連携なし、射程なし、降下精度なし
今日のASLは、Turning the Tide より U27 A Winter Melee 冬の乱闘。独ソ戦最初の冬、ドイツ軍とソ連騎兵、空挺、パルチザンが大乱闘しました。ソ連は10ターン終了時にボード3の5つの石造建物を全て支配していたら勝利です。積雪があります。
守るドイツは12個分隊と9−2指揮官、機関銃重1中1軽4、ハーフトラック3台です。
これを攻めるソ連は、まず北のボード5にパルチザン10個分隊と軽機関銃2ATR1を配置し、彼らは展開と複数へクス射撃グループ不可ですが、モロトフ能力があり、ソ連歩兵とスタックすると共に1MFで林を通過できます。そして第1ターンには南から騎兵12個分隊が入って来て、第1ターンだけファナティックです。さらに空挺エリート20個分隊と10−2指揮官、軽機関銃3が第2から第4ターンの間にサイの目によって降下します。
空挺部隊は少なくともそれぞれ5へクス以上離れた降下予定ポイントをあらかじめ決め、各ポイント5個分隊ずつが同じ方向に並びます。そしてdr3以下でそこに着きますが、4以上だと迷ってマップ内の完全にランダムな地点に降りてしまいます。さらに最終降下地点からDRによる無作為区域選択で漂流しますが、ソ連の場合ずれが1.5倍になります。
このシナリオを検索すると出て来る「ぼやきジョーンズ」というサイトのプレイでは、全空挺部隊が建物を丁度避けるように町に密集して降下を始めており、ランダム地点がすごい偶然で重なった可能性が無いわけではないものの、多分この人たちはこのルールの前2つを間違えてやっています。さらにこの2人はこのシナリオを何度もアーカイヴに記録しているため、スコアは本来より大きくソ連有利になっていると思われます。
ドイツは唯一の3階建て石造建物を中心に守るはずで、ここからは南の平地と中央の丘が丸見えです。パルチザンだけは町の中央側から近付けますが、複数へクス射撃グループを組めない彼らの射撃はあまり役に立ちません。そのためソ連を平地攻撃として0.5倍すると、戦力的には予想勝率ソ連52%の非常に良いバランスになります。後はほぼ無作為の空挺降下、三兵種の連携不可、相手より短すぎる射程という特殊要因によって、これがどのくらい低下するか。
子供がドイツ、私がソ連です。
ドイツの配置は予想通り歩兵が3階建て建物に、そしてハーフトラックは西の丘の南側でこちらからの騎兵侵入を見張っています。この配置で騎兵が突っ込むのはいくらファナティックでも損害が大きそうなので、ソ連は空挺降下のタイミングまで騎兵を森に隠しておくことにしました。またパルチザンは町の占領に掛かります。するとドイツハーフトラックは、ソ連騎兵の方にやってきました。
第2ターンにはパルチザンが町の中に入り、ドイツハーフトラックは騎兵の前面に並びます。
第3ターン、風が吹き始めた中で空挺降下開始。風があると降下は流される上、着地時の事故率が上がって良くありません。ソ連の降下予定地点は少し離れて町を囲む形で、事故が少ないよう平地の多い所を指定してありました。そしてなんとどのグループも迷わず予定地点に到着。本当はむしろ半分が迷ってどこかに偏ってくれて良かったのですが。
降下地点は当然バラバラですが、風の影響で南西に多くなっています。そしてこれを援護するため騎兵が前進しますが、ハーフトラック、分隊、軽機関銃セット3つの壁は固く、成果は今一。これなら第1ターンに突っ込んでおいた方がましだった?
空挺部隊も撃たれていくらか損害が出ますが、問題はたった2人しかいない指揮官の1人が殺され、もう1人も南西の平地にいて他の部隊との合流が難しい事。なんでエリートのはずの空挺部隊が、各ウィング(5個分隊)に1人すら指揮官いないの?

(下が東)
第4ターン、重中機関銃とハーフトラックに見張られている南側は接近が難しく、ソ連軍はじわじわ林や建物に再集結しています。東と西もまっすぐ進むとやはり機関銃に撃たれるので、ぐるぐる丘を迂回して町の中心に向かいます。
第5ターン、前線に着いた部隊から撃ち合いを始めますが、ソ連軍の射程は全員2で、パルチザンは3ですが1スタックのみの低火力。ドイツのハーフトラックが機関銃を壊してくれた以外戦果?が無く、ソ連はやられるばかり。3分の1の射程でまともに戦えるわけないだろ!しかしここで天が憐れんでくれたか、ドイツの重中機関銃が故障。次に直らなければソ連千載一遇のチャンスか?
第6ターン、ドイツ重機関銃は壊れ中機関銃は直らず。ソ連、攻め込む時は今を置いて他に無ーし!
まず町からパルチザンと空挺部隊たちが立て続けに突っ込みます。ぱらぱらやられるものの、ドイツの機関銃が皆南側に引き抜かれているのもあって、ソ連兵は次々と半個分隊の守る石垣に到着。ドイツ半個分隊たちはFPFまで撃って抵抗するものの自滅し、石垣線はソ連が確保しました。しかしこちらのパルチザンは弱すぎ、ソ連空挺は指揮官がいないので回復も半個分隊の統合もできず、これ以上の前進は難しいでしょう。
やはり真打は南側の騎兵と10−2指揮官を含む空挺部隊です。ロシア魂を見せてやれ!しかし重中機関銃も無いのにドイツの射撃はバンバン当たり、ソ連兵はコロコロ混乱シュワシュワ蒸発。
「ロシア魂はどこにいったーー?」
「粛清できれいさっぱり抜けちゃいました。」
ソ連負けです。

いくら戦力的には互角でも、バラバラで射程3分の1の部隊が平地から攻めるのはきつ過ぎます。また相手に戦車がいない状況では、ハーフトラックもかなり強敵です。ドイツの機関銃やハーフトラックが故障しなければ、ソ連は手も足も出ませんでした。
ソ連はもっと北に空挺降下して南下をパルチザンに助けてもらい、騎兵も第1ターンに駆け込めば、もう少しましだったかもしれません。しかしそれならドイツも火力を北側に集中してくる訳で、それくらいで何とかなるのかどうか。少なくともアーカイヴの言うソ連有利というのは間違いでしょう。
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