死と破壊の町
今日のASLは、ASL Open `96 Scenario PackのWCW10 Stand and die 死守。第二次上海事変で日本の侵攻に対し、蒋介石は死守を命じました。なおシナリオ日付が12月7日になっていますが、その日は既に上海での戦いが終わっており、蒋介石が南京を脱出し日本軍が南京攻略を決定した日なので、何か間違えたのかもしれません。
日本は7ターン終了時に、中国より多くの損害ポイントを得ていたら勝利します。通常の損害に加え、建物1区画の支配につき1VPが入ります。浅いジャングルの太平洋地形で、田んぼは水が無く、涸れ谷は小川、建物は木造1階建てになり、小屋は建物のままで、低地はありません。
守る中国は9−2指揮官とエリート12個分隊に、ATR1、爆薬1、75*野砲1門(特殊弾が1多い)、ドイツ製装甲車2台、1号戦車3両、イタリア製L3/35が2両です。そして日本は11個分隊と、火炎放射器1、爆薬1、九七式軽装甲車テケ(CMG)2両、九五式軽戦車ハ号(37)2両、八九式中戦車チロ(57*)1両で攻めます。
九五式の37ミリ砲と八九式の57*砲は、砲弾の脆さを反映してTKナンバー6とします。また調べてみたら九七式軽装甲車は重機関銃を積んでおり、前世代の軽機関銃を積んでいたものより火力が高いはずなので、火力は表記の2ではなく4として扱います。しかしこのままでは戦力的に中国がかなり有利なので、日本の八九式を1両増やし、中国の装甲車は20LのPSW222から機関銃だけのPSW221に変えました。
その結果戦力評価は、太平洋地形ですが町での戦闘なのでジャングル補正はせず、中国戦車が日本戦車を倒せないので0.25倍されて、0%台の非常に良いバランスとなります。子供が日本、私が中国です。
町の外縁部は建物がばらけていたり森に隣接していたりして守りにくいので、最初中国は町の中心部だけで守ろうとしました。しかしよく考えてみると、それでは町の外側を取られたら戦わずに負けてしまいます。
しかし日本の侵攻方向は東、南、南西と3つあり、全方向で外に出たら薄くなって負けます。特にまともな対戦車兵器である野砲が一門しかないので、この置き場所を外してしまうとかなり厳しくなります。
そこでまずクナイを抜け小川を越えて接近に時間のかかる南西は、来ないものとして捨てます。そして中国は東の森に歩兵の主力を置いて、日本の侵攻方向を見て対応するようにし、車両は東から南にかけて町中の建物や林にずらっと並べます。そして野砲は戦車列東端のダミーの所に置き、日本戦車がこれを狙って来たら反撃できるようにしました。
そして思った通り日本の主力は東から侵入し、南からは戦車2両と南側の建物占領用の半個分隊のみでした。中国軍はこれに合わせて東の森全体に広がります。

(下が北)
しかしこの中国の配置は失敗でした。第2ターン、日本は森の南西側の中国軍に2ユニットにハ号を突っ込ませて射撃を封じ、歩兵の大半を南側にシフトして来たのです。中国は対戦車ライフルを持った隠匿歩兵を出して、フルスタックに平地で隣接射撃を加えたものの、押し寄せる大軍に敵わず降伏してしまいました。
敵前を真横に横切るとは想定していなかった。だめだ、これでは中国もう守りようがない。戦車に踏まれた所はダミーで、森の中の中国軍に損害はありませんでしたが、戦車に囲まれて危険なので、中国軍は北に後退するしかありません。
第3ターン、日本はさらに東から二両のチロさんを森に突っ込ませ、南からは歩兵が攻め寄せて、町の南東側の建物も占領します。森に突っ込んでボグになったチロさん1両を白兵戦で倒したものの、中国軍が森で抵抗するのはもう無理です。
ただ幸いチロさんを倒したことで、ターン後半に森から南へ脱出する道ができ、中国歩兵の壊滅は免れました。しかし防御射撃で軽機関銃スタックに撃たれて、守りの要の野砲が混乱してしまい、中国は防御力が大きく落ちてしまいます。これは痛恨で、野砲は間に煙幕を撃っておくべきでした。

第4ターン、日本はこの隙を逃さず、一気に全戦車を中国軍の前線に隣接させて来ます。うーんこれはきつい。中国終わったか?
いいや中国、ここは勝負に出るしかない。まず1号戦車が隣のハ号を撃つ。機関銃と言えども隣から撃てば可能性はある。破壊!さらに中国鬼スタックが日本の隠蔽フルスタックに射撃。これも良い目でかなりの損害を与えた。さらに戦車と一緒に隣接してきた歩兵もすり減らした上、爆薬を設置してテケまで破壊。中国軍猛奮闘!これで互角まで戻ったか?
しかしここで中国鬼スタックに隣接したチロさんの番。これが何と致命的命中二連発。一発目は何とか耐えたものの、二発目は頼りの9−2指揮官に直撃して死亡。歩兵からの射撃も受けて、中国鬼スタックは一撃で全滅してしまいました。今度こそ終わった。
しかし中国も大分日本軍を倒しているので、点数的にはまだ負けているわけではありません。何が起こるか分からないので、第5ターンもやってみます。中国軍は白兵戦でATRを取り返していたので、日本はこれを止めながら一気に勝負をつけるべくバンザイ突撃。しかし射撃では1号戦車を衝撃にしたものの、白兵戦では決着を付けられませんでした。
そして後半、今度は混戦中のL3/35がハ号を撃破。さらに小川沿いに建物を取りに来ていた日本半個分隊を、別のL3/35がオーヴァーランして除去しました。そして2つの白兵戦はなおも混戦を継続。衝撃状態だった1号は白兵戦で破壊され、チロさんに白兵戦を仕掛けに行った分隊は突撃に失敗したものの、中国まだ可能性はある。

第6ターン、歩兵同士の混戦は両者全滅し、中国戦車2か所が混戦。日本歩兵は空になった中国砲を奪いに迫ります。ターン後半、指揮官の乗った1号は、混戦中の日本兵を倒しますが、チロさんに撃たれて走行不能になり、操作班は脱出してしまいました。また川から戻ったL3/35がテケの脇に付け、最後の勝負を挑みます。
そして最終ターン、これまで粘りに粘ってきた中国軍でしたが、ここで東側の装甲車が迫撃砲に破壊され、守りの無くなった砲も捕獲され、混乱した部隊は日本兵に退路を断たれて降伏。これで点数は日本側に大きく傾き、中国は逆転の可能性が無くなったので、日本の勝ちです。

最終的に失ったのは、日本が6個分隊、指揮官2人、操作班1、AFV4両。そして中国が11個分隊、指揮官3人、砲1門、AFV3両と、共に兵力の過半を失う大惨禍でした。
中国は南東側外縁の建物沿いにも歩兵を並べ、鬼スタックとATRは町の中に置くべきでした。そうすれば東から来た日本歩兵が南に回り込むのは防げ、森から前線に隣接されても、前線の歩兵だけでなく町中の鬼スタックと戦車が隙間から支援できました。またその時町と外縁の間に狐穴を掘っておくと、安全に潰走できてさらに良さそうです。
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