煙と水田とグルカ兵
 
 今日のASLは、AP15 折れた竹。1944年3月、イギリス軍はビルマで日本軍の守るマウル村を攻撃した。この計画ではグルカ兵が正面を攻撃し、別動隊が退路を断つことになっていた。イギリスは7ターンの終わりに、南にある村で小屋6個の内5個を支配していたら勝利です。地形は浅いジャングルの太平洋地形で、川も池も乾いており、丘はありません。
 正面はジャングルに左手は水田に囲まれた村を、日本は7個分隊とトーチカ2、塹壕6で守ります。4CVP以上でイギリスより多い損害を受けると、それ以後分隊のMC失敗は全て展開して混乱になります。
 イギリスはエリートグルカ兵12.5個分隊と9−2指揮官に、火炎放射器2、76*迫撃砲1門でこれを攻めます。
 戦力評価ではイギリスが14%の優勢で予想勝率9割。かなりバランスが悪く、バランスルールで日本分隊を1つ増やしても、イギリス8%優勢の予想勝率7割5分です。しかし国別攻撃の得意さ集計で日本軍は防御に強く、ジャングルでは特に強い感じがするので、これでやってみることにします。
 子供がイギリス、私が日本です。


 日本軍はやはりジャングルの中で戦うのが良いだろうと、右手ではジャングルの前面に一隊を置き、中央では少し下がったクナイの手前に塹壕線を作ってもう一隊を置きます。グルカ兵が田んぼを回って来たら、水の張られた田んぼに足を取られ、中機関銃2つのファイアレインで足止めしている間に、右の部隊が駆けつけるつもりです。
 これに対しイギリス軍は、史実のように無意味な戦力分割をすることなく、全軍田んぼ側を進んできます。そこで日本は予定通り、田んぼを見張れる塹壕に中機関銃2丁を移し、右の部隊を中央に向けて急がせました。

(下が南)

 第2ターン、イギリス軍は日本の中機関銃に煙幕を置いて田んぼに突入。するとターン後半に突風が吹きます。これは前進射撃前に煙が晴れ、危険なあぜ道移動中のグルカ兵を撃てるチャンス。日本中機関銃は射撃待機し、イギリスの防御射撃に耐え、グルカ兵を1.5個分隊混乱させましたが、期待したほどの戦果ではありません。
 これで日本中機関銃は隠蔽が外れたので、逆に多くのイギリス軍から射程内で反撃される形になってしまいました。さすがにこのまま残るのは無謀かと思い、日本はこれを下げて、代わりに隠蔽された部隊と交代させます。そして右の部隊も中央に近づいて来ますが、途中のジャングル涸れ谷が意外と通りにくく、まだ前線には届きません。

 第3ターン、ここでイギリス重迫撃砲がROFバーストし、4か所も煙幕を落として前面の日本軍を完全に覆い隠してしまいました。これによってグルカ兵たちは一気にあぜ道を突っ走れるようになり、日本軍戦線を躱して裏手の村に迫ります。日本これはやられた。中機関銃は危険を省みずに前線に残し、ファイアレインを使えるようにしておくべきだった。日本軽機関銃部隊は後方を撃てる位置に着いていたので、回り込んできたグルカ兵を撃ちましたが、少し混乱させただけ。
 ターン後半、日本中機関銃は隣の煙幕に入って来たグルカ兵を撃ち、軽機関銃も再び後方を撃ちましたが、煙や射程外のせいで大きな損害は与えられず。また隠れていた日本半個分隊が、あぜ道に残ったグルカ軽迫撃砲に少し有利な格闘を仕掛けたものの、これも倒せずに混戦。さらに隠蔽半個分隊で煙の中にも格闘を仕掛けましたが、不意打ちを取れずに相打ち止まりでした。


 第4ターン、これだけ後ろに回り込まれてしまうと、数に勝るグルカ兵を全部は止められず、次々と村に入られてしまいます。そして日本中機関銃も白兵戦はまずいので自己混乱して後退。しかしここで村側面の最後の守りとなる日本分隊が、白兵戦で不意打ちを取って一方的にグルカ兵を倒し、一矢報いました。
 けれどもターン後半になると、日本中機関銃操作班の片方が回復に失敗して消滅。日本は残った戦力で村のグルカ兵を撃って混乱させ、なんとか取られた小屋を奪還したものの・・

 第5ターン、やはり火力に勝るグルカ兵の攻撃はもう止められず、日本軍は混乱続出。迫撃砲に撃たれながら持ちこたえていた日本9−1指揮官軽機関銃スタックも、ついに指揮官以外が全て混乱して射撃位置を追われます。これでもう日本の抵抗力は無くなり、イギリスの勝利となりました。



 田んぼの迂回には時間がかかるので、中機関銃2つのファイアレインで足止めすれば、右の部隊が間に合うだろうと日本は思っていました。しかしイギリス軍が迫撃砲で煙幕を撒き、その間にあぜ道を駆け抜けることは十分ありえるし、ジャングル内の日本軍はこんなに多くなくても簡単には抜かれないはずなので、もっと田んぼ側に戦力を回しておくべきでした。
 ただそれでもグルカ兵は日本兵と同じくらい格闘に強いので、日本軍の守備力の高さだけで8%の劣勢を覆すのは少し難しそうです。

 
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