ジャングルを駆け抜けた紙戦車
 
 今日のASLは、GRE4 Bukit Chandu、マレー語でアヘンの丘を意味し、同じ意味の英語がタイトルのOpium Hill (J128)と同じシナリオだそうです。日本のマレー上陸後の攻撃を受けて、イギリス軍は退却を余儀なくされ、アヘンの丘で最後の防衛線を築きました。日本は6ターンの終わりに24VP以上を獲得していたら勝利で、南への脱出VP(捕虜は1倍)に加え、大きな石造建物の支配3VP、1へクス石造建物2VPが入ります。浅いジャングルの太平洋地形ですが、道、橋はそのままで、建物は小屋でない平屋建てになります。
 守るイギリスは二線級8個、一線級3個分隊で、第1ターンにATR+4FP機銃の装甲トラック1台が来て、第5ターンから弾不足になります。
 そして攻める日本は9個分隊と、95式ハ号3両です。ハ号はいつもならTKを5にするのですが、今回はバランスの関係でルール通りとしました。
 戦力評価はジャングルの0.75倍を付けて、イギリスが2%優勢なだけの良い勝負です。子供がイギリス、私が日本です。


 イギリスの配置は日本軍に近い側に制限されており、左右に偏りがあると抜けられてしまうので、バランスよく配置します。これに対し日本は、右側が時間のかかる地形なので、中央から左を進むことにしました。
 日本は歩兵が若干の損害を受けたものの、順調に接近。ただヤシ林が掛かって、今一射撃には良くない位置だったかもしれません。イギリスはそれに合わせて防御態勢を整えました。
 第2ターン、日本は右の迫撃砲が煙幕も白燐弾も無かったので、代わりに戦車の支援を受けながら、中央からジャングル防衛線に取り付き、イギリス軍に損害を与えます。また左側でも白燐弾を落として、足止め部隊を格闘戦で除去しました。さらに正面に来ていたイギリス装甲トラックも、致命的命中で破壊して好調です。
 ターン後半、ジャングル前面を維持できなくなったので、イギリスは兵を後退させ、中央を厚くした戦線に組み替えました。日本はこれを正面から破れるのか?


 第3ターン、沼や竹林で狭められている中央の突破は難しそうなので、日本は戦車を左に回し、見張りのイギリス半個分隊を移動中射撃で倒します。後は全歩兵が進んで、ジャングルの左半分を占拠しました。これで日本は行けるんじゃないかと思っていましたが、それは誤りでした。
 ターン後半、駆け足のイギリス軍は思いのほか早く再展開し、ジャングルを抜けた向こうに急ごしらえの防衛線を築きます。日本ちょっと時間がきつくなったかもしれない。
 第4ターン、日本はジャングル内の足止め部隊2つにバンザイ突撃を掛け、片方は捕虜にしてこれを除去。さらに森の出口の木造建物にハ号が殺到して、これも叩き出しました。ハ号を狙ったATRも故障し、これなら日本も行けるかな。
 と思ったのも束の間。後半にはイギリス機関銃がTKで3を出し、ハ号を1両破壊してしまいます。そしてイギリス歩兵も出口近くに広がってきました。


 第5ターン、イギリスが弾不足でファイアレインを敷けなくなったのに乗じ、日本は再度のバンザイチャージと残った部隊の前進。イギリス軍の激しい臨機射撃をくぐり抜け、2つの建物で格闘しながら出口に近づきます。
 しかしターン後半、またもや機関銃でスパスパ撃ち抜かれるハ号紙戦車。これでもう脱出に必要な戦力が足りなくなり、日本の負けです。



 確かに日本は機関銃に戦車2両を破壊されて不運でした。しかしそもそも最後の状態では、イギリス半個分隊が竹林で狭められた出口を塞いだら、日本歩兵はこれを抜けられず勝ち目がありません。
 これは日本が第3ターンに、ジャングル攻撃を支援しようと、戦車を左に回したのが間違いでした。戦車はイギリス歩兵が出口を塞ぎに来るのを止めるために、道路を進んでジャングルの裏手に回るべきだったのです。それどころかイギリスがもっと早く兵を下げる可能性を考えれば、本当は第3ターンでも遅く、日本戦車は第1ターンから奥に突っ込むべきだったのかもしれません。

 
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