鬼がいなけりゃ勝てっこない
 
 今日のASLはTAC18のメイデイ!。ノルマンディー上陸後、アメリカ軍のコブラ作戦と並行して行われた、カナダ軍のスプリング作戦での一幕。ブラックウォッチ師団は、カーン郊外のマイシュルオーンを攻撃します。カナダ軍は10ターン半の終わりに、ボード10にある複数へクス石造建物全てを支配していたら勝利です。
 ドイツ軍は、9−1指揮官付きSS10個分隊と81ミリ迫撃砲1門、4号H型の装甲キューポラ1つです。そしてカナダ軍は10−2指揮官付き23個分隊で、内15個がエリートです。
 戦力評価はドイツ2%だけの優勢で予想勝率5割、アーカイヴでもドイツは53%の勝率で、互角のシナリオと思われます。子供がカナダ、私がドイツです。


 この街の建物は多くが連続住宅で火力グループを組みにくいので、街の中央にある唯一の大きな一戸建て石造建物を、ドイツは決戦場に選びました。そして前面の機関銃がファイアレインでカナダ軍を足止めしている間に、大型建物脇に壕を掘り、その後戦力を集めて鬼スタックを作るという作戦です。
 第1ターン、カナダ軍はファイアレインを避けながら全軍が進みます。ドイツの穴掘りはことごとく失敗。前面の機関銃は危険なので後退させ、中央の広場からまたファイアレインを引く構えです。
 第2ターン、カナダ軍はファイアレインを避けながら前進し、キューポラに撃たれて多少損害を出すものの、街の外縁に到達します。ドイツは狐穴を3つ掘り終え、機関銃は後退して予定の戦線を作ります。

 第3ターン、カナダは迫撃砲で煙幕を撃ち、これが良く当たって広場からのドイツの射線は遮断され、キューポラの射線も妨げられます。これでカナダ軍は一気に街中への突入に成功し、最後にカナダ鬼スタックがドイツの機関銃スタックの前に姿を現して、対決の構え。
 ターン後半、ドイツは当然機関銃スタックでカナダ鬼スタックを撃ちますが、実はこれは完全に最強の鬼スタックではなく、SS3個と重中軽機関銃に8−0指揮官でした。これでも火力は30火力ありますが、機関銃を重中中にして指揮官1人に軽機関銃を持たせれば、36.5火力にすることができ、9−1指揮官を付けていれば射撃力が2ランク違っていました。
 この差のせいで10−2指揮官はぎりぎりピンで持ちこたえ、2個分隊は混乱したものの、カナダは指揮官の強力な回復力を頼みに退却せず踏みとどまります。そしてドイツ側は反撃で結構な混乱を出し崩れてしまいました。


 第4ターン、カナダ鬼スタックは期待どおり回復して撃ってきましたが、目が悪く十分な損害を与えられません。そしてドイツ右手に回り込もうとした部隊も、隠れていた迫撃砲と半個分隊に撃たれて混乱します。そして煙幕を落とした上でキューポラにも歩兵を接敵させますが、不運にも砲を当てられて撃退されます。結局カナダはせっかくの有利を拡大できませんでした。
 ドイツはこの隙に部隊を回復させ、再び前線に戻します。しかし待ち構えるカナダ鬼スタックを前に、隠蔽無しのフルスタックで出て行くなど、無謀もいいところです。また鬼スタックから見えない所に出たとしても、多くのカナダ軍が狙っていてかなり危険です。仕方なくドイツは機関銃を分けて並べ、防御力を優先することにしました。


 第5ターン、カナダのサイの目は揺り戻して、射撃は全て一発でドイツの重中機関銃を混乱させていき、キューポラもピアットで破壊しました。やはり鬼スタックが無くては、勝てる訳ありませんでした。ドイツの戦線は完全に崩壊し、カナダ軍は戦線に取りついて、拠点の一番前に残ったドイツ半個分隊は捕虜になります。ここではもう抵抗しようがなく、ドイツは全部隊を後退させることにしました。
 これに対し第6ターン、全カナダ軍はドイツ軍に肉薄してきます。ドイツ軍は蛇の目で奇跡的に1スタックを撃退しましたが、カナダは鬼スタックを右手の建物の2階に上げ、ドイツ軍の退却路になる道路を完全に視界に入れます。
 こうなるとドイツは退却するのも難しくなり、さらに5ターンも持ちこたえるなどまず不可能です。ドイツ投了です。


 カナダ軍の進撃が予想より早く、ドイツは完全な鬼スタックを作れなかったのが敗因です。戦力評価が互角の中での射撃力2ランク差は大きく、狐穴を不完全なままにしてでも、もっと早く最強鬼スタックを作れるようにしておくべきでした。

 
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