悪夢のトーチカ
 
 今日のASLは、先日買ったBuckeyes!よりBuck9のTo Take Back a Hill〜丘を取り戻すには〜です。1944年のブーゲンビルで、アメリカの補給線を脅かせる丘に、日本はトーチカを含む陣地を築きました。アメリカ軍はこれに反撃を加えますが。
 このシナリオの特徴は、急いだ攻撃、遅らせた攻撃、準備された攻撃の3つから、アメリカ側が攻撃方法を選ぶ点です。それによって両軍の戦力、ターン数、勝利条件その他の条件が変わってきて、選択によって実質3つのシナリオになります。今回選んだのは遅らせた攻撃で、戦力は両軍中程度、ターン数は8ターンで、アメリカは100ミリ砲盤外砲撃が使える代わりに、弾薬減少が適用されます。
 勝利条件は、ゲーム終了時にアメリカが丘の上の4つのトーチカ全てを支配していることで、日本軍はトーチカを隠匿配置することもトンネルを使うこともできません。また太平洋ルールが適用されますが、丘の上のジャングルは全てヤシ林となります。それから天候は曇っていて、風の変化で10以上を出すと雨が降り出し、丘の上り下りに追加1移動力がかかったり、煙幕が効かなくなったり、長射程で妨害DRMがついたりします。
 攻めるアメリカ軍は、6−6−6の17個分隊と、重機関銃1、中機関銃4、迫撃砲3、爆薬4に、M3A1軽戦車2両。守る日本軍は1線級6個分隊、2戦級6個分隊と、重機関銃1、中機関銃2、軽機関銃3、擲弾筒2、爆薬1に、トーチカ4、狐穴10、さらに第4ターンに2線級6個分隊と軽機関銃2の増援が来ます。
 子供がアメリカ、私が日本です。


 日本軍の配置は、中央手前の丘の裾に4つのトーチカを固めて配置し、前面の丘の尾根に前衛を広く並べて守る形です。アメリカは盤外砲を持っていますが、レベル1の盤外観測員から見えるのは、二重稜線になっている限られた場所のみで、この配置に正面から突っ込むのは無理そうです。そこでアメリカは戦力を二手に分け、左右から挟撃する作戦を取ります。日本軍は左右には置けないことになっており、アメリカ軍はそこからなら安全に丘に登ることができます。一旦丘の上に登られると、ヤシ林の妨害があるとは言え、尾根沿いに広い範囲を撃たれてしまうので、日本軍は中央後方に向かって扇形に後退します。
 第2ターン、アメリカは盤外砲撃を開始。狐穴に残っていた日本軍に損害を与え始めます。アメリカ軍は隠ぺいを維持したまま日本軍の前線に迫ります。
日本軍はもう丘の尾根に残っていたら助からないので、FFEに包まれて助けようのない部隊を除いて、丘の手前に降りて隠れます。またこのころから雨が降り始めました。
 第3ターン、アメリカ軍は両翼で日本の前衛と接触。アメリカ左翼の部隊がいくらか損害を受けながら、日本軍の一部の前衛を倒し、機関銃部隊がトーチカの一つを射程に捉えます。また戦車を含む右翼の部隊は、隠ぺいを維持したままトーチカ前面の日本左翼前衛に隣接し、このまま残ったら死ぬだけの日本軍はさらに後退します。

 第4ターン、アメリカ機関銃部隊対日本トーチカ中機関銃×2との射撃戦は、一方的なアメリカ側優勢で進みます。さらにアメリカ迫撃砲も連射し、付近の日本軍にどんどん損害を与えていきます。一方アメリカ右翼では、戦車と隠ぺいされたフルスタック歩兵が、トーチカ前面に接触。この最強戦力で最初のトーチカを潰せば、側面を向いている2番目、3番目のトーチカは芋づる式に潰せるはず。
 そして後がない日本軍の反撃。まずトーチカの上にいる半個分隊の射撃。たった2火力しかありませんが、これがいきなり3を出してモラルチェック1。左側のアメリカスタックの一部が混乱します。さらにトーチカからは軽機関銃分隊が、隠蔽の取れたこの部隊に倍火力射撃をして、アメリカ軍スタックは大混乱。そしてさらにもう一つ前進していたアメリカ低めのスタックに対し、別のトーチカ重機関銃が射撃。隠蔽があって2火力にしかならないのに、これもまた4、そしてROFで2ととんでもない目を出し、こちらも大混乱。しかもアメリカ戦車の1両は車体、同軸両方の機関銃を壊してしまいます。もうアメリカ軍は崩壊寸前。さらに間の悪いことに、丁度ここで日本の増援がトーチカの両脇からずらっと登場し撃ち始めます。唯一アメリカにとって幸いだったのは、混乱したアメリカ軍に突っ込ませようとした爆弾ヒーローが、6を出して登場に失敗したこと。6以外なら、隣接へクスからいきなり突っ込んで止めを刺すところでした。

 第5ターン、それでもアメリカは残ったスタックで最初のトーチカを占領し、運良く一発回復した9−1指揮官と1個分隊は前線に復帰します。また左翼の機関銃部隊も日本軍に損害を確実に与え続けています。まだチャンスはあるのでは。そんな折、射撃を受けて、さっきの爆弾ヒーロー登場に失敗した分隊が狂暴化します。んっ?これは?
 後半日本はまず援軍で射撃し、戦車と一緒のアメリカ歩兵部隊をヒーロー以外混乱させると、再び爆弾ヒーローを呼び出し、今度は成功。爆弾ヒーローはそこに突っ込んで、アメリカ歩兵ごと吹っ飛びます。さらに狂暴化分隊もそこに突進。そして対戦車ヒーロー呼び出しにも成功し、ATMMこそ無かったものの、ダブルで白兵戦を仕掛けます。
目標のアメリカ戦車は機関銃がみな壊れているので白兵戦に弱く、結局走行不能後撃破されてしまいます。おまけにこれを迎撃しようとした隣の戦車も主砲を壊してしまい、これまたリコールの憂き目に。さらにずっと勝ち続けていたアメリカ機関銃部隊までも、故障と混乱から奇跡的に回復した日本のトーチカ中機関銃の反撃を食らい、混乱して潰走させられます。
 第6ターン、かなり厳しい状況のアメリカ軍。残った9−1指揮官と2個分隊で隣のトーチカに白兵戦を掛け、中機関銃操作班たちを倒して、雪辱を果たします。しかしこれも隣の竹林に隠れていた日本軍に撃たれてまた1個分隊が混乱し、集まってきた日本軍を時間内に倒して残るトーチカを奪うのは、どう考えても無理になります。アメリカ投了です。


 日本が大事な所で恐ろしく良い目を出したのが最大の勝因ですが、トーチカの配置が全方向をカバーする強力なもので、これも大きな勝因でしょう。特に正面のトーチカは隣接しないと撃てない位置にあり、これを攻撃するには危険が伴います。アメリカがこれにフルスタックで隣接するのは危険すぎじゃないかと私は思いましたが、この配置ではこういう賭けに出ないと勝つのは難しいのかもしれません。
 予想プレイ時間は44×8÷60+1≒7時間弱ですが、実際には6ターンまでで8時間くらいとだいぶ長くかかってしまいました。久しぶりの日本軍でルール確認に時間を取られたのかもしれません。
 
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