欠けた指輪
今回のASLはAP1 "The ring"です。子供が2日がかりの長いシナリオをやりたいということで選びました。プレイ予想時間は(59.5+13×3)×12÷60+1=20.7時間にもなります。
ソ連のドイツ国内への攻勢で、あちこちのドイツ軍が分断包囲され、ここニエスキーの町でもソ連の包囲環に対して、ドイツ軍が最後の抵抗・退却を試みます。
ドイツ軍はエリート18.5個分隊と75ミリ対戦車砲、パンサー1両、オープントップの榴弾砲150ミリが1両と105ミリが2両です。ドイツには10−2指揮官と重機関銃2中機関銃2もあり、6個は突撃工兵で、末期としてはかなり強力です。
一方ソ連軍は4つのグループが1,4,7,10ターンに1つづつ侵入します。あらかじめどのグループが東西南北どの方向から何ターンに登場するか、ソ連プレイヤーは制限の範囲で決めておきます。Aはエリート16一線級12分隊に機関銃や80ミリ盤外砲の無線付、Bはサブマシンガンのエリート8一線級4で全員馬に乗った騎兵(モロトフ有り)、CはSU122が3両、DはT34/85が6両です。
全ての建物は石造で、アパートは全体が1つの屋敷扱い、町の中央の大きな建物だけは3階建てとなります。勝利条件はソ連が12ターンで70VP以上稼ぐことで、無慈悲により捕虜は取れず、町中にある複数へクス建物を占領すると1個3VPになり、ドイツが8ターン以降西へ脱出するとその分ソ連は要求されるVPが増えます。
子供がドイツ、私がソ連です。
中央の町を中心にして周りに林や家、果樹園等が散在し、4月なので麦畑はまだ生えていません。ドイツは最強の10−2指揮官+HMG2、MMG1を中央の3階建て建物に置き、森や建物が多くソ連が接近しやすそうな南側を厚く町を囲んで守ります。
さてソ連の最初の部隊は当然最大のAですが、方向は意表を突いて西側。最大戦力で西への脱出を阻止したかったことと、北西の森や建物を利用すれば中央の機関銃からも撃たれずに接近も可能だろうと考えたものでした。果たして町の北西方向はがら空きで、ソ連の狙いは当たったかに見えました。
しかしターンの後半、ドイツが2両の自走榴弾砲を持ってくると、これは・・。道路を狙われ、対戦車兵器も無く重い中重機関銃を持ったソ連軍ではとても進めません。第2ターンにはドイツはさらに2両の戦車を持ってきて、ソ連の進撃は困難になります。第3ターンにソ連は盤外迫撃砲でドイツの榴弾砲1つを破壊するのに成功しますが、その無線機も3以下の砲撃を当てられ混乱して隠蔽が取れたところを機関銃に撃たれて、指揮官は除去されてしまいます。

第4ターン、ソ連の増援は北からのSU122。1両は移動中に隠れていたパンツァーシュレックで破壊されますが、他の1両が榴弾砲を破壊し、さらにそれまで西側から砲撃を続けていたソ連の軽迫撃砲がついに最後の榴弾砲を破壊します。これでソ連は進撃を再開できるかと思いましたが、パンサーが良い位置で邪魔しており、下手な位置に回り込もうとするとドイツ重機関銃部隊に撃たれるので、意外と捗りません。
そうこうして第7ターン、南から現れた騎兵隊。真南からは9ー2指揮官率いる最精鋭が徒歩で侵入し、残りは馬に乗って南東から駆け抜け、ドイツ軍近くの果樹園手前で降ります。それを支援しようと東側を迂回して南に向かったISU122は途中に隠れていたパンツァーシュレックに破壊されてしまいました。
果樹園側のソ連騎兵隊は、丘の上の石壁に隠れたドイツ軍に向けて散開して一斉に迫ると、反撃による多少の混乱もものともせず、最終的にこれらを全て潰走させます。南の森を通って近づいた最強部隊も撃ち合いで勝ち、こちらもドイツ軍全て潰走です。

しかしそれまでの間に北西部では、ドイツの重機関銃に撃たれてソ連は相当の被害を出しており、苦しい状況です。第10ターン、ドイツ機関銃が東にシフトしたのを見て、後ろを向いて移動不能になっているパンサーの背中を、ソ連北西の部隊が通り抜けようとしますが、振り向いたパンサーに撃たれて重機関銃部隊は全て混乱釘付けとなります。
これによりどう考えても現在21VPからあともう2ターンでもう49VP取るのは不可能で、ソ連はここで投了しました。
やはりソ連軍は無難に最初の部隊を南から侵入させるべきったのでしょう。防御側はあまり動かないという思い込みがあり、戦車が妨害に来ることを見落としていました。またT-34が6両いるのを3両と見間違えて、これを最後の増援に指定しましたが、2番目に出してパンサーまで破壊できていればもう少し楽だったかもしれません。最もドイツも良い位置に対戦車砲を置いていたので、それがうまくいったかどうかは分かりません。
プレイ時間は概ね12時間くらいだったでしょうか。3ターンほど残して終わったこと、途中動けない時期が多かったこと、増援が多いので動かす平均ユニット数が総数より大分少ないことなどが原因でしょう。
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