戦車地獄
今日のASLは、アクションパック8よりAP81のLost Highway 迷いの幹線道路。連合軍はローマ一番乗りを競っていました。アメリカは8.5ターンの終了時に、40VP以上が北に脱出しており(内9VP以上は操作班以外のMMCが必要で、捕虜も数える)、さらに南から北までドイツ軍の隣接していない道路が通っていたら勝利です。道路は全て舗装されています。
攻めるアメリカ軍は、コマンドーでもある海兵隊10個と一線級4個分隊に9−2指揮官とヒーロー、火炎放射器2、爆薬2、さらにジャイロスタビライザー付き75ミリ砲シャーマン4両、105ミリ自走榴弾砲2両、76LのM10駆逐戦車2両、37LLの装甲車2台、ハーフトラック5台です。アメリカの ハーフトラックは、放棄や武器取り外しができません。
そして守るドイツの戦力は特殊で、4つの初期配置グループから3つと、3つの増援グループから2つを選びます。そして初期配置は各グループを3つのボードに分けて配置し、増援は第2、第4ターンに登場します。各初期配置グループは分隊3、4個に加え、砲1、2門か地雷、鉄条網、トーチカが含まれます。地雷等のグループは北側の市街ボードには置けません。そして増援グループは、戦車4両、弱めの戦車5両、エリート3.5個分隊とハーフトラック3台の3種類です。ドイツ軍各初期配置グループは、アメリカ軍がその配置範囲に入って来ないと、そこから出られません。
戦力評価はドイツがどういう組み合わせを選ぶかで変わってきます。しかしどう選ぶにしてもドイツが10%以上の優勢になるので、戦車が不足気味のアメリカにシャーマン2両を加えることにしました。それでもまだドイツの戦力が多めですが、アメリカ軍は一番前に置かれたドイツグループを各個撃破できるはずなので、これでやってみます。
子供がドイツ、私がアメリカです。
一番前のドイツ軍は高台の町付近に限られており、見える全員が大きな石造建物内に置かれています。そして他の2グループは、アメリカ軍が来たらすぐ最後の街で合流できるようにしています。
シナリオは9ターンありますが、アメリカは最初の高台でドイツ軍を全滅させるのに2ターン、再編して最後の街までたどり着くのに3ターン、そして残り3ターンでドイツ軍に壊滅的損害を与えた上、最後のターンで道路を確保しつつ40VP分を脱出させなければなりません。全体にきついスケジュールで、特に最初の戦闘は早くかつ僅かな損害で勝たなければいけません。
アメリカ軍は南と東に分かれて高台に攻め寄せます。まずは装甲車がドイツ軍の籠る建物を迂回。うまくいけばスモークディスチャージャーを焚いて、さらに奥の区画に進もうとしましたが、そこにいた半個分隊がパンツァーファウストを命中させて炎上しました。損害は出たものの、一応ドイツの一番大きい2階スタックを煙に包むことはできました。
そしてもう1台が右手の別区画を迂回しますが、また半個分隊のパンツァーファウストにより炎上。撃つこと自体が3分の1の確率しかないのに、何だこれは。
さらにアメリカは配置範囲内の森や麦畑にドイツ砲が隠れていないか探し、シャーマンは怪しい建物に煙幕迫撃砲を撃ちながら、建物を撃てる位置に進みます。そしてその上で、海兵隊を積んだハーフトラックと徒歩のフルスタック2個が進んで、ドイツ軍建物を取り囲みました。これでうまく行けばドイツ軍を一網打尽にできる所だが、隠れているドイツ砲はどこにいるのか?
西側の果樹園にいた。そして狙ったのは目の前に来ていたハーフトラック。これがROFを維持して2台とも破壊炎上。どちらも火炎放射器を持った海兵隊が乗っていたのに。これじゃアメリカきついんじゃないか?
第1ターン後半、両脇からアメリカ歩兵に隣接されたドイツ砲は、やられる前にシャーマンまで撃破してハットトリック。さらに半個分隊がまたもやパンツァーファウスト発射に成功し、命と引き換えに隣のシャーマンを撃破。しかも砲を撃ったシャーマン1両が故障し、次のターンには壊してしまってリコール。1ターンでAFV7両、海兵分隊2個、火炎放射器2個が失われる大損害とは、アメリカもうだめだろう。
第2ターン、ドイツ砲はもう倒したので、アメリカ歩兵はドイツ建物に殺到します。煙の中から撃たれた9−2スタックがまさかの混乱・ピンとなったものの、歩兵戦では数の力が絶対的で、アメリカ軍は大量の捕虜を取りながら町のドイツ軍を一掃するのに成功しました。
しかし既にアメリカ軍の損害が大きすぎる。この時点での残り戦力を計算すると、アメリカ軍は16%の劣勢となっていて、まず10割負け。もう次の街に進んでもどうしようもないので、アメリカ投了です。

(下が東)
確かにドイツの目が良くて、アメリカの損害が大きくなり過ぎたというのはあります。しかし実際にドイツが選んだ部隊で戦力を評価すると、アメリカは追加戦力を入れてもなお9%の劣勢で、予想勝率は2割5分。これは最初の町でアメリカが損害無しにドイツ軍を全滅させて、やっと互角になるバランスです。しかし高台の上の石造建物はやや固く、これをこの距離から2ターンで落とすにはかなりの無理攻めが必要で、無損害近くに抑えるのはやっぱり困難でした。
しかも最初の戦闘をぎりぎりの2ターンで終わらせたとしても、最後の決戦に実質3ターンしかないのは短すぎます。互角の戦力でも撃破には普通5ターンくらいかかるものなのに、今回は市街攻撃の足掛かりになる森が地雷と鉄条網で覆われており、5ターンですら足りないでしょう。さらに2両のイタリア製StuG 75/46(i)が石垣に入ると、砲塔が固く砲も強く、排除が難しいのも困難に輪をかけます。
戦力的にも時間的にもあまりに無理すぎ、どのくらい修正したら足りるか分からないほどで、シナリオのバランスルールも例によってバランス改善にはほぼ貢献しないものです。
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