の複数へクス木造建物3つを全て支配している。ただしソ連が45以上の損害ポイントを稼いだら、その時点でソ連の勝利です。ステップ地形のため、非装軌車両の平地移動コストは半分(端数切捨て)になります。
 そのままの戦力ではソ連が12%の優勢で予想勝率は8割なので、両軍を大幅に増減します。赤字が元の数です。まず守るソ連軍はモロトフが使えて、エリート→3、一線級→6個分隊と、37L対空砲1門、76ミリ野砲1門、82ミリ盤外迫撃砲、対人地雷18火力、鉄条網6、塹壕4、狐穴2、ロードブロック1が初期配置。第3ターンにエリート3個分隊と76LのT-34 M41が3両、第4ターンには76LのKV-1 M41が→1両が入ってきます。
 ドイツ軍は全部エリート。第1ターンにはサイドカーに乗った3個分隊と、オープントップの20L装甲車3両が侵入。第2ターンにも3個分隊と、50Lの3号戦車4両、4号戦車の75*と75Lが各1両、ハーフトラック3台が侵入します。さらに第3ターンには、グループAが3個分隊にハーフトラック3台と75*の3号突撃砲1両、グループBがトラックに乗った6個分隊に75LのマルダーII。本来はABどちらかを選んで出すのですが、これを両方出します。最後に第5ターンからはスツーカ2機が来ます。
 これらの変更により戦力評価は0%の互角となりました。子供がソ連、私がドイツです。


 ソ連は石垣の建物群に多めに置き、そこに近い木造複数へクス建物2つにも幾らかずつ配置します。
 さてドイツ、戦力は互角に調整したものの、攻撃がかなり難しい。まずソ連のT−34とKV−1が強くて、正面から倒し得るのは4号F2型とマルダーIIだけですが、これらだけで突っ込んで行ってもまず負けます。3号戦車も7以下でAPCR弾を撃てれば倒せるものの、弾はすぐに尽きるので過信はできません。
 それならソ連戦車を避けて、戦車は歩兵を狙うか?しかしソ連歩兵はモロトフを持っているので隣接するのはリスキーで、隣接しなければドイツ戦車の火力は大したことありません。また歩兵は麦畑を通って敵に近づくことになるでしょうが、ドイツ側は麦畑が邪魔で撃ちにくいにもかかわらず、ソ連は隠匿された無線機がいきなり盤外砲を地形修正なしで降らせてくるのです。うーん、どうすればいいんだ?

 第1ターン、最初のドイツ戦力は少ないので、直接攻めに行くことはせず、左右の端を通って回り込むことにします。すると左側を進んだ装甲車が、AT地雷原に突っ込みまくり、1両が走行不能。ソ連は右端のサイドカーを止めるため、大きなスタックを送りました。
 第2ターン、ドイツは主力が到着しますが、どこを攻めたらいいのかさっぱり分からない。ひとまず右手から戦車2両、左手では戦車4両とハーフトラックを進め、ATRが怖いので乗っていた歩兵は移動の最後に降ろしました。そして最初のサイドカー部隊は、左端の半個分隊だけが左奥の勝利条件建物に向かい、他は途中で降りたり待機したり。最後に中央奥の勝利条件建物まで進んだ装甲車は、守備隊を包囲します。これを見てソ連の大きなスタックは、また屋敷内に引き返し2階に上りました。


 第3ターン、ドイツ装甲車は奥の建物の守備隊を移動中に混乱させ、これを隣接包囲して除去できそうになります。すると付近に隠れていた2つの砲が出て来て、装甲車は次々と火の海に。左奥の建物は半個分隊で占領できたので、こうなるとドイツは中央を行くしかありません。しかし盤外砲が怖いので戦力を集中することができず、てんでバラバラな感じ。また狙撃兵でハーフトラックが1台リコールとなりました。
 そしてソ連ターン、鬼戦車T−34登場。3両連なって建物群の石垣内に入城しました。ここは側面を取ることもできず、前面に鉄条網もあるので、もう難攻不落です。
 第4ターン、ドイツはひとまずT−34を避け、左中ほどの勝利条件建物に狙いを集中します。ここを落とした後で、ソ連軍の動き次第でどうするか考えよう。相変わらず考え無し。あと4号F2型と中機関銃は、中央手前の建物から石垣の建物群を窺っておきます。
 そしてここでついにソ連の無線機が姿を現し、無線接続にも成功。しかしカードは赤、ほっと一息をつくドイツ。しかしターン後半、無線接続は継続。今度こそドイツ恐怖の瞬間。ところがなんと二枚目も赤を引いて、砲兵は何もせずに任務を終えてしまいました。ドイツ大ラッキー。
 ただここでソ連にもKV−1が到着し、奥の建物の守りに着いています。こちらを攻めるには平地を通って進まなければならず、盤外砲が無くなったからと言って、ドイツが勝つのは決して容易ではありません。手前のドイツ軍から狙われた建物群のソ連中機関銃部隊は、左側に避けて中央を狙い続けます。


 第5ターン、これは奥の木造建物を狙うしか、ドイツにチャンスは無いでしょう。ドイツはまずソ連中機関銃に煙幕を被せると、ソ連76ミリ野砲にハーフトラックを突っ込ませ、この無力化に成功。そうしたら戦車を前進させて、T−34がこちらに救援に来るのを阻止します。歩兵は左の建物を占領しつつ、歩いて前進したりハーフトラックに乗り込んだり、次の奥の建物への突入を準備。
 するとターン後半、このタイミングでいきなり突風が吹き、ソ連中機関銃を覆っていた煙幕が吹き飛んでマルダーIIがスタンさせられたり、狙撃兵で3号突撃砲がリコールしたりします。
 しかしT−34が裏手を迂回して4号F1型を狙いに行くと、4号は緊急始動に成功してT−34の前進射撃を全て躱してしまいます。さらにKV−1も出撃して3号戦車に正面攻撃を挑みましたが、3号はAPCR弾を見事ぶち当てKV−1を破壊。ドイツは肝心の勝利条件建物周りで、運良く戦車戦に勝利できました。他にはソ連野砲に突っ込んでいたドイツハーフトラックが炎上し、近くにいたソ連歩兵が潰走を利用してそこに入ります。
 第6ターン、こうなればもうドイツは勝利条件建物周辺に向かって、全軍でなだれ込むだけ。対空砲には3号戦車を突っ込ませ、勝利条件建物も車両や歩兵で取り囲みます。また戦車で取り囲んで76ミリ野砲の所のソ連混乱分隊を除去し、8−3−8が白兵戦相打ちでそこの砲操作班と指揮官も除去。これでドイツは3つの複数へクス木造建物の支配に成功し、ソ連の奪還ももう不可能となって、ドイツの勝利です。



 前半ドイツは全然ソ連の守りを破る手が見つからずに苦心しましたが、いきなり盤外砲終了という幸運のおかげでやっと勝てました。

 今まで戦力評価では、味方戦車が敵戦車をどれも正面から倒せない時だけ補正していました。しかし今回前回と、ごく一部しか倒せない戦車に苦労することが続いたので、それに対応する補正を入れることにします。
 具体的には、全味方戦車が敵戦車の4分の1以下しか倒し得ない場合、又は、味方戦車の4分の1以下しかどれかの敵戦車を倒し得ない場合は、攻撃側なら戦車数を0.75倍し、防御側なら戦車数を0.5倍することにします。
 これに当てはまる例は今までに6つあって、この補正によってどれも予想勝率がプレイ実感に近くなり、高い優勢率での予想一致率が上がりました。例えば今回はソ連の優勢が0.2%から4.8%になり、予想勝率はぎりぎり5割の範囲内なものの、ドイツ若干不利かもという感じです。また前回のシナリオも、ドイツの優勢が6.8%から14.9%になって、アメリカがまず勝てなかったのと合いました。

 
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