school〜魚の群れ〜
今日のASLはASLクラシックよりシナリオEのHill621。ソ連はバグラチオン作戦でミンスクに迫り、ドイツは丘でこれを食い止めようとします。ソ連は10ターンの終わりに丘の尾根7へクスの内5へクスを支配すれば勝ちです。このシナリオはめずらしく防御側が後に配置して先に移動します。
攻めるソ連はまず48個分隊!と第2ターンに76ミリ長砲身のT−34が6両、第5ターンに6−2−8エリート8個分隊と152ミリ無砲塔戦車2両、122ミリ無砲塔戦車3両という大軍です。このシナリオは、元々ソ連の増援が第3ターン登場だったのを、イラータで第5ターンに変更しています。
対するドイツは、まずたった8個分隊に9−2指揮官と80ミリ盤外迫撃砲。そして第1ターンに75ミリ長砲身対戦車砲、第2ターンに75ミリ長砲身の4号戦車4両、第4ターンに10−3指揮官率いる8−3−8エリート4個分隊と100ミリ盤外砲の無線機、第5ターンに75ミリ短砲身の3号戦車1両、75ミリ長砲身の3号突撃砲2両と50ミリ長砲身対戦車砲1つ、第8ターンに105ミリ突撃榴弾砲1両の増援です。歩兵数は少ないですが、ハーフトラックから取り外すと重機関銃3つを含む全分隊分の機関銃があり、戦車や盤外砲とも合わせて装備はなかなか強力です。ドイツ軍は開始時に判定チェックを行い、失敗すると混乱状態から始まります。と言ってもDMはないので、指揮官がいればいきなり回復することも可能です。
子供がドイツ、私がソ連です。
第1ターン、当然ながらドイツ軍は今の圧倒的戦力差でソ連軍と戦うなどあり得ず、丘の前面から全力で後退し丘の中腹まで登ります。ソ連軍は横一線に並んで全力で前進しようかと思いましたが、直後に4両のドイツ4号戦車が側面から襲い掛かってくるのが嫌で、自重した前進にとどめます。この選択が良かったかどうか分かりません。
第2ターン、踏みつぶすソ連兵がいないので、ドイツ戦車はソ連から見て左手に防衛陣を築きます。そしてドイツ歩兵は丘の上に防御態勢を整えます。同程度の性能の戦車には、倍の数的優位が無ければ攻撃して勝つのは難しいと思うので、6両のソ連T−34は戦車戦を挑むことはせず、右手に布陣して丘の上を狙います。またソ連歩兵もドイツ戦車に撃たれにくい位置を通って、ドイツの機関銃にも気を使いながら前進を開始します。
第3ターン、ドイツは戦車を少し配置換えして引き続き左手の守り。そして対戦車砲は右手前面に配置してソ連戦車に備えます。ソ連軍はドイツ戦車が並ぶ所では進めそうにありません。しかしここで何と狙撃兵がドイツ9−2指揮官を撃ち殺し、そこのドイツ機関銃スタックが全混乱。このチャンスにソ連軍は右半分と左端で一気に前進し、戦車の大半は右手の小丘まで到達します。
第4ターン、ドイツが6へクス動かしてFFEに変えた盤外砲が、丁度誤差なく7へクス全てにソ連分隊がいる所に落ちて、全てを混乱させるという大当たり。ソ連は多少遅くなっても、もっと広がって進むべきでした。

ソ連歩兵は左右で前進を続けるものの、中央では多くの歩兵が戦車に睨まれて動けず、前線の戦力は不足気味。ソ連戦車は右手からドイツ軍の脇に回り込みます。
第5ターン、ドイツには増援の戦車も到着し、丘の上はさらに固くなります。ドイツは丘の裏側の小丘側(ソ連から見て右側)にハーフトラックを並べ、武装を引っぺがします。そのまま使ってもほとんど役に立たないハーフトラックですが、こうすれば、操作班+機関銃(内1つは重機関銃)と、遮蔽物としての抜け殻トラックで、二重に役立ってくれます。そしてソ連は待望のエリートと戦車の増援。彼らは右手を進んで丘の上を狙う態勢を取りますが、重機関銃と9−2指揮官だけは左手の建物に向かって中機関銃と合流し、その後そのトラックで分隊2個を右手の前線まで運びます。そして前進していたT−34はここで一気に小丘のてっぺんに登り、ドイツ増援戦車や対戦車砲と撃ち合いを開始。前線の歩兵も対戦車砲が見える所に到着し始めます。
第6ターン、ドイツは再び盤外砲を落とし、対戦車砲を狙っていたソ連歩兵は蹴散らされます。しかしソ連はまず3号突撃砲を1両撃破した上、なんと出てきたばかりの100ミリ砲無線機を持ったドイツ指揮官を、致命的命中で爆殺してしまいます。

さらに後半、ソ連はもう1両の3号突撃砲も撃破し、なかなか鎮圧できなかったドイツ対戦車砲に煙幕を置くと、増援の戦車も前進させます。また緊急脱出に成功したエリート歩兵も、駆け足で突っ走ります。
第7ターン、丘を守る戦車がやられてしまったことで、ドイツは中央の4号戦車2両を前面の歩兵に近づけ、1両を丘方面に移動させます。またもう1両は、ソ連の9−2指揮重機関銃スタックに煙幕を撃ちます。ところがここで小丘の上のT−34の1両が丁度これを見える位置にいて、この4号を運良く撃破します。そして後半、接近してきた4号戦車に中央のソ連歩兵が総突撃し、白兵戦で1両撃破1両走行不能にすることに成功します。さらにソ連の右手では戦車も歩兵もドイツ軍が守る丘に急接近。最後の攻勢が始まります。

第8ターン、ここでソ連戦車の砲撃がドイツ10−3指揮官の鬼スタックに大当たりし全員混乱。そして走行不能の4号戦車は丘の上から撃たれて破壊され、4号最後の一両もソ連152ミリ砲戦車撃破、122ミリ砲戦車走行不能と3個分隊を混乱させる活躍の後、122ミリ砲戦車に撃たれて破壊されます。大きな障害が一掃されたこのチャンスに、丘へ殺到するソ連軍。しかしこれに対し、集中砲撃をかわし切ったドイツ指揮官は3度目の盤外砲を命中させ、重機関銃は連射しまくって、前進してきたソ連歩兵たちは多くが損害を受けて撃退されます。
第9ターン、ソ連は戦車の射撃でドイツの丘の中腹の守りを崩すと、再び全軍で一斉に丘を登ります。ここでソ連は、ドイツ戦車のHEAT弾の火力を過大に勘違いしていて、戦車を戦車にぶつけるのではなく、尾根に戦車を隣接させてドイツ歩兵が登ってきたら近接射程で撃つ形にします。ここで追い立てられていたドイツ鬼スタックはようやく回復し、最後の戦いの準備が整います。そして左手ではドイツ戦車が、小尾根を攻めるはずだったソ連歩兵を、隠蔽状態にも関わらず射撃当てまくって除去。これでソ連の小尾根攻めがかなり難しくなってしまいます。

第10ターン、ドイツは大尾根に煙幕を置くとそこに鬼スタックを入れ、小尾根にも部隊を送り込みます。これでソ連は3へクスなら確実に取れるものの、あと2へクスを取れるのか?まずソ連は煙幕を撃とうとしますが残念ながら弾切れ。そこで代わりに122ミリ砲や152ミリ砲を重要地点に打ち込みます。煙幕の中にいる鬼スタックにも捕捉を付けてあるので、それなりの確率で当たるはず。しかしなんとこれがことごとく外れ。後はもうオーヴァーランに賭けるしかありません。煙幕はオーヴァーランの防御にならないのでかなり効くはず。パンツァーファウストをかわしつつ、3両のT−34が連続で攻撃します。しかし10−3指揮官率いる鬼スタックは恐ろしく強く、これをことごとく耐え切ってしまいます。ソ連歩兵の群れは最後36火力での前進射撃をしてみますが、鬼スタックはこれすらも耐え抜き、結局ソ連は3へクスしか占領できず、ドイツの勝ちです。
ソ連は慎重な作戦が功を奏して、ドイツの戦車をほぼ一方的に撃破しましたが、反面歩兵の前進がしょっちゅう撃退されてはかどりませんでした。しかしやはり最大の痛恨は、最後HEAT弾の威力を勘違いして戦車を戦車にぶつけなかったことでしょう。これをやっていればもっと勝つ可能性が高かったはずです。一方ドイツも後半に4号戦車をばらして動かし、一気に全てを失ったのは痛かったと思います。この時は全部一緒に後退して、ソ連の正面からの攻撃を防いでいたら、ソ連はもっと苦しかったでしょう。長い戦いだったので、2人とも終盤には集中力が落ちていたのかもしれません。
さいの目は、歩兵への射撃やモラルチェックの目が良かったドイツ対、戦車戦の目が良くたまにすごい大当たりを出したソ連で、同程度という感じでした。3日もかかる大シナリオにしては、最終ターンまでもつれ込む良い勝負だったと思います。
予想プレイ時間は(72+26×3)×10÷60+1=26時間で、実時間もだいたいそのくらいだったでしょう。
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