どっちにしても大博打
 
 今日のASLは、Action Pack # 8よりAP77 Texas Flood。押し寄せるテキサス兵という意味らしいです。アメリカはイタリアで2つの川の間にできた隙間を埋めるため、そこに部隊を派遣しましたが、彼らはきちんと守りを固めていませんでした。そこへドイツ軍が攻めて来て、慌てふためくルーキーども。ドイツは10ターン終了時に河の間の建物を全て支配し、かつアメリカより多くの損害VPを稼いでいたら勝利です。このVPには両軍とも河の南にいる部隊のVPが加算されます。
 ELR2のアメリカは事前照準ができず、可能な地形なら狐穴をもらえて、4つに分かれた35個分隊(内30個が新兵)と150ミリ盤外砲電話、ジープ3台、57L対戦車砲3門を河の間に初期配置。ただしこの対戦車砲は、確認目標への最初の射撃時にモラルチェックが必要となります。またバズーカも操作班以外が使うと不正規使用になってしまいます。そして第3ターンには9−2指揮官と6.5個分隊(内5個が新兵)と75ミリM4A1が2両、76LのM10駆逐戦車2両、107ミリM7自走榴弾砲3両、105ミリ野砲3門、37LL対戦車砲2門、ジープ2台が、河の南からやって来ます。
 一方ELR3のドイツは、10個分隊と爆薬1、ハーフトラック6台、20Lの装甲車3台、75Lの4号戦車3両が、第1ターンに北西の橋向こうから進入。また16個分隊と9−2指揮官、爆薬2と、ハーフトラック6台、4号戦車3両、さらにイタリアの75*突撃砲2両、105ミリ榴弾突撃砲1両が、東から入ってきます。そして第2ターンには北西の橋向こうから、7個分隊とハーフトラック6台、75Lの3号突撃砲2両が来ます。他に盤外観測員による80ミリ盤外迫撃砲があり、初期型パンツァーファウストが使えます。

 アメリカは4つに部隊を分割されている上、増援は浅瀬の向こうからやってきて合流しづらく、防御に有利な地形も少なくなっています。そのため分割防御として攻撃側歩兵1.5倍で戦力を評価しますが、それでもアメリカは15%の優勢で予想勝率9割5分です。
 そこでドイツ最大有利のバランスルールを使います。アメリカのELRが1になり、ドイツの増援には3個分隊とハーフトラック2台が加わり、任意のドイツ車両に9−1戦車指揮官を2人乗せられます。
 これでもまだアメリカは12%も優勢ですが、アメリカは配置の不利だけでなく、最初戦車も無く対戦車砲もバズーカもまともに機能しない状況で、いきなり大量のドイツ戦車に襲われます。するとELR1のルーキーはバタバタとディスラプトしていき、1.5倍の補正くらいでは足りなさそうなので、これでやってみることにします。
 長そうなシナリオなので、久しぶりに予想プレイ時間を出してみたら36時間15分。なかなかの長さですが。子供がアメリカ、私がドイツです。


 アメリカの配置は、各中隊ともスタックした密集配置。これは徹底的に戦うつもりなのか、逃げ出す準備なのか。
 ドイツはまず東側でアメリカ前衛に半個分隊を突っ込ませて安全を確認し、次はG中隊にイタリアのものから戦車を次々突っ込ませていきます。するとそこは対戦車砲の巣で、ドイツ戦車たちは地獄行きか?ところが対戦車砲たちは発射前モラルチェックにピンで外れ、混乱、混乱。止むなく撃ったバズーカも両方外れて弾切れ。アメリカ唖然。
 ドイツ戦車は順次アメリカ歩兵スタックの上に乗っていき、アメリカはこれにCC対応射撃で最後の抵抗をしますが、それも全て失敗。しかもアメリカは戦車を撃退して逃げることを前提にしていたので、狐穴に入っておらず移動中射撃がバンバン命中。これでG中隊は撃てるものがいなくなったので、ドイツ歩兵も安心して前進して撃ち、G中隊と対戦車砲は全て混乱してしまいました。
 これにより必要の無くなったハーフトラック隊は道路を進み、軽迫撃砲の無線機らしき奥の建物に肉薄して射撃します。しかしこれは半個分隊とダミーでした。

 そして最後に北西側。まず橋を渡って突っ込む装甲車が、途中のスモークディスチャージャーには失敗したものの、バズーカにも対応射撃にも耐え、大きなスタック2つを迂回して射撃を封じます。その上で次はハーフトラック4台が続き、橋を渡った所で一部は兵を降ろしました。そしてその後には4号戦車が続きます。こちら側もほとんど抵抗を受けずに橋頭保の確保に成功。
 アメリカは積極戦闘策を取りましたが、あまりにも対戦車戦闘が外れすぎて、これはだめだろうということで投了です。アメリカは戦力で大分優勢ですが、実際にはそれほど有利ではないのでしょうか?

(下が北、要塞マーカーは小川扱いの浅瀬)


 1ターンで終わってしまったので、立場を入れ替えてもう一度やってみます。今回のアメリカは東でEF中隊による長い狐穴線を作り、G中隊が地形を使った前衛の陣地を作りました。またバズーカはジープと同じ所に置いて、中機関銃を持って降りてきた操作班と武器を交換し、不正規使用ペナルティを回避します。また北西の橋では橋の出口に分隊を2個積んで、渡ってきた部隊に対し30火力射撃と12火力の残留火力を食らわせられるようにしました。
 第1ターン、まず北西の橋では装甲車が突っ込んできて、1両目は橋の出口でスタン。2両目は連続臨機射撃を抜けて3つ目のスタックまで進んでやっとスタンします。
 これで橋への歩兵火力は沈黙させたので、ドイツは橋に次々と歩兵を送り込みます。また電話と思われる建物の2階に戦車で機関銃を撃ちこんでいきましたが、これは効きませんでした。そして最後に橋に並んだドイツ歩兵たちが電話に射撃。それなりの火力でしたが、これも効きませんでした。
 一方東では前衛第一線へ、イタリア戦車を先頭にドイツ軍は突っ込んで行きます。そこにいたのは全てダミーを上に乗せた半個分隊で、2個が混乱しました。さすがに地形で守っていると、いきなり大きな損害は出ません。その後アメリカは150ミリとM2迫撃砲変換の盤外砲観測弾を落とし、白兵戦では装甲車1両破壊1両走行不能。

(下が南)

 1ターン後半、150ミリ盤外砲の行方は?橋に積まれたドイツ歩兵を狙い、ピッタリは逃したものの隣に落ちて、大きい方のスタックは半壊、小さい方はハーフトラックごと除去。さらに橋の出口前まで来た部隊も隣から撃たれて全混乱し、潰走では150ミリ砲弾が降る中へ強制退却させられます。また東側でもM2盤外砲で、ハーフトラック1台が衝撃となりました。
 こうなると北西での前進はしばらく無理で、東側もしっかりとした歩兵の戦線と、その背後に指揮官をつけてモラルチェック耐性を高めた対戦車砲が待ち構えていて、ドイツの進撃は困難。そうこうしている内にアメリカの増援がやってきて待ち構えるので、ドイツはどうにもならないでしょう。アメリカの勝ちです。



 東側はアメリカが無難に戦線を作れば、だいたい持ちこたえられるようです。後は北西の150ミリ盤外砲を止められるかどうかの勝負で、今回はドイツが有利な所まで持って行ったのですが、サイの目で負けました。
 しかし実は最初に装甲車が来た時、装甲車には効かなくても、橋の奥でアメリカが撃って残留火力を作っておけば、ドイツは橋まで十分に歩兵を運べず、電話を混乱させられる可能性はもっと下げられました。また川辺の家にダミー電話を置いて、狙いを絞れないようにする手もありました。
 すると予想勝率に誤差はあったとしても、結局は戦力優勢によるアメリカ有利は覆らないと思います。ただいずれにしろ勝負が最初の大博打で決まってしまい、規模の割にすぐ終わってしまうのが残念です。
 
インデックスへ