高火力スタック対狐穴ブロック
今日のASLは、アクションパック13のAP123 Busting in Balta バルタでの急襲。オデッサへの攻撃の最中、ドイツ工兵連隊は主力が迂回したバルタへの攻撃を命じられました。ドイツは6ターンの終了時に、ソ連より20VP以上多く稼いでいたら勝利です。損害VPに加えて、複数へクス建物の支配でそのヘクス数分のVPが入ります。
ソ連は24個分隊と45LのT-26S1両で市街を守り、市街から離れた人道橋の近くに重機関銃を持った1個分隊と82*迫撃砲が2門、河の浅瀬の向こうにT-26が2両います。可能な地形なら狐穴を貰えて、ドイツエリアから4へクス以上離れていれば隠蔽が貰えます
これを攻めるドイツは、市街の南東部に8−3−8突撃工兵3個、5−4−8分隊6個と10−2指揮官、火炎放射器1、爆薬2と砲誘導用の無線を初期配置。そして第1ターンに、突撃工兵4個、5−4−8分隊10個と9−2指揮官、火炎放射器2、爆薬3が北から侵入して来ます。また北側盤外レベル3に105ミリ野砲があるものと見なされ、地域目標で直接撃つことも、無線で誘導して撃つこともできます。
さて戦力だけ見るとソ連の方が有利そうに思えますが、地図を見ると多少疎らながら明らかに市街地です。そしてドイツは8−3−8がいて32火力スタックを2つ作れるので、高火力市街戦としてドイツ歩兵数を2倍で戦力評価します。するとドイツは21%の優勢で予想勝率10割。
そこでドイツから増援の5−4−8分隊を5個、火炎放射器1、爆薬1を減らして、ドイツの優勢を4%にします。市街にしては建物が少し疎らで、ソ連は最初に狐穴で建物間を埋めて固い陣地を作れる上、この広さの割に6ターンは短いと思われることから、ドイツの戦力優勢を少し残しました。
子供がソ連、私がドイツです。
ソ連は隠蔽が付くようドイツから4へクス以上離れた所に防御陣地を築きましたが、奥の建物の守りはかなり薄そうに見えます。そこでドイツは2個スタックを後方に送り、背後への回り込みを狙うことにしました。奥から少し離れた所に石造の5へクス建物があり、そこからは一番奥のヘクスまでは9へクスあって、ソ連分隊の射撃は届かないのです。
ドイツの正面からの攻撃は順調にソ連軍を削っていきます。そして後方に回り込んだドイツの鬼スタックBが草むらの端に突撃した時、ソ連の重機関銃が射撃開始。これがROFバーストして当たる当たる。ドイツ鬼スタックは壊滅して投了です。
運に恵まれれば何とかなったかもしれませんが、ドイツの迂回作戦はちょっと無謀だったようです。配置し直してもう一度やります。
ソ連は東側にもっと狐穴を敷き詰めて厚めの配置。それに対してドイツ軍の北側は真横からまっすぐ攻撃します。ところが東で煙幕に隠れて道を渡る時、遠くからのたった45ミリの戦車砲にスタックの一つが撃たれ、エリートなのに全員混乱。しかも次ターンの回復で火炎放射器を持った奴が12を出して損耗。弱すぎ。
さらにソ連ターンになっても、ソ連軍は強力なドイツ軍の射撃を全て耐えてしまう。うーん。
第2ターンになると、ようやくドイツの攻撃も効き始めます。しかしソ連にはコミサールが2人いるのですぐに回復し、大きな戦果にはなりません。
第3ターン、さすがに2個の鬼スタックが射程内に入ってダブル32火力でバリバリ撃ち始めると、ソ連は持ちこたえられず損害が増してきました。しかしソ連のモラルチェックの目が良くて、火力の割には2しかないELRをあまり超えず、生き残った者はコミサールでがしがし回復して来ます。こんなペースで間に合うのか?
ただここで9−0コミサールが105ミリ砲の致命的命中を食らって即死したのは、ドイツ軍にとって朗報。これでもう1人の10−0コミサールを倒せば、ソ連の強力過ぎる回復力を消滅させられる。

(下が東)
第4ターン、ドイツは爆薬半個分隊を革切りに、次々とソ連防衛陣地外殻の木造建物列に突入し、大きく食い込むのに成功しました。ただようやく追いついて来た最初の大混乱スタックは、またもや戦車に撃たれて火炎放射器持ちが混乱。そして次の回復でまたもや12を出して消滅。まったくこいつらは。
第5ターン、ドイツは10−2の鬼スタックAも外殻建物に突入させ、死角を無くしてソ連軍を撃ちまくります。これが分隊には結構効いているのですが、10−0コミサールだけは30火力でTEM込み0修正の猛射を3回食らっても平気で生き残っている。なんだこいつ。
またドイツは右奥の空になっている建物を奪うため、木造建物経由で分隊を向かわせました。ソ連はやっと持って来た迫撃砲を使い、途中の建物でこれを撃ちます。そしたら致命的命中でKIA。ドイツ6VPも損してしまったぞ。
そしてドイツは白兵戦でも狐穴のソ連軍を倒して行きますが、ソ連の方も勝ったドイツ兵を奥から重中機関銃で撃って混乱させてきます。ドイツは少し足りない感じですが、次の最終攻勢でなんとかなるのか?
最終ターン、ドイツはこの陣地最後の建物に残るソ連軍に止めを刺したい所です。しかし近接していた部隊はほとんど撃退されており、爆薬を持った指揮官も3回連続で回復に失敗していて無理。ドイツは射撃で損害を与えることしかできません。
そして失敗だったのが裏手に回っていたドイツ部隊。この部隊は火炎放射器と爆薬を持っていて、本当はこちらから近付くつもりだったのですが、奥の石造建物から重機関銃スタックに遮られて進めず、ここで射撃を続けるはめになっていました。これが代わりに軽機関銃を持っている部隊だったら、最後の建物からソ連軍が潰走するのを阻止できたし、火爆隊はもっと損害を与えていただろうに。結局残ったソ連軍は皆逃げ出し、鬼スタックはターン後半の射撃をすることができませんでした。
最後に計算してみると、ドイツは10VPの優勢に留まりソ連の勝ち。今回ソ連に偏ったサイの目がもう少しドイツに良ければ(特に右建物に向かった時の致命的命中と最初の全混乱)、あるいは北からの部隊の振り分けを間違えていなければ、ドイツは十分勝てたはずなのに残念です。

また今回の結果により、高火力市街戦(攻撃側が2個以上多い高火力スタックを持つ市街戦)では攻撃側歩兵数を2倍にして評価するのが、やはり妥当だと再確認できました。
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