〇〇人か?
今日のASLは、シナリオ55天罰!またまた嫌な予感。シシリアに上陸したアメリカ軍が前進していたら、白旗が上がっていました。降伏かと思って近づいたら、実は民間人の出した旗で、イタリア軍がいきなり撃ってきました。「卑怯者ー!天誅じゃー!」(日本人か?)と怒ったアメリカ軍が、イタリア軍の守る町に突撃を開始したというシナリオのようです。
アメリカは9ターン前半までに、8個の複数階建物の内6個を占領し、さらにイタリア軍に1.5倍以上の損害を与えると、十分な天罰を与えたとして満足します。森と茂みはほぼ茂み同様のブドウ園に、建物は全て石造になります。
アメリカはエリート5個と1線級11個分隊、機関銃が重2中2、最強指揮官は10−2で、ELRは3です。イタリアはモラル7の1線級(ELR3)が10個、モラル6(ELR1)の1線級がまた10個と、65ミリ短砲身歩兵砲1に、機関銃が中2軽4で、最強指揮官は9−1です。
子供がアメリカ、私がイタリアをやります。
南東から迫るアメリカ軍に対し、イタリア軍は町の建物に広く分散して待ち構えます。イタリアの軽機関銃は後ろの建物の3階から見張っており、中機関銃はアメリカの機関銃に狙われそうなので最初は隠れています。モラル6でELR1の部隊については、一度でも撃たれると終わりそうなので、できるだけ後ろに置くようにしました。
アメリカ軍はまっすぐ接近すると平地ばかりなので、左右に迂回するように進み始めます。イタリアは−2修正に期待して1火力で何度か射撃し、南方に撃った軽機関銃が、アメリカ2個分隊を混乱させます。
しかしアメリカ最強の中機関銃3と10−2指揮官の部隊は町の東方にある小さな建物に到達し、重機関銃2を持つ9−1指揮官も南方の小家屋に入って、町の外縁を視界に収めます。これに狙われたらイタリアはたまらないので、撃って隠蔽の解けた部隊と上にいた軽機関銃はこそこそ隠れます。
第2ターン、左右への展開を終えたアメリカ軍は急速に町に接近します。イタリア軍の防御射撃で中機関銃を持つ分隊1個が混乱した所に、丁度狙撃兵が当たって1ユニット損耗するという災難がありましたが、他のアメリカ軍は順調に町の外縁に到達。逆に前進射撃でイタリア軍1個が混乱し、しかも珍しいアメリカ軍の狂暴化(ロシア人か?)まで起こります。イタリア軍は隣接されたところからは逃げ出しますが、アメリカの防御射撃で東側の3階建て小家屋にいた1ユニットが士気喪失し、イタリア軍ダミーも全部消失しました。
第3ターン、南方のアメリカンバーサーカーは突進。元々モラルの低いアメリカ兵でも、バーサークしてしまえばモラルは他国と同じ10なので、イタリア軍の火力では撃っても食い止めることはできず、他の部隊とも連携して南側のイタリア軍前衛を壊滅させました。東のアメリカ軍も占領したばかりの大きな建物3階に主力部隊を登らせ、町の内部まで見渡せる位置につきます。
これに対しイタリアは「侵略者にこれ以上好き放題させておく訳にはいかない!」(本当にイタリア人か?)と、中機関銃2の9−1指揮官が怒りの射撃(実は結構無謀だったかも)。結果として良い目でモラルチェックに追い込むも、1個混乱1個ピンにしただけで、反撃により一部混乱したイタリア軍はすぐに撤退(やっぱりイタリア人か)。さらに西側で建物後ろに隠れたつもりのイタリア部隊が、実はアメリカの重機関銃から見えていて混乱。結局イタリア軍は4個分隊分もの損失を受け、町の外周防御は一掃されます。

(上が南)
やっぱりイタリア人ではアメリカ様に立ち向かうのは無理だったか?イタリアは投了したい気持ちにとらわれつつも、もう少しがんばってみます。撃ち合うのはもう無理なので、これからは、平地にアメリカ軍が出てきたとき以外、薄く散らばって耐えに耐える戦術で行くことにしました。
第4ターン、アメリカは東の建物から射撃を続けながら、南側は警戒移動でじわりと町に隣接してきます。前進したアメリカ軍は一部混乱するものの、隣接されたイタリア軍は潰走。第5ターンにアメリカ軍は町の南側ブロックに侵入して、そこからイタリア軍は排除されていきます。北側ブロックでも少しずつイタリア軍は混乱していきます。
第6ターンには、南側ブロックのイタリア軍は全て倒され、東側でも3階建て小家屋が一つ占拠されます。これまでイタリア軍は捕虜を多く出していて、アメリカ軍は損害勝利条件を楽々維持できる状況であり、あと1つ建物を支配すればアメリカの勝ちです。しかしイタリア軍もこのところは意外と良く射撃に耐え、ローテーションで戦線を維持しています。
第7ターン、アメリカは全軍で半包囲している状態の大きな建物に狙いを定めます。準備射撃の後、東側から警戒移動で接近します。しかしイタリア軍は準備射撃にも頑強に耐え、少ない火力ながらもあちこちの小さな拠点から沈着な防御射撃を加えて、出てきたアメリカ軍を次々混乱させ撃退してしまいます(イギリス人か?)。ただイタリア軍はすでに半数が失われ、アメリカも重機関銃部隊が前面に到達したので、次ターンはさらにイタリアにとって厳しくなるでしょう。
第8ターンには、強力な準備射撃で建物東側のイタリア軍を混乱させ、アメリカ軍は東だけでなく南からもさらに突入してきます。イタリア軍も必死の射撃で南側の部隊を釘づけにして食い止めるものの、ついにアメリカ軍は建物の東側一角の占領に成功します。
そして前半しかない最終ターン。イタリア軍はかなり混乱しており、建物を守る部隊は少数になっています。アメリカは中機関銃で準備射撃を加えると、動ける全部隊で建物に殺到します。残り少ない火力ながら、必死に防御射撃を加えるイタリア軍。予想外の頑強さに驚いたか、アメリカ軍は次々釘付けやKIAとなります。
しかしイタリア軍の火力が尽きたところで、アメリカ軍は重機関銃を捨てた2個分隊が9−1指揮官と共に満を持して前進開始。残留火力もくぐり抜け、建物に到達するかと思われました。ところがその瞬間、最後の最後まで建物の隅に隠匿されていた第一次大戦の遺物の歩兵砲が火を噴きます。近距離で警戒していない移動を捉えたため致命的命中(2D5以下)となり、このアメリカ軍は全て混乱してしまいます。これで既に突入済みの部隊だけではイタリア軍を建物から叩き出すことはできなくなり、イタリアの勝利となりました。

モラル6ELR1の一線級など、信じられない弱さにどうにもならないかと思ったイタリア軍でしたが、途中からは耐え、撃ち、回復して、予想以上の力を発揮して勝つことができました。
予想プレイ時間は、37×8.5÷60+1≒6.2時間でしたが、実際には9時間くらいかかってしまいました。とにかく弱いイタリア軍をどうすればいいのか考えたり、市場建物に特殊ルールがあるのに気づいて初期配置の途中でやり直したりしたせいや、非常に接戦だったせいでしょう。
ASLで今までずっと疑問に思ってきたことがあります。ルールブックには1ターンは実時間の2分に相当すると書いてあります。しかし1ターンの間には最大、回復して、重い装備を持って400m突っ走り(指揮官+駆け足+道路移動+突撃で10へクス)、前進射撃して、白兵戦して、捕虜を取って、隠れ場所を探して隠蔽され、修理して、敵が360m突っ走るのを見守った上で防御射撃し、白兵戦か240mの潰走を行うことができます。
本当にたった2分間でこんなにできるものでしょうか?どの1項目を取ってもそれぞれ2分くらいかかりそうです。移動だけでも1000m2分は、陸上の世界記録超えです。戦場の霧に覆われて効率的に動けない実戦ではもっと時間がかかるはずで、私にはどう考えても無理に思えます。
これについて、今回のシナリオでは珍しく結末に実戦闘時間を2時間と明記しており、1ターン当たりの時間が計算できます。8.5ターンで割ると、1ターンは15分程度。町までの接近時間は戦闘時間に含めないと考えればもう少し長くなりますが、あれだけのことをできる時間とすれば、1ターンが15〜20分という時間は妥当だと思います。もしかしてルールブックは20分を2分と書き間違えてそのままになっているとかではないのでしょうか。
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