二重の罠に嵌り
 
 今日のASLはアニュアル92よりA45チャキラの日の出。夜明けのニューギニアの海岸近くで、日本軍の存在に気付かず、アメリカ軍小隊が小川を越えて突っ込んでしまったところから戦いが始まります。アメリカ軍はターン終了時に、現在のターン数+2個以上の分隊が、オーバースタックせず統制状態で小川を越えて残っていれば勝利です。ただし戦車が1両破壊されるごとに、必要な分隊数は1づつ増えます。最大10ターンで、アメリカが先に配置し先攻します。
 守る日本軍は、一線級3、二線級6分隊で、10−2指揮官と重機関銃2、70ミリ歩兵砲3、75ミリ歩兵砲3、トーチカ1、狐穴10があります。一方アメリカ軍は、配置がほとんど決まっている11個分隊相当に9−2指揮官付きが、3か所に分かれて初期配置。3ターンの増援が10.5個分隊の10−2指揮官付きと、重機関銃2、オープントップの76ミリ砲戦車が3台に、100ミリ盤外砲支援です。
 第1ターンにアメリカ軍は準備射撃ができません。子供が日本、私がアメリカです。


 第1ターン、左手で突っ込んでしまっていたアメリカ小隊は小川の中に後退し、一部がクレストとなります。また少数のアメリカ軍は右手のジャングルに向かいます。そしてアメリカ軍の反撃で日本は半個分隊が混乱。日本軍はこれから毎回分隊を展開していきます。
 第2ターン、アメリカは左で射撃、ジャングルでは日本軍が見えるところまで前進し、日本軍が見える小川中ほどのの支流付近にも部隊を進めます。日本軍はスタックしていた部隊が広く散らばり、防衛態勢となります。
 第3ターン、アメリカ軍は後方から到着した部隊を左手の砂浜に向かわせ、日本軍の側面を狙います。また少数の部隊が小川を渡り、日本の様子を窺います。増援は左手の道路をまっすぐ進みます。日本軍はここで小川に白燐弾を撃って、アメリカの射撃を妨害しつつ分隊を混乱させるのに成功。アメリカは防御射撃で前にいた日本半個分隊を混乱させました。
 第4ターン、アメリカ戦車が前線に到着し3方向に分かれます。ただ日本の75ミリ砲はHEAT弾で正面からでも戦車を破壊できる可能性があるので、前に出すぎない配置にします。アメリカ軍は小川を越えてさらに探りの部隊を送りこみますが、日本軍の射撃を受けて潰走。日本はこの混乱したアメリカ半個分隊を半個分隊で追いかけます。

 第5ターン、これまで戦力不足で慎重な攻撃をしてきたアメリカでしたが、ようやく主力の増援が前線に到着し、本格的な攻勢に入ります。まず中ほどの小川の支流付近で日本軍を狙っていた10−2指揮官のスタックを、右手のジャングルに走らせます。すると今まで身を潜めていた日本軍の砲がいきなり火を噴いて命中させ、目は3で損耗。やばい、最強指揮官が。選択の結果、指揮官は損耗を免れたもののピンとなり、2個分隊が損耗して大半の部隊が混乱する大損害。アメリカ茫然。
どうしよう・・アメリカは考えて、増援をこちらに送り、射撃を終えた砲に前進射撃で反撃することにします。日本の砲の正面に出るアメリカ軍スタック。しかし日本は隣にもう一門砲を隠していました。
「あーーーー」
またもアメリカ軍は大混乱し、多くがクラス低下させられます。
 もうだめだ・・絶望に沈むアメリカ。もうやけくそとなり、
「増援全部こっちに送り込めー!」
日本軍は追加射撃でさらに撃ってきますが、ちょっと無理しすぎで故障。しかしアメリカの前進射撃も効果はありません。
 大量の混乱したアメリカ兵がジャングルに逃げ込み、回復用に8−0指揮官も自己潰走でついて行きます。そして後続のアメリカ軍はさらに砲と撃ち合います。海岸端では戦車が去ったので、日本の砲が出てきて歩兵を撃ち、アメリカ半個分隊がKIA。一方中央では互いに大きな動きはありません。


 災厄明けの第6ターン、ジャングルのアメリカ8−0指揮官は最悪の状況の中で無事回復し、一緒にいた大量のアメリカ兵を回復させていきます。そして気を取り直した彼らは追撃してきた日本半個分隊に向かい、これを包囲し降伏させるのに成功します。さらに撃ち合っていたアメリカ10−2指揮官が、故障していない方の砲を混乱させて安全を確保し、この付近の残りのアメリカ軍もジャングルに渡ります。結果アメリカ軍がなし崩し的にジャングル側へ大シフトすることになったので、日本軍もそれに対応してシフトします。またバーサークした日本半個分隊が小川を越えて突っ込んできて、混戦となりました。
 第7ターン、日本軍はほとんどが半個分隊に展開済みなので、平地側の射撃戦で混乱しても日本ルールですぐ回復してしまいます。またアメリカの盤外砲も、誘導失敗の連続で全然役に立っていません。そこでアメリカは、ジャングルの部隊をさらに右へ大きく迂回させ、こちらからの渡河に賭けることにします。まず戦車が日本の70ミリ砲を撃つと、これが致命的命中で砲を破壊。続いてジャングルを進んだ部隊は幸い誰も道に迷わず、無事に通り抜けることができました。しかし出口にはやっぱり待ち受けていた日本の70ミリ砲。浅瀬を渡ろうとした前衛に撃ちかけ、混乱させます。しかしアメリカ軍は怯まず後詰が突撃でさらに前進。駆け付けた日本軍も加わって戦いは拡大し、ここが正念場です。
 第8ターンには、10−2指揮官がいて数でも勝り、持ってきた2つの重機関銃を据え付けたアメリカ軍が、日本の砲や前衛を順調に制圧。アメリカ軍は多少の混乱を被りながらも、ジャングル側2か所で渡河成功です。川を越えられてしまっては、日本軍が残りの戦力でアメリカ軍を食い止めるのは無理。こちらの日本軍は撤退して行きます。また混戦中のバーサーカーは不利にもかかわらず、このターンも粘り続けました。


第9ターン、右手のジャングル側のアメリカ軍は全て川を渡り終えました。そして左手でも盤外砲の煙幕がトーチカと砲を隠す良い位置に落ちたので、アメリカ軍は川を越えて突入します。さあ、日本軍はこれを撃退できるのか?
 ジャングル側の既に渡り終えたアメリカ軍は強すぎて、これに手を出しても返り討ちに合うのが目に見えています。そこでまず日本軍は回した中央の砲で、平地側の前進を援護していた9−2指揮官とヒーローの火力グループを砲撃。見事にヒーロー以外全て混乱させます。そして残りの全日本軍は、川を越えてきたアメリカ左手の部隊に向けて突入します。アメリカ軍は防御射撃をしますが、援護部隊が壊滅しているので防ぎきれません。結局平地側から川を越えたアメリカ軍は、すべて混乱または混戦になって、このターンの得点にならなくなってしまいます。これでアメリカ勝利は食い止められた?
 しかしターンが終わってジャングル側の部隊を広げていくアメリカ。
「ちょうど11個分隊いるんだよねー。」
これまで日本軍の射撃が良く当たって、多数のアメリカ軍が混乱やクラス低下していましたが、総数はそれほど減っておらず、戦車の損害も無かったため、このターンならぎりぎり勝利条件に足りていたのでした(9ターン+2=11)。これでアメリカの勝ちです。


 最初は方向を分けて投入するつもりだった増援を、あまりの不運から半ばやけで全部日本の砲に向けて突っ込ませたのが、結果的にアメリカの勝因となりました。
 予想プレイ時間は、(39.5+3×3)×10÷60+1≒9時間程度ですが、実際には10時間半程度だったでしょうか。防御側の数があまり減らないシナリオなので、長くなったのでしょう。
 
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