長い戦線の両端へ
今日のASLは、アクションパック9 To the Bridge!より、AP87帝国の没落。ビルマに攻め込んだ日本軍は、大きなパゴダ(仏閣)が点在する尾根に遮られたビルマ第3の都市モールメンを攻撃します。太平洋地形ですが茂み、道路、橋、建物はそのままです。
勝利条件がかなり凝っていて、日本軍は第3自軍ターン終了時なら1点、5ターンなら2点、8ターンなら3点、10ターンなら4点を持っていたら勝利です。点数は以下の通りで全部で7点分あります。
・ボード9bにイギリス歩兵がいないと1点。
・統制状態のイギリス歩兵がいない丘の上のパゴダ1つにつき1点。
・6aE7から4へクス以内に統制状態のイギリス歩兵がいないと1点。
・8aE17から4へクス以内に統制状態のイギリス歩兵がいないと1点。
・イギリスの対空砲2門を破壊か捕獲しているごとに1点。
守るイギリス軍は配置場所にいくらか制限があり、エリート5個、二線級14個、新兵16個分隊が可能なら狐穴に置けて、他に設置できず建物にも入らない40L(8火力)の対空砲4門、弾薬の少ない80ミリ盤外砲が1つあります。ELRはエリートだけが4で、他は2です。また防御側ですが爆薬を3つ持っており、決められたパイルから2D6+6個引いた地雷がもらえて、ダミーを引いたら代わりに鉄条網3個(オープン)になります。
一方日本軍はELR4で、北側にエリート4個、一線級10個分隊、東側にエリート3個、一線級12個分隊です。また盤外観測員の70ミリ盤外砲があって、これは事前登録があり、最初は自動的に黒を引けて、登録地点では追加チットが不要です。
戦力評価では、イギリスが複数の離れた場所を守らなければならないので、攻撃側1.5倍を付けますが、それでもイギリスは圧倒的に優勢です。そこで日本にエリート2個分隊と10−1指揮官を加えるB2バランスルールを使いましたが、なおイギリスの優勢は18%あって予想勝率は10割を下回りません。
ただイギリスは、かなり広い範囲を守る必要があり、質補正の基準には届かないものの兵の質が低く、対空砲は設置できないので隠匿もTEMもありません。そのため素の戦力評価よりも弱いかもしれないということから、この条件でやってみることにしました。子供が日本、私がイギリスです。
イギリスは配置を考えますが、いつものような守り方はできずかなり難しい。7つの勝利条件に弱い所があると、そこを突かれて早々に負けてしまいます。ただ戦力的には有利なので、できるだけ分散しないように守り、早い時期を持ちこたえれば、後半イギリスは有利になっていくでしょう。
そこでまず南西のエリアには3ターンで日本軍が着くことはないので、ここは新兵1個分隊だけにします。そして残る部隊は北西から東中央にかけて、丘を利用した切れ目なくズラリとつながる巨大な戦線を作りました。地雷は期待値どおりの13個で、6つあった鉄条網は北西のパゴダを囲みます。
そして第1ターン日本の攻撃。北東から攻めれば、2つの日本軍が共同して攻めることができますし、足掛かりになるジャングルや建物もあります。しかしここは防御に有利な丘を中心とした戦線の中央で、イギリスにとって最も守りやすい所。足掛かりになる地形も地雷で埋められているでしょうから、こちらから攻めるのは難しいでしょう。
そこで日本は、イギリス軍の一部とだけ戦える北西と南の端を攻めることにしました。南では煙幕を置いて半個分隊スタックが駆け抜け、さらに前に向かって自己潰走もして(日本軍なのですぐ回復)、南西部の勝利条件エリアを目指します。そして北西では丘の西に回り込んで、鉄条網に守られたパゴダに向けて登り始めました。ただ若干の牽制部隊も北東から接近させており、これらは途中で少し損害を出しました。
ターン後半、イギリスは東側で日本軍に対応して動こうかと考えますが、日本は移動を妨げる位置に中機関銃を置いています。そのためこちらでは射撃に専念しますが、あまり効果はありませんでした。また北西側では、パゴダの2階に置いた中機関銃スタックが日本の機関銃スタックを撃ち、連射が効いてかなりの損害を与えます。
そして移動では若干の部隊を北西のパゴダに移動させ、中央に控えていた新兵2個分隊を南西に送りました。その後日本は防御射撃で北西パゴダへ登録済みの煙幕砲撃が成功します。
第2ターン、日本はパゴダを煙幕で覆い続け、そこに向かって登って行きます。イギリス軍が煙に邪魔されて撃てない中、鉄条網に突っ込む日本軍。鉄条網潜りで1を出してすぐ建物内に突撃することを狙っていますが、最初のスタックは3つとも失敗。続いて2つめのスタックがまとまって行くと、そこには地雷があって指揮官が負傷し、ここも鉄条網は抜けられません。
さらに3つ目のスタックが登ると、ここにも地雷で目は蛇。KIAで指揮官と分隊が消えてこれも進めませんでした。日本進めない上に損害多すぎ。しかもターン後半には、建物内からイギリス指揮官が撃たれる心配なく爆弾を仕掛けてきます。この地形で防御側だけ爆薬があるなんて酷すぎ。さらにもし生き延びた部隊が建物に突撃できたとしても、煙と石垣を越えるのにCXが付くので白兵戦は不利。無理です。日本投了です。

(下が南西)
数に劣る日本軍は長期の撃ち合いをしたら負けるので、5ターンで2点を取るのが一番現実的でしょう。そして集中攻撃されうる北東側には、地雷原が切れ目なく並べてあったので、そちらから攻めていたら日本に勝ち目はほとんどありませんでした。また東側の平地を戦列に向かって突っ込むのもやはり無謀です。
そうすると今回の端攻めが、日本にとって一番分のある作戦だったろうと思います。それでも鉄条網と丘と地雷は強く、運もイギリスに傾いて、戦力差を覆すことはできませんでした。
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