竜派なら決してこれを間違えない
 
 今回の浜甲子園さんとのVASSAL対戦は、J74 Priests on the Line 矢面に立つプリースト。フランスで包囲されかけたドイツ軍が、包囲を抜け出そうと進んだら、砲撃支援中のM7プリーストとその護衛部隊に遭遇しました。ドイツは6.5ターン以内に、17R4から3ヘクス以内のアメリカ統制MMCと車両を排除した上で、南から8VP以上脱出させたら勝利です。生垣と石垣はボカージュです。
 守るアメリカは、エリート4.5個分隊と76Lの駆逐戦車1両、37LLの装甲車2両を北端から5へクス以上離れて、105ミリ榴弾のプリースト3両とIFE24のミーチョパー1両を17R4から5へクス以内に、配置します。そして第4ターン開始時、ボード11内で、北西から南東に走る道路から3ヘクス以内に、アメリカ統制MMCがいたら第4ターンに、そうでなければ第6ターンに、エリート4個分隊とハーフトラック4台が南から来ます。
 そして攻めるドイツは、突撃火力エリート12個分隊に、75Lの3号突撃砲4両、75*榴弾ハーフトラック2両、20L(4)ハーフトラック4両が、第1ターン以降に北から侵入します。
 普通に戦力を評価すると、ドイツは9%劣勢の予想勝率18%です。ただしアメリカが増援を早く得るために、プリーストとミーチョパー以外の初期戦力を前に出して戦ってくれれば、ドイツにはこれを各個撃破できるチャンスが生まれ、分割防御として歩兵が1.5倍されて予想勝率は49%まで上がりますが?


 アメリカを持つ浜甲子園さんは、既に真の竜派入りしてから長く、まごうことなき集中決戦戦術の使い手です。こんな少数の増援をたった2ターン早く受け取るという些細な利益のために、集中防御を捨てて各個撃破されるような誤りを犯すことは決してありません。もちろんボード11は最初から捨て、ボカージュを利用して勝利条件エリアをしっかり集中して守っています。
 こうされてしまうとドイツの勝利は予想通りの18%ほどしか期待できませんが、できるだけ高める努力はしてみます。まず中央のボカージュに隠れるアメリカ戦車を狙い、3号突撃砲4両と鬼スタックを中央に集めました。そして他の歩兵スタックは丘に登り、20Lハーフトラック4両が右側に離れているアメリカ戦車に殺到します。ドイツが小さな各個撃破を狙えそうなのはこの2か所くらい。
 すると右にいたのは37LL装甲車で、1両目のハーフトラックは6以下を当てられて撃破されました。続く2両目に装甲車が追加射撃すると無理が祟って故障。そのままハーフトラック3両で装甲車を囲みます。
 そして防御射撃では中央にいた駆逐戦車が、3号突撃砲を1両撃破しましたが、前進射撃は3号突撃砲も20Lハーフトラックも全て外し、鬼スタックが駆逐戦車をスタンさせたにとどまりました。

 1ターン後半、ドイツはどちらも1両ずつやられてしまったものの、さすがに3対1で当たればアメリカ戦車は逃げられまい。などと思ったのは、まだまだ戦車運用の魔術師を見くびっていました。
 まず一番左にいたアメリカ装甲車が、遠路遥々右の装甲車の救援に来ます。一番近いドイツハーフトラックは、ボカージュ無しで狙っているのを外してまで、互いにそうそう当たらない迎撃をしていられないと、何もしません。しかしこの装甲車、あっさり当ててハーフトラックを撃破。そして元からいた故障装甲車が逃げるのを20Lで撃ちますが、全てボカージュの根本に弾かれてみすみす逃してしまいました。
 さらに中央の駆逐戦車も逃げ出し、3号駆逐戦車が撃ちますが、これまた全てボカージュの根元に吸い込まれ、あっさり脱出成功。前回ちょっと魔法破ったかと思ったら、今回すぐまた魔力全開だ。

 こうなるともうドイツはほぼダメっぽいですが、もう半ターンだけやってみます。まず鬼スタックがボカージュ内のアメリカ中機関銃分隊を討ち果たし、他の歩兵は両脇の林に前進。そして撃っていないドイツ戦車は丘に登りました。すると丘のハーフトラックが、ボカージュ曲輪内のプリーストに撃たれて昇天。ドイツ歩兵は防御射撃こそ耐えたものの、パンツァーシュレックは駆逐戦車に当たらず、バズーカ半個分隊をピンにしただけ。元々不利なのに、こんな一方的に戦車を4両もやられては、ドイツ完全に負けです。



 もともと攻撃側に2対1以上の戦車優勢が無い不利な戦車戦ではありましたが、戦車魔術師の魔力は強力過ぎて、逆転するどころか比率以上の完敗を喫してしまいました。
 ただもしこれが標準通りの2対1交換になっていたとしても、ドイツ戦車全滅前にアメリカ戦車は倒し切れないので、増援前にドイツが勝利エリア内のアメリカ軍を排除するのは難しいでしょう。やはり今回も集中決戦戦術は正しく、ドイツ予想勝率18%の戦力評価は正確でした。

 これで浜甲子園さんと10戦終わって、私が6勝4敗で勝率は6割ですが、10シナリオの平均戦力優勢率から求めた予想勝率もほぼ6割でした。5戦終わった時もそうでしたが、10戦目でもやはり予想勝率と実際の勝率が一致したということは、私と浜甲子園さんの技量が互角で、戦力評価が正確だと、より高い精度で示されたことになります。

 
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