太平洋の頂点
今日のASLは、Critical Hit # 3.1よりCH62 Tanigawa's Outpost谷川中尉の出城。沖縄の戦いでアメリカ軍がピナクルと呼んだ、谷川中尉の守る丘陵陣地をめぐる攻防戦。ウィキペディアではピナクルの戦いとして、珍しく機関銃や迫撃砲の数など防御態勢が細かく記されていると共に、日本側が重機関銃を麓に置いてしまったり、アメリカ側が最初B中隊単独で正面攻撃を掛けてしまうという戦術ミスまで分かるようになっています。アメリカは10ターン終了時にピナクル(38G5、画像では金の塔)と隣接する6へクスを全て支配していたら勝利です。なおアーカイヴの図ではピナクルの場所が間違っている上、茂みと竹林の区別がつきません。
太平洋地形で浅いジャングルですが、果樹園は岩場に、ピナクルから2へクス以内の林は茂みに、建物は全て小屋に、池は平地に、沼は茂みになり、小川は乾いていて、オーバーレイ上の建物はありません。元々茂みの絵が描いてある所は、太平洋なので当然竹林になります。またピナクルは周りが崖で、スタック制限は半個分隊です。このように地形の例外があまりに多く、まずこれだけで結構こんがらがります。
守る日本軍はエリート10個分隊と重機関銃2、軽迫撃砲7、爆薬2、洞窟6、トーチカ2、塹壕6、鉄条網6、地雷36戦力があります。日本軍は全軍隠匿配置でファナティックで、自由に展開と事前照準ができます。また地雷と鉄条網はレベル2以上には置けません。
攻めるアメリカ軍は、B中隊が空挺エリート3.5個、一線級10.5個分隊に10−3指揮官付き、機関銃.50Cal2中2、火炎放射器1、爆薬3、60ミリ盤外迫撃砲無線機が初期配置。そして同じ分隊数のC中隊が9−2指揮官付き、機関銃重1中2、火1爆3で、第5ターンに西から入ってきます。空挺エリートは工兵で突撃工兵です。
戦力評価では0%台の互角ですが、ちょっとシナリオを改造してやってみました。指定数の鉄条網と地雷の代わりに、価格を鉄条網2地雷1パンジス1として48ポイントで買い、レベル2まで置けることにします(パンジスは置く辺がレベル2なら可)。その代わり日本のファナテッィクは無しにしました。パンジスが出てくるシナリオは少ないですが、機材が無くても現場で作れるパンジスは、もっといろいろな所で使えて良いと思うので入れてみました。
子供がアメリカ、私が日本です。
アメリカB中隊は恐怖の10−3指揮官+36火力を持ち、本来ならかなり固いはずの洞窟も、遠くからバシバシ消滅させられます。日本は普通に撃ち合っても勝ち目は無く、その火力を躱せるような防御陣地の築き方が重要になります。
そこで日本の考えた守りは、ピナクルの全周に洞窟を置き、さらにその周りに塹壕を置きますが、1か所竹林になっている所はトーチカにして、残った塹壕は南側の突出部に置きます。またもう1つのトーチカはピナクルの南東隣に置き、北東に広がった高台を見張れるようにしました。そしてレベル2と3の境目の稜線を全てパンジスで覆い、小道のある登り口2か所には地雷と鉄条網を重ねます。配置は非常に難しく、考えるのにかなり時間がかかりました。
全て隠匿なのでアメリカからこれらの配置は見えませんが、さすがに正面攻撃は危険と踏んで、第1ターンは北東の突出部に向けて前進します。そして第2ターンには地雷等を警戒しながら、レベル2まで登りました。日本もそれに対応し、一部の部隊が出て来てそちら側にスタックを作ります。

(下が南)
第3ターン、アメリカは索敵でこちら側が全てパンジスに覆われていることを知ります。平地以外の丘を登ると、指揮官付きで警戒移動しない限りパンジスMCを食らい、かと言って日本の大スタックが隣接する平地に登るのも無謀なので、アメリカ軍はさらに側面に回り込むことにしました。日本もそれに合わせて配置をシフトします。
第4ターン、アメリカ軍は意を決して東側から日本軍の視界内に突入します。日本軍もこれにあらゆる火力や地雷原で応戦。しかし日本の射撃は奮わず、逆により多くの損害を食らいます。そして最後にアメリカ10−3指揮官+36火力の鬼神スタックが、隠蔽をつけたまた視界内に突撃して来ました。
こうなってしまってはもう日本軍に撃ち合いは無理。散開して隠れます。

第5ターン、C中隊が到着。西側全体に広がってピナクルに接近します。そして鬼神スタックも外郭陣地に隣接。日本軍は鬼神スタックの視界から逃れ、C中隊の攻撃に備えました。
第6ターン、アメリカ軍は全方位からの一斉突入。パンジスの被害を受けながら丘を登って行きます。そして鬼神スタックは涸れ谷に潜む日本の半個分隊と白兵戦に入りますが、実は日本側は不意打ちに3有利となっていました(指揮官−3、パンジス1、CX1、Pin1、忍びやか1、隠蔽2)。ここで日本が不意打ちを取れれば、10−3指揮官を7以下で討ち取れるチャンスでしたが、アメリカは運良く不意打ちを免れ助かりました。
これで日本が鬼神スタックを倒すのは難しくなったので、パンジスで幾らか被害を受けているC中隊の方に反撃を集中。C中隊はこれに耐えられず、全て混乱して撃退されました。
しかし攻め上がって来た鬼神スタックに対し、日本はこれからどう対応したらいいか難しい。一方アメリカも混乱したC中隊はいずれまた戻って来るとは言え、まだ戦力が健在な日本軍相手に、ピナクルの崖を登り周りの全へクスを占領して最後の奪還を防ぐのは、これまた難しい。
ここまでの展開はあっさり書いていますが、実はとにかく関係するルールが複雑に絡み合って、確認やどう戦えばいいのかがこれまでもかなり大変でした。その上この先4ターンもさらに難解な泥仕合が続くのは、ちょっと気力が続かないという事で、ここで終わりにしました。

(アメリカ軍の故障兵器とDM、地雷と鉄条網は場所がずれています)
変わりまくって混乱しやすい太平洋地形、日本軍、完全隠匿、ジャングル丘、洞窟、パンジス、地雷、鉄条網、火炎放射器、爆薬、盤外砲、塹壕、トーチカ、トンネル、崖登りと、多様な要素てんこ盛りのシナリオ。ルール、作戦、気力、全てに自信のある上級者にはお勧めですが、私にはちょっときつかった。
それからジャングル丘でのパンジスは、MCさせやすく隠蔽も自動的に取れて、なかなか有効でした。逆にこのシナリオで元ルール通りパンジスも無くレベル2に鉄条網や地雷も置けないと、日本はちょっと厳しくなるかもしれません。すると日本はピナクル周りの茂みに放火する手も。
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