攻め手も引く、守り手も押す
今日のASLは、AP55 The Generalissimo's Own (中華民国)総統の私兵。日本軍は武漢方面に進撃したが、予想外の抵抗に会い物資が不足し始めた。そこで日本軍は撤退しようとしたが、既に中国軍に包囲されていた。中国は6.5ターン終了時に日本より多くのVPを得ていたら勝利です。VPは捕獲で2倍にならない損害に加え、ボード2aの建物区画支配ごとに2VPです。丘はありません。
守る日本は、忍びやかでなく隠匿もできない一線級10個分隊と20LのATR1、爆薬1、70*歩兵砲2門、57*のチロさん4両で、砲と車両は建物に初期配置できません。また2機の爆装戦闘機が3ターン以降に来て、2ターン以内に帰ります。
これを攻める中国は、第1ターンに南東から、エリート9個分隊と爆薬1、45L戦車5両、4火力機関銃戦車2両、45L装甲車2両、トラックに曳かれた37L対戦車砲1門、20L(4)対空砲2門が、そして第2か3ターンには北西から、一線級8個分隊と47*戦車2両が入って来ます。砲と戦車の修理が強制で、リコールになるとVP上破壊扱いになります。
戦力評価では中国の予想勝率が22%なので、日本から戦車1両と砲1門を減らして、中国48%のとても良いバランスにしました。子供が中国、私が日本です。
このシナリオは両軍の損害がそのままVPになるので、狙い撃ちされる離れ駒は1つたりとも作ってはならず、特にVPの大きい戦車は最大限守ってやらなければなりません。そのため日本軍は町でいつも以上に集まって守ります。
そして中国も、戦闘機に戦車をやられると大損害なので、航空攻撃を受けない果樹園内部に戦車を隠し、歩兵と砲だけが進みました。一方日本は背後から来る中国増援に備えて狐穴を掘ります。
第2ターン、中国は増援も加えて歩兵が前後から接近し、鬼スタックが対峙して来ました。そして日本はまた展開と狐穴掘りを続けます。すると中国はATRでチロさんを撃ち、見事破壊!たかがATRに正面からやられるとは、中戦車なんて名ばかりだな。

(下が西)
この時点で日本が守っている建物は22VP、中国は残りを取ったとして18VP、そしてこの戦車破壊により5VPが入ったので、中国の方が1VP上回りました。しかし第3ターンになると日本の航空支援が始まり、これに撃たれると再逆転されるかもしれません。そこで中国は全部隊を森、果樹園、建物に退避させました。
中国がそう来ると、日本はじっとしていたら負けてしまいます。そこで鬼スタックと戦車1両を北の森に送って逆襲。中国軍は少ししか前面にいなかったので、この攻撃は難なく成功し、中国兵の損耗と建物の確保で日本側に5VP分傾きました。これで日本はVPで再逆転できましたが、一部の部隊が少し離れた形になるので、各個撃破されるリスクも増大します。
第4ターン、日本の戦闘機がブンブン飛んでいるので中国軍は隠れて動きません。そして日本もせっかくVPで再逆転したのに、無理に成功しにくい航空攻撃をして、誤爆で再々逆転されるような危険は冒しません。
また日本は南にも小部隊を出していましたが、突撃するとCXになり忍びやかでも無いので、やはりリスキーな格闘を挑むのは止めました。北でも同様に森の中のフルスタックに突っ込むような超危険行為は避けて戦線を整え、鬼スタックは戦車への再攻撃に備えて町へ呼び戻します。

第5ターンも日本の戦闘機が残ったので中国軍は動かず、日本戦闘機は結局何もせずに帰りました。次には中国軍が攻めて来るはずなので、南に出ていた日本小部隊も引き揚げます。
第6ターン、中国は町のチロさんに勝負を挑んで来るか?しかし日本はチロさんを町の真ん中まで下げ、前面を70*砲と20Lで守っていました。これに正面から戦車戦を挑むのは分が悪いので、中国は南の戦車を東側面に回り込ませます。そして北側では歩兵による攻撃を仕掛け、日本半個分隊を討ち取りました。さらにATRがいる中国鬼スタックは、再び町のチロさんに狙いをつけます。
ターン後半、日本は守り切れば勝ちなので、決戦を受けて立たずに白燐弾や煙幕で対抗しました。森では逃げきれなかった半個分隊がやられたものの、戦車は無事で日本はまだ2VP勝っており、続く中国最後の攻撃が勝敗を決めます。
最終ターン、中国は鬼スタックが射撃待機すると、まず一番分の良い北側の戦車が動き始めます。もしこれが効かなければ、順次より分の劣る戦車戦を仕掛けていくことになるでしょう。
中国47*ヴィッカース2両はチロさんが見ていない側から森を出て、チロさんに隣接して来ます。当然チロさんは砲を回して撃ちますが外れ。日本はさらに2つの迫撃砲でも撃ちましたが、これも両方効かない。しかしチロさんは完全に石垣に囲まれた所でハルダウンしており、当たりにくい上に当たっても倒せるとは限らない。それでもヴィッカースは賭けるしかない。射撃!
この戦車、坦克王牌(タンクエース)がいた。彼のユニットは無いが。彼は難しい移動射撃にもかかわらず、いきなり正確に砲塔の弱点を捉え、敵戦車を撃破して中国を勝利に導いたのだ。

ASLとしては非常に珍しく、このシナリオの攻撃側はただ全力で攻めまくるだけではありません。状況を見て引く時もあれば、戦力の一部を使わないという判断も有りえます。同様に防御側も固めるだけでなく、状況次第で打って出たり、また下がってみたり、ぎりぎりの勝利条件を巡って繊細な駆け引きが繰り広げられます。(もちろん戦力調整して互角のバランスになっているのが前提です。)やはり日中戦争は個性的で興味深いシナリオが多いようです。
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