丘の扱いが難しい
 
 今日のASLは、U14 ポーランド戦車の生贄。多くのポーランド軍がドイツの侵攻に不意を突かれていた中、ポーランド唯一の完全機械化部隊は奮戦していた。ドイツは9ターンの終わりに、真ん中のボードのT1とT8に加えて、M1とZ1どちらかの、計3つ建物を支配していたら勝利です。
 攻めるドイツ軍は、15個分隊とトラック、バイク、サイドカーに、75*の4号戦車1両、37Lの3号戦車2両、2号戦車2両、1号戦車3両が、第1ターンに侵入して来ます。
 そして守るポーランド軍は、まずエリート8個分隊と、37Lの対戦車砲2門が初期配置。そして第2ターンから毎ターン、1から4のカードから1枚を引いて(戻さない)、1ならトラックに乗ったエリート4個分隊と豆戦車TKS2両、2ならトラックのエリート2個分隊と47*のヴィッカースEが2両が出てきます。
 子供がドイツ、私がポーランドです。


 このシナリオは中ほどに丘が横たわっていますが、勝利条件建物が大丘の頂上から若干離れているため、ポーランドがこの丘をどう扱うか難しくなっています。
 戦闘を考えれば大丘を全軍で守るのが一番強いです。しかしそうするとドイツ軍はバイク等を使って遠くを迂回でき、後ろに回り込んで戦わずに勝利条件建物を取れてしまいます。
 なら丘を捨てて、必須勝利条件建物1つだけを集中して守るのか?しかしこれだとドイツ軍は丘を占領して、そこから撃ち下ろされて不利です。今までの経験からしても、丘を明け渡すのはちょっと考えにくい。
 そこでポーランドは、大丘に5個分隊と対戦車砲2門を、小丘には3個分隊を置いて、迂回も丘の占領も防ごうとします。もちろんこうすると戦力の分散になるので、初期戦力の少ないポーランド軍は増援が来るまで持ちこたえられるかどうか。

 これを見たドイツは、小丘の方に戦車を送り、大丘には歩兵を送ります。これで歩兵に迂回される心配は無くなったので、ポーランドは小丘の歩兵を大丘に向かわせ、大丘の右端にいた砲を左に動かしました。

 第2ターン、ドイツの9−2指揮官機関銃部隊は、3を出していきなりポーランド軽迫撃砲分隊を損耗させます。そして1号戦車は小丘に向かって進んだものの、他の戦車は一転道路を通って大丘の方に矛先を変えます。ポーランドは砲を動かすのが早すぎたか?
 さらにドイツは用済みのトラックを丘の上に向かって走らせます。これもASLの変な所。そしてポーランド迫撃砲によるドイツ9−2指揮官への反撃は、3発も当てたのに全て効果ありません。
 ターン後半、ポーランド軍の射撃は蛇の目を連発してドイツ軍を混乱させますが、代わりに立て続けの狙撃兵で、小丘から引き上げ中の指揮官が戦死したり分隊が混乱したりピンになったり。そこでポーランドは到着した増援の戦車をそちらに送り、1号戦車による追撃を防ぎます。そしてドイツ9−2と機関銃はまた3を出して、ポーランド半個分隊迫撃砲に止めを刺しました。

(ピンクダイヤは必ず支配、白ダイヤはどちらか支配)

 第3ターン、さっき混乱したドイツの中機関銃分隊は、退却せずに9−2指揮官の所に留まり、6以下を出して一発回復。そして24火力全力射撃で今度は2、分隊KIA。維持した機関銃は、さらに対戦車砲も混乱させました。なんだこの目。ポーランドもうだめだ。
 その後ドイツ軍は戦車も歩兵も丘の上に向かって殺到。止めようがありません。ターン後半には付近のポーランド軍が、頂上に登ったドイツ半個分隊に対して反撃しますが、隣から撃ったのに混乱させられない。
 しかし幸いポーランドは最速で増援が到着し、突撃火力と白兵戦でこのターンはなんとか頂上のドイツ兵を追い払いました。しかし次は・・

 第4ターン、全軍で襲い掛かるドイツ軍により、丘の上は完全制圧されます。そして麓を回り込んできた3号戦車に対し、追加射撃したヴィッカースも、砲が故障。これで丘から撃ち下ろされる形になってしまい、数に劣るポーランドに勝ち目は無いので投了です。



 このシナリオは総戦力だけならポーランドが有利そうに見えます。しかしポーランド軍が丘で守る場合、後ろに回られないよう広がらざるを得ず、広域突破同様の難しさがあります。かと言って丘を明け渡して勝利条件建物1つを守ると、丘の上から攻められる防御不全になってしまいます。
 それを考えると戦力評価では、攻撃側に容易条件の1.5倍をつけるのが妥当そうです。するとポーランドの優勢は0.8%だけで予想勝率は5割となり、プレイした実感もそんな感じです。
 ポーランドの対戦車砲は置き場所が難しいですが、榴弾が無くて歩兵を撃てないので、ドイツ歩兵に撃たれないよう丘の上ではなく手前に置き、ドイツ戦車が頂上に来た所を撃つのがいいのではないでしょうか。そうすれば歩兵は下がって戻るを繰り返して損害を抑えられ、今回よりも増援が来るまでの時間を稼げるでしょう。

 
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