結集
今回のASLは、Turning the TideからU33ブークリン橋頭保。1943年、撤退するマンシュタインの軍に対し、ソ連はブークリン村付近で橋頭保を築き、ドイツ軍への追撃路を確保しようとしています。
ソ連は初めに4つからランダムに決まる追撃路(南側が多いが、どれになったかはドイツには秘密)を、9ターン半の終わりに射程に収め、統制状態のドイツ軍がそこにいなければ勝利です。ドイツは5ターンから70ミリ盤外砲が使用できます。
ドイツ軍は、10−3指揮官付きの7個分隊と81ミリ迫撃砲2、20ミリ4連装対空砲1、装甲車やハーフトラックなど合わせて8台が西側にいて、戦車もいないのになぜか9−2、8−1戦車指揮官までいます。そして第6ターンには2戦級4個分隊と75ミリ長砲身の3号突撃砲1両が来ます。一方ソ連軍は6−2−8を中心とした19.5個分隊9−2指揮官付きと、120ミリ迫撃砲、76ミリ長砲身野砲、45ミリ超長砲身対戦車砲、76ミリ長砲身のT−34M43、45ミリ長砲身のT−70、8−1戦車指揮官が、東側の盤に配置されます。
子供がドイツ、私がソ連です。
ドイツの配置はやや南側の勝利条件道路近辺に主力が居り、中央少し北には機関銃らしきスタックが広範囲に睨みを利かせています。ソ連軍が配置される盤には丘があって、そこから砲が撃ってくるので、ドイツは全ての部隊を丘から見えないよう森の陰に隠します。また分隊数が少ないので前衛は出しません。
そしてここでソ連は勝利条件を決めます。引いたのは2番。それはまさにドイツ主力が固めている場所。うーん。でも行くしかありません。一応配置範囲を広くして多少の偽装はしますが、全軍2番方面に行けるように置きます。
ドイツ軍に向かう経路は、北側では森が広がっていますが、南側は平地が多くなっています。そしてソ連からの砲撃を受けないよう、ドイツは自軍の砲を隠匿配置せず、森の背後に最初から配置していたので、ソ連は見えない敵を気にせず平地を進むことができます。そのためソ連軍は第1ターン、第2ターンと高速で進み、第2ターンには前衛がドイツ側の盤に到達します。一方ドイツ軍主力は、前面の森に2個の爆薬を完全設置し、正面攻撃に備えます。また回り込んだT−34に対しても煙幕で対抗し、攻撃を許しません。
第3ターン、ソ連軍は全軍がドイツ側の盤に到達しますが、正面の森から攻めるのは、設置された爆弾が待っている上、隣接対空砲の36火力射撃も受け、絶望的です。かと言って右手(北側)に回り込むと、中央からの大機関銃スタックに撃たれます。では左手(南側)はと言えば、対空砲、迫撃砲、車両、歩兵火力が待ち構える所に、平地を通って突っ込まなければなりません。T−34をさらに奥に回り込ませてみますが、特に効果なし。これどうすればいいの?かくなる上はソ連軍奥義、人の波か?
ここでドイツは、中央の部隊を主力に向けて移動開始しました。ソ連の移動の様子から2番が勝利条件というのがあからさまで、防御の形が良いとは言え戦力が少ないので、このままでは危険と見たようです。この部隊が主力に合流してしまったら、ソ連は万事休すです。
ドイツ軍の機関銃部隊が見えなくなったこの一瞬。ソ連は今に賭けるしかありません。第4ターン、ソ連はまず奥の迫撃砲の目の前に煙幕を落とし、右手からの前進を支援します。そして左手に顔を出して運良く耐えていたATRで、奥の20ミリ砲装甲車を撃ってみると、これが大当たりして爆発炎上し、同じ場所に居た迫撃砲の視界が大きく阻害されます。
続いてソ連はT−70を右手から森の陰の対空砲に突っ込ませます。しかしこれはパンツァーシュレックに撃たれて隣で炎上。だが続けて左手からもT−34が。装甲車の75ミリHEAT弾ではこれを止められず、T−34は対空砲のへクスに突入。そのままオーバーランを掛けます。
これで脅威だった対空砲も迫撃砲も無力化された。多少の損害は構わず突撃だ!ソ連軍は右から左から対空砲を包囲するようにワラワラと接近します。ドイツ軍も残りの部隊で防御射撃をして一部を混乱させますが、数が多すぎて止め切れません。ソ連軍は対空砲に突撃し、ここを全滅させてしまいました。

(下が東)
第4ターン後半、ドイツ機関銃スタックがソ連軍に迫ります。恐怖の10−3指揮官はこちらに居ます。これと一緒に第6ターンの増援で反撃されたら、ソ連もただでは済みません。ソ連としてはその前に勝利条件へクスを制圧しておきたい所。
第5ターン、ソ連はドイツ鬼スタックを一先ず放置して、勝利条件へクス付近のドイツ残存部隊にラッシュ。無事これを倒すと共に、ドイツ鬼スタックの接近ルートには防衛部隊を送ります。
ターン後半、ドイツ鬼スタックは指揮官の能力を頼みに警戒異動で1へクス前進します。ドイツはまず前進射撃で軽く一撃を食らわせるつもりでしたが、防御射撃により10−3指揮官はまさかの混乱。しかし彼なら一発回復してくれるはずと、そこに踏みとどまります。
そして第6ターン。10−3指揮官の回復は、無念の失敗。結局スタックは全員が混乱してしまい、後退を余儀なくされます。増援による逆襲は、10−3指揮官の回復待ちとなってしまいました。
第7ターン、不運は二度起こらずドイツ10−3指揮官はしっかり回復。ここですぐさま前進したいところですが、2へクス先にはソ連軍スタックが迫っていて、いきなり隣接は厳しいので、一旦隠ぺいを載せます。またドイツはさっきから盤外砲撃を試みているのですが、赤を引いたり無線が途切れたり、なかなかうまく行っていません。
第8ターン、ソ連はドイツ10−3指揮官前面のスタックを止めていた部隊で、迫ってきた3号突撃戦車に白兵戦を仕掛け、これを炎上させます。しかしこれにより防御力が弱まったので、ドイツは10−3指揮官を2へクス前進させ、勝利条件へクスが見える所に再び迫ります。
第9ターン、このターンさえ凌げばソ連は勝ちなので、ソ連は勝利条件へクス前面の平地に歩兵を突撃させ、ドイツ軍の正面突破を確実に止めに来ます。しかしここでドイツは、盤外砲で勝利条件へクス一帯に煙幕を落とし、車両を平地のソ連兵に突っ込ませて防御射撃を妨害した上で、10−3指揮官グループを駆け足で迂回させ、一番遠い勝利条件へクスに向けて突っ走らせます。
ソ連も迂回ルートを撃てるよう部隊をばらまいてはいましたが、10−3指揮官の威力は凄まじく、次々と射線をくぐり抜けて行きます。そして勝利条件へクスまでもう2へクス。
10−3指揮官付き8−3−8分隊2個を含むフルスタックは、白兵戦では無類の強さ。そしてもう一歩進むと煙幕だらけでもう射撃も効かないので、ここが止められる最後のチャンス。ソ連軍は渾身の射撃を行います。そして?やった、ついに効いたぞ!10−3指揮官混乱!生き残った分隊も指揮官混乱の道連れで釘付けになり、ドイツ最後の攻撃は潰えてソ連の勝利となりました。

(CXが載っているのがドイツ10−3指揮官スタック。外してありますが道路のソ連軍スタックには皆煙幕が載っています。)
ドイツは最後混戦状態では負けなので、例え最後の射撃を潜り抜けたとしても、ドイツが必ずしも勝てた訳ではありませんが、前半ソ連がかなりうまく行った割には最後は危なかったです。ソ連の勝因はATRが大当たりしたことと、10−3指揮官があっさり混乱したのが大きいと思います。ただソ連軍がスタックして走れないよう、ドイツは隠匿配置の砲も作った方が良かったのかもしれません。
プレイ予想時間は(36.5+11×3)×9.5÷60+1≒12時間。事前作戦を考える時間を除けば、実プレイ時間もだいたいそのくらいだったと思います。
インデックスへ