ノモンハンのウミガメたち
 
 今日のASLは、シナリオ65のレッドスターレッドサン。ノモンハン事件です。ソ連の大軍が移動弾幕と共に攻めて来て、日本陣地を突破します。ソ連は9ターンの終わりに30VP以上の部隊が日本側ボードに入っていたら勝利です。ハマダは全域地形の茂みになり、軽い砂塵が舞っています。
 守る日本はエリート10個分隊と37ミリ対戦車砲2門、狐穴12に、5個分隊が第2ターンの増援。日本はモロトフを持っており、爆弾だけ積んで機銃の無い飛行機3機が1ターンだけ支援に来ます。ソ連は22.5個分隊が第1ターン、第3ターンにBT5が5両、第4ターンに6個分隊とBT5が1両、BT7が1両侵入して来ます。そして幅17へクスもある(普通のは9へクス)特別な100ミリ移動弾幕を2つ使えます。
 バランスはアーカイヴで4対4の互角、私の戦力評価でも防御側が2%優勢なだけでほぼ互角です。子供がソ連、私が日本です。


 日本はバラバラに配置したら守り切れるわけがないので、中央に大半の部隊を集め、端を簡単に抜けられないよう両端に少しずつ部隊を置きます。対戦車砲は弾幕に攻撃されると+2防御修正しか無くて弱いので、1修正になっても弾幕火力を半減できる砂地に置くことにしました。
 ソ連は2つの弾幕を、日本から見て左側へ縦に1へクスずらして置き、赤カードを引いてしまって砲撃が1ターン早く始まります。当然ソ連軍はそちら側から入ってきて、左端を進み続けるソ連軍に対し、2列の弾幕が邪魔で日本軍はしばらく何もできません。

 第2ターン、いきなり1が出て日本の爆撃機が来てしまったので、日本は第3ターンに登場したBT5を爆撃。当たりが良くて2両の撃破に成功します。また日本は増援を右側から侵入させ、弾幕を避けて進みます。
 3、4ターンにかけて弾幕は中央の日本陣地を通過しましたが、日本軍は1個分隊と大きなダミースタックが除去されたものの、重機関銃は無事でした。そして砂地を越えて前進を続けるソ連軍に対し、弾幕を抜けた日本軍は、重機関銃と迫撃砲以外が全員側面からソ連軍に向けて急接近開始。防御側にも関わらず、ウミガメ戦術にウミガメ戦術でぶつかっていきます。

 第5ターン、歩兵の前進を煙幕で支援しようとしたBT7でしたが、煙幕が無かったばかりか、丁度歩兵の狭間に入ってきた狙撃兵にまで撃たれてリコールの憂き目に。また日本も分隊が1つ狂暴化してソ連戦車に突っ込んでいき、損耗しながらもたどり着きましたが、結局戦果を上げることなく力尽きてしまいます。

 そしてソ連の巨大なウミガメの群れ対日本のウミガメ、狐、重機関銃、迫撃砲の最終決戦が始まります。第6ターンにはソ連軍がじわじわと火線を越えていき、また日本のウミガメたちも撃っては突撃を繰り返して、じわじわソ連軍に近づいていきます。しかしこのあたりから日本の目が悪くなり、あまりソ連兵を止めることができません。そして第7ターンには、狐穴でソ連の前面に立ち塞がっていた日本分隊2つも、巨大なウミガメの群れの火力でついに倒されてしまいます。
 ここで弾幕が対戦車砲を覆って周りが見えにくくなったタイミングを狙い、4両のソ連戦車たちは砂丘の陰から出撃。右側に回り込んで一気に勝利得点ゾーンに入ろうとします。しかし日本の対戦車砲は1両を捉え、たどり着いたのは3両。


 そして第7ターン後半、戦車の近くの陣地にまだ残っていた日本兵2個分隊が、今こそ出番と全速で砂煙の陰に回り込んで戦車に近接。モロトフやヒーロー登場こそ失敗したものの、分隊が白兵戦で1両を走行不能にします。そして第8ターンにも逃げようとした1両を対戦車砲が倒し、走行不能の戦車は白兵戦で破壊、結局安全地帯にたどり着いたソ連戦車はたった1両になってしまいました。
 こうして対戦車戦では順調な日本でしたが、一方でソ連歩兵にはあまり損害を与えることができておらず、かなりのソ連兵が目的地に入りつつあります。第8ターン後半、このままでは負けそうと考えた日本は、重機関銃でコミサールのスタックを狙う賭けに出て、運良くコミサールを混乱させます。そして今回はROFも良く効いて、他のソ連分隊もいくらか混乱させました。これで日本まだ勝負になる!

 最終ターン、コミサールは5以下の自己回復に失敗。そしてソ連はまだたどり着いてない部隊を火線に突っ込ませ、潜り抜けたいくつかの部隊を得点圏に入れます。一方日本はコミサールを絶望させて回復を阻止しようと、対戦車砲を発射。これでなんとコミサールは負傷し、もう4以下でしか回復できません。日本勝てるぞ。
 ところがターン後半、コミサールはまさかの回復成功。オーバースタックさせていた混乱兵もあらかた回復し、勝利条件を超えてしまいました。なんじゃそりゃあ。日本は慌てて重機関銃や迫撃砲、対戦車砲で撃ったものの、全く効果なし。残ったウミガメたちでさらに撃ったとしても、離れているので効果はあまり期待できません。どうする日本?

 って、そりゃもちろん、バンザイ突撃に決まっとるわあ!雄たけびを上げて突っ込む日本軍。必死で撃ちまくるソ連軍。日本軍は耐久力があると言っても、ソ連軍は数が多く軽機関銃の火線も地味に効いて、日本兵はガリガリ削られていきます。
 そして最終的に日本兵は4へクスでソ連軍に突入成功。統制状態でなければ勝利条件に入らないので、それらはソ連が白兵戦で一方的に勝たなければ、混戦になって得点から除外されてしまいます。まず混乱分隊と一緒の指揮官は潰走に随伴して逃げようとしますが、阻止されて失敗。そして3つの白兵戦はソ連勝利、日本勝利、混戦の結果となりました。さあこれで何点になった?
 数えてみると、26VP。30VPには届かず日本の勝利です。



 最近一方的な戦いが多かったですが、久しぶりに良い勝負でした。歩兵戦の目が良かったソ連と対戦車戦の目が良かった日本。ウミガメ戦術(卵から孵ったウミガメが海に帰る時のように、たくさんの兵がびっしり敷き詰められて進む様子から)同士の戦い。そして最後の勝負は防御側によるバンザイ突撃。異色の戦いでした。でもノモンハンってこんなだったの?
 予想プレイ時間は(47.5+7×3)×9÷60+1=11.275時間で、実際にもほぼそのくらいでした。

 
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