高台の鉄壁
 
 今日のASLは、AP171のPossl’s Posseポスルの警護団。1944年のリトアニアで、味方の退却を助けるため、ポスル戦闘団はソ連の攻撃を食い止めようとしていました。ソ連は5ターン半の終了時に、高台の東側16個の建物の内10個を支配していたら勝利です。
 守るドイツは、高台かその2へクス以内に8個分隊と75L対戦車砲1門、75LのマルダーIII1両と狐穴3。そして第2ターンに南西から5−4−8が5個分隊と4号J型2両です。
 そして攻めるソ連は、エリート9.5個分隊が北東側に初期配置。そして第1ターンに76Lのオープントップ2両が北東から、第2ターンにはサブマシンガン4個分隊とT-34/85が2両、76LのM4が2両東から入ってきます。
 このシナリオはバランスが良いとの話を聞き、実際最新のROARでもドイツ17勝16敗とほぼ互角となっています。しかし私の戦力評価では、ドイツが14%の優勢で予想勝率は8割。実際どうなのかやってみました。子供がソ連、私がドイツです。


 ドイツは当然、勝利条件である高台の上の町に集中配置。隙間の道路も壕で埋めます。この強固な壁を、一番近い北東から正面攻撃しても、ただでさえ戦力は劣勢なのに、狭くて地形効果の薄い不利な形となり、ソ連にまず勝ち目はありません。
 そこでソ連は、機関銃を持ったライフル兵スタックを正面から建物に隠れてじわりと進め、右手からは突撃火力を持つサブマシンガン4個分隊で急接近。そしてオープントップSU-76M2両と2.5個分隊は左側(東側)裏手に回り、ドイツ軍の背後を脅かします。

(下が南)

 なるほど、これはドイツも迂闊なことをすると危険そう。そこで部隊を後退させ、左右からの攻撃に備えます。
 すると第2ターン、ソ連はSU-76Mをぐるぐる後ろから回り込ませて、マルダーIIIの背後から隣接してきます。普通にやったらソ連に勝ち目がないという事で仕掛けた賭けでしたが、こうされるとSU-76Mは小型で移動目標なので、振り返るマルダーの方が命中率が低く、ドイツ意外と危険かも。
 マルダーがAPCR弾と通常弾の2回チャンスに期待して撃つと、運良く命中してSU-76Mを破壊。ソ連はさらに無理矢理もう一両で隙間から隣接して撃とうとしますが、オーバースピードにより走行不能。ソ連の賭けは失敗に終わって投了です。

 結果的に勝ったとは言え、マルダーの移動先はあまり良くありませんでした。そこで移動させるのをやめて隠ぺいを付けたままにし、もう一度ここから続けてみます。
 SU-76Mがまた背後から町に突入すると、林からのパンツァーファウストは当たらず、振り向いて撃ったマルダーIIIは追加射撃で故障。やむなくドイツは鬼スタックで撃ってスタンさせます。もう1両のSU-76Mもやって来てマルダーを撃ちましたが、これは外れ。
 ドイツの増援が町に着いたら勝ち目はなくなるので、ソ連はさらに強攻を続けます。増援の戦車は急いで道路を進み、乗ってきた歩兵を手前で振り落として、高台の北東部でドイツ軍に肉薄。しかしこの無理に落とされた歩兵は次々と混乱し、指揮官は負傷。さらにドイツ軍に隣接したM4が、パンツァーファウストに撃たれて炎上します。

 ドイツターン、マルダーは何もしないまま主砲を壊してしまって帰還となりました。しかしドイツはパンツァーファウストでSU-76Mを炎上させ、対戦車砲はT-34を衝撃に。さらに登ってきたソ連兵を準備射撃で混乱損耗させた上、西と南から入ってきた増援も突撃火力で撃って、さらに混乱損耗を与えます。
 反撃でドイツ歩兵も混乱したものの、ソ連の可動戦車はドイツの戦車、砲と同数しかなくなり、元気な歩兵の数もドイツを下回りました。これではもう前進は無理。ソ連投了です。



 やはりソ連はかなりきつい感じで、ドイツが2連勝となりました。ドイツ軍は囲まれやすい位置にいるので、守り方に注意は必要ですが、ドイツの予想勝率8割というのは妥当な線でしょう。
 ドイツは背後からマルダーを狙われましたが、ここは戦車の配置やダミーを作るなど、もう少し工夫が必要でした。また鬼スタックも囲まれると狙われやすいので、第1ターンの移動で分けた方が安全だったでしょう。そうすればドイツの勝利はより確実になると思います。

 
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