待ち受けるゼーア・ラング
今日のASLは、OAF PackよりOAF5グリューネの森の隙間。ベルリンの東西の連絡を絶とうと進んできたソ連軍を、ドイツはベルリンとグリューネヴァルトの間のシャルロッテンブルクで食い止めようとしています。ソ連は8ターン以内に40VP以上を北に突破させたら勝利です。
ソ連の戦力はIS−2が2両、SU−100が4両、T−34/85が4両に、エリート多めの20個分隊が、第1ターンに南側の運河東から侵入。ドイツは4号駆逐戦車の75ミリ超長砲身型、私称「ゼーア・ラング」(とても長いのドイツ語)が3両、88LLの凶悪対戦車砲非旋回型1門、75L対戦車砲2門と、エリートから徴募兵まで各3個づつの12個分隊、パンツァーシュレック3つ付きです。ドイツは全戦車と1個分隊が隠匿配置できます。
戦力評価はドイツ3%の優勢で予想勝率5割ですが、正直ソ連は戦車が駆け抜けたら勝ちで、歩兵と戦車が協力して戦うことが前提である勝敗予想はあまり参考にならないでしょう。子供がソ連、私がドイツです。
88LL対戦車砲は1つしかないものの、IS−2すら正面から楽々撃ち抜ける超高威力。そして装甲で見劣りし攻撃には弱いゼーア・ラングですが、防御側で隠匿配置のこのシナリオでは、IS−2以外のソ連戦車を正面でも楽々撃ち抜けるその貫通力を存分に発揮できます。
そのためソ連は途中で無駄に戦って時間を取られ、ゼーア・ラングに正面を押さえられないようにしなければなりません。そこでソ連はほとんど止まらずに戦車で駆け抜けることになりそうで、そうすると運の影響も大きいでしょう。
盤上に見えるドイツの大きなスタックは3つ。真ん中の大きな館の3階、左のグリューネの森手前の小さな森、右の運河向こうの狭くなった所にある石造建物。あとはグリューネの森の道沿いに1ユニットずつ4か所と、右端に小さなスタックです。
これを見たソ連は、道路脇からのパンツァーファウストは全速で駆け抜ければ短い照準時間もついてあまり当たらないだろうと、グリューネの森の中の一本道を行くことにしました。実際先頭のSU−100が森の道を進むと、脇にいたドイツ徴募兵半個分隊たちがパンツァーファウストを撃ちますが、全く効果無し。
ソ連戦車の先頭は森を抜け、他の戦車もそれに続いて、ドイツ徴募兵の隣では主砲旋回でエリートを落としていきます。途中で館の3階のドイツ機関銃が撃ち、9−2指揮官が振り落とされましたが、ドイツの中機関銃も故障しました。
そしてドイツの防御射撃。森の真正面一番手前の建物にはゼーア・ラングが隠れていて、出口を狙っていました。これに撃たれてSU−100が1両炎上。また森を出た直後の林に隠れていた分隊とリーダーが、パンツァーファウストとシュレックを撃ちましたが、これは全部外れました。前進射撃と白兵戦では、森のドイツ徴募兵1.5個分隊が除去や混乱になります。
ターン後半、ゼーア・ラングは先頭のSU−100を撃破。しかし林のパンツァーファウスト・シュレックはまた全部外れ。ただソ連の反撃には耐え抜きました。
そして移動では右の運河向こうの建物に隠れていたゼーア・ラングが、大急ぎで左へ向けて移動を開始。歩兵スタック(実はダミー)も向かいます。
それから小さな森にいたスタックは、最初の予定ではソ連がこちらから来たらグリューネの森に駆けつけ、移動中の戦車をパンツァーファウスト・シュレックで攻撃するつもりでした。しかしソ連が途中で歩兵を降ろして通り道を狙ってきたので、仕方なく小さな森の裏手に回ります。そして中央一番手前の林で右を向いて隠れていた88LLが登場し、左手のソ連軍方向に向き直りました。

(下が北)
第2ターン、ソ連はそれでもゼーア・ラングが着く前に駆け抜けるしかありません。まず分隊の脇を通り抜けようとしたSU−100ですが、ついにパンツァーファウストが当たって炎上。次にもう1両のSU−100は、ドイツが様子を見ていると、橋の方に曲がって行きました。しかしそこは隠れていた76Lが照準しており、これも側面を撃たれて炎に包まれます。
かくなる上はIS−2が前に出て、出口で邪魔するドイツ歩兵に隣接正面攻撃の賭け。しかしこれもパンツァーシュレックに撃ち抜かれ、虚しく残骸となりました。
これでもうソ連戦車は半数が失われたのに、ゼーア・ラングも砲もまだ射撃可能な状態。このターン中に突破できる戦車はもう無く、ドイツの全対戦車砲は森の前の平地を撃てる位置にあり、次には残りのゼーア・ラングも到着するので、ソ連はもう負けです。
運の影響は大きく、障害物が多くてドイツの配置はなかなか難しかったです。しかし運河の東は狭い所を2両のゼーア・ラングと歩兵とダミーだけで抑え、西は比較的見通しの良い突破盤端付近に広く砲、隠匿歩兵、ゼーア・ラングを置いて多方向から撃てる対戦車ポケットを作ったのが有利に働いたと思います。
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