チトー対スコルツェニー
 
 今日のASLは、Waffen-SS II: The Fuhrer's FiremanよりFF14 レッセルシュプルング作戦。あのオットー・スコルツェニーが、ユーゴスラビアにパラシュートとグライダーで空挺降下し、パルチザンのリーダー・チトーを拉致しようとしたとてつもない作戦です。そんな事が実際にあったとは知りませんでした。
 ドイツの勝利条件は、11ターンの内にチトー(10−3指揮官)を捕虜にするか、チトー司令部である東の洞窟と西の端にある村の石造建築全てを占領することです。
 ドイツは第1ターンに降下するパラシュート部隊が、SS28個分隊と81ミリ迫撃砲2門。第2ターンにグライダーで着陸する部隊が、SS、エリート20個分隊と75ミリ無反動砲2門とそれを動かすための牽引トラックです。さらに第1ターンだけスツーカ4機の航空支援があります。
 一方チトー側は、パルチザン24個分隊、5−2−7パルチザン分隊17個と37ミリ対空砲3門、82ミリ迫撃砲2門、6火力を持つイタリアの鹵獲戦車1両があり、塹壕が7個置けます。さらに第5ターンには5−2−7パルチザン分隊がもう10個出てきます。パルチザンは砲の隠匿配置、展開、事前照準、複数区域で射撃グループを組むことができません。
 予想時間は(109+5×3)×11÷60+1≒23.7時間。冬休みでなければとてもできないシナリオです。子供がドイツ、私がチトーです。

 チトーは、大半の部隊を司令部のある東の高地とその周辺に置き、砲は高地の両翼に配置します。そして一部の部隊は西の村に、またその間に点在する建物にも少数の部隊を置きます。イタリア戦車は東の高地に近い小さな丘の頂上から周りを見張ります。
 第1ターンはまずスツーカの攻撃から始まります。チトー側の対空砲だけは隠蔽が置けないことになっているので、それだけを狙って攻撃し、1個を撃破、残りは特殊効果でピンになります。そして降下するパラシュート部隊。もともと半分しか狙った目標の近くに降りられない上、さらに突風が吹いて流されますが、大半は割と悪くない所に降りてまずまずの第一歩です。ただとにかく全ユニットと火器について、漂流チェックと着地チェックをするので、やたら手間がかかりました。
 第2ターンはグライダーが降ります。チトーの使える対空砲は少ないので、大半の部隊は安全に着陸しますが、高地側中央に降りた2機が破壊され、積まれていた無反動砲が失われました。
 第3ターンからドイツ軍は東西の拠点に近づいていきます。東の高地の正面は開けていて攻めづらいので、ドイツは最初から左右に分かれて着地しており、左右の端に回り込んで前進します。そして左右の端に置かれていたチトー側の迫撃砲が、射撃と故障で無力化します。これらはもっと内側に置くべきだったかもしれません。
 チトーは東の高地の内、司令部ではない南側の小さな高地に対空砲と少数の部隊を置いていました。しかしドイツ軍の攻撃で要の対空砲操作班も混乱してしまったので、ここを守るのは諦めて撤退します
 第4ターン、ドイツは空いた高地に後続部隊を一気に送りたいところですが、大きな高地から機関銃や軽迫撃砲が狙っていて危険なので、ゆっくり涸れ谷を通って近づきます。涸れ谷の出口を固めていたパルチザンスタックも前進射撃で後退させ、次には良い位置につけそうです。高地の北から攻めるドイツ軍も、火力射程に劣るチトー側をじりじり追い込んでいきます。ドイツ軍は西の村も囲んで攻撃を始めました。
 第5ターン、ドイツ軍は、ピンゾロを連発した高地からの重機関銃に悩まされながら、南側で高地の見える森まで前進。北側も洞窟前面を守る最後の森直前まで前進します。西の村では圧倒的な火力にパルチザンは対抗できず、村の内部に食い込まれて退路の無い状況です。ただ南の高地を守っていたドイツ軍が混乱してしまったため、チトーはそこに増援部隊を送り、奪還に成功します。
 第6ターン、最強の10−2指揮官(スコルツェニーか?)率いる36火力になる重機関銃部隊は、高地の見える場所に前進。見たものを全て焼き尽くしそうな火力で、これから攻撃を加速するはずです。西の村でも次々パルチザンは壊滅、降伏し、次のターンにはいなくなるでしょう。
 ところがここでチトー側がスコルツェニーを狙って撃った重機関銃がまたピンゾロ。モラルチェックの目も悪くスコルツェニーと副官は両方混乱してしまいます。ドイツは次の回復でどちらか回復することに期待してそこに踏みとどまりますが、両方とも回復に失敗。さらに次の準備射撃でチトー側は奪還した対空砲も使ってスコルツェニーを撃つと、また命中してモラルチェック。しかもスコルツェニーは12を出して死亡し、副官もモラルチェック失敗で死亡。分隊は指揮官戦死モラルチェックまでダブルで食らって壊滅状態、スコルツェニー返り討ちです。
 総司令官が最主力ごといなくなっては、もはやドイツに高地を攻める力はありません。ここでドイツ投了となりました。

(上が南)

 最初はチトー側が故障を連発するなど全体にドイツ側の方が目が良かったのですが、中盤チトー側が盛り返し、最後決定的な所で致命的な目が出て勝負がついてしまいました。
 プレイはドイツが戦力を西の村に割き過ぎて、東の戦力が不足気味だったというのはあります。西の村は最終ターンまでに落とせる戦力があればいいのです。パラシュートは事前に決めるのでどうにもならないものの、グライダーはチトー側の配置を見てから場所を決められるので、全て東に回しても良かったと思います。また記事には書きませんでしたが、鹵獲イタリア戦車が地味にドイツの動きを邪魔して効果的だったので、スツーカの攻撃の1つは戦車に割り当てるべきだったようです。
 しかし一方でチトー側も、最強の10−3指揮官であるチトー自身を洞窟から出して山頂の塹壕地帯で機関銃をスタックさせて撃つべきでした。実はチトーは捕虜にならない限り死んでも関係ないので(なぜだ?)、隠れている必要は無かったのです。これらを考えるとやはりチトー側の方が有利というのは間違いないでしょう。アーカイブのデータでもチトー側の勝率が高いようです。
 プレイ時間は6ターンまでで16時間くらい。だいたい1ターン2時間くらいかかっていましたが、西の村の戦闘が終われば時間が短くなることを考えると、最後まで続いたら概ね予想通りの時間でしょうか。
 
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