未来予知
 
 今日のASLは、U22コザニ峠への道。ドイツ軍はギリシャのコマノスにあるイギリス第一装甲旅団の司令部を急襲しようとしています。ドイツは13ターンの終わりに、ボード3にある5つの複数へクス建物の内4つ以上を支配していたら勝利です。果樹園はオリーブ園、建物は全て木造になり、AFVが建物内に入ることはできません。
 初期配置されるイギリス司令部要員はエリート半個分隊6個だけで、これらは統合もできません。残りはパラパラと援軍でやって来て、まず第1ターンには機銃10火力のマークVI3両と、エリート半個分隊の乗ったキャリアー2両が、北側中ほどやや西の道路から侵入。第2ターンにはトラックで2個分隊と40L対戦車砲2門が北側中ほどから、第4ターンには40LのA10戦車3両が南東から、そして第6ターンはエリート6個分隊が北側から入ってきます。
 一方攻めるドイツ軍は西から入り、第1ターンはバイクに乗った4個分隊と50ミリの3号戦車2両、20Lの2号戦車2両、第2ターンには14個分隊と3号戦車2両、75*榴弾歩兵砲1門、ハーフトラック、トラック、サイドカーです。

 これをイギリスが防御側として戦力評価したらイギリスが有利そうだったので、バランス調整を考え始めました。しかし検討していくと、イギリス軍のほとんどはドイツ軍がやってくるぎりぎりの所に分かれて出て来て、イギリスが防御するというよりほとんど遭遇戦のようになるのが分かりました。そこで攻防不明(防御修正無し)として評価したら、ドイツが2%優勢なだけの互角になったので、調整せずにそのままの戦力でやることにしました。
 子供がドイツ、私がイギリスです。


 第1ターン、道路を全速で進むドイツ軍に対し、イギリスはすぐ近くに弱い戦車を出してもカモになるだけと思い、司令部に近い方へ下がって守ります。
 第2ターン、さらに前進を続けるドイツ軍。戦車は司令部に真っ直ぐ向かう道を進み、バイクに乗った先遣隊は回り込んで大丘に登りました。その際バイクを狙ったイギリス軽機関銃が大当たりし、半個分隊を除去し9−2指揮官を負傷させましたが、ドイツにもヒーローか登場して良し悪し。
 このままドイツ戦車が先に司令部に着いてしまったらイギリスは負けなので、このターンに出て来たイギリスの対戦車砲は2門とも村の前方の交差点に降ろし、ドイツ戦車の直進を阻みます。そして先の機関銃戦車の内2両は、丘に登ったドイツ兵攻撃に向かわせ、1両は村の守りに下がらせました。

(下が北)

 第3ターン、ここでドイツは全戦車で正面から突っ込み、対戦車砲を制圧して歩兵をまっすぐ突入させることも考えます。しかしさすがに対戦車砲2門に正面攻撃は危険と見て、全軍大丘の方にシフトすることにしました。
 すると大丘のイギリス戦車に対する前進射撃が致命的命中し、いきなりこれを撃破。さらに残ったイギリス戦車が歩兵を撃ったら、いきなり故障しそのまま壊れてリコール。イギリスちょっとまずい雰囲気。

 第4ターン、邪魔者がいなくなったので、ドイツ歩兵は村の側面に進んでドカドカ降車。また2号戦車は丘に登り、対面の丘の上のイギリス歩兵を狙います。そして対戦車砲の前を通過した3号戦車も、歩兵煙幕と短い照準に助けられて、無事通り抜けに成功しました。
 ターン後半、2号戦車に狙われた丘の歩兵は村に真っ直ぐ戻れなくなり、ぐるぐる裏側を迂回して移動する羽目に。さらに増援で出て来たA10戦車が想像外に鈍足なのが誤算。ドイツ戦車が脇から村に突入するのを止められる位置くらいまで進めるかと思っていたら、山陰から出られず何もできない。


 こうなるとドイツ軍は、僅かなイギリス軍が守るだけの村を攻め放題。第5ターン、歩兵と2号戦車は村に肉薄し、3号戦車は東に進んで救援のイギリス戦車を待ち受けます。
 イギリスA10はしかたなく不利を承知で3号戦車の前に討って出ますが、最初に進んだのが3号の機関銃であっさりスタンし、その後砲に撃たれて炎上しました。もう戦車戦は無理。
 村中でもイギリス前衛は除去され、最後の援軍が来る前に高火力のドイツ軍が村に突入するのを止める術はありません。ドイツの勝利です。



 イギリスは今の状況に合わせて増援をどこに送るか決めていましたが、このシナリオではそれだけでなく将来の状況を予測する必要がありました。
 ゲーム開始時に第5ターンまでのドイツ戦車の最大前進位置を計算し、ストレートに来られたら第4ターンのイギリス戦車を押さえ込まれることに気付いて、それを前提に第1ターンの機関銃戦車を犠牲覚悟で前に出し、ドイツ戦車が蓋を開けたまま走って先着するのを防ぐ必要があったのです。またイギリス第2ターンの増援も、全部を大丘側の迂回道路が見える側に置いていたら、もう少し止められる可能性があったでしょう。初見ではちょっとそこまで見抜けませんでした。

 
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