ランデヴーに逃避行
今日のASLはシナリオ8逃亡者たち。降伏直前のベルリンで、包囲されたぼろぼろのドイツ残党が、ソ連の保持する橋を突破して逃亡を図ろうとしています。ドイツは9ターン以内に33VP以上の部隊が、橋を越えて西に突破したら勝利です。
ソ連は橋のドイツ側のボード20を5個分隊、ボード23の橋の手前側を7個分隊(内3個がエリート)と57LL対戦車砲で守っていて、2個分隊を隠匿配置できます。そして第5ターンにはエリート3個分隊とT-34/85が出てきます。事前照準はできず、ドイツ軍がボード23に入らない限り、橋の手前の部隊は第3ターンになるまで移動・突撃できません。
一方ドイツは弾不足で、3グループに分かれた部隊が1ターンに1つづつ、ソ連の配置前に自分で選んだ順で選んだ道路から侵入します。グループ1は一線級5個分隊と3号突撃砲1両とハーフトラック2台。グループ2は二線級5個分隊と中機関銃2個が、4号戦車1両とトラック3台と共に。グループ3は二線級4個、徴募兵4個分隊と9−2指揮官に、20ミリ機関砲を積んだ装甲車1台です。
ドイツが侵入順を秘密裏に決めた後、ソ連は隣接していない6つの二階を持つ建物へクスを指定し、そこを瓦礫にします。それから順にそれらを選んでサイを振り、5か6が出たら隣接する任意のヘクスにも瓦礫を置きます(最大2個)。最初の4ターンは夜明け前でTEMが+1されます。また道路は避難民によって、車両は移動力2倍、歩兵は道路ボーナス不可となります。
前回の近すぎた橋でもそうでしたが、3本以上の橋があると、防御側はそれぞれの橋を分かれて守らなくてはならず、基本である集中決戦戦術を使えません。すると橋の有利と分散の不利がどの程度影響するか、データも無く戦力評価が難しいです。
今回は橋も広い突破も補正無しとして計算すると、ソ連が7%の優勢で勝率6割。ROARでもソ連の勝率が60%となっています。子供がソ連、私がドイツです。
ドイツが侵入順と場所を決めると、ソ連は瓦礫を配置します。場所は橋の出入り口に隣接する所。これが隣に崩れれば、ドイツ戦車がその橋を渡るのを困難にでき、非常に効果が大きいです。しかし結果はまさかのゼロ。ソ連にとって悪いスタートです。
ソ連は、ドイツから見て左側の二階建て木造建物と、川向う右側の一帯に、それぞれ戦力を集中して配置します。そしてドイツ第1ターンの侵入は、9−2指揮官がいるものの弱い8個分隊と装甲車で、ソ連軍が目の前に待ち受ける左側から。部隊配置についてはドイツにとって悪い形となりました。
徴募兵は戦闘にも突破にも不向きなので、ドイツはこれらを展開してパラパラに前進させ、軽機関銃スタックと装甲車は前面のソ連軍と撃ち合える位置に移動します。そしてソ連は多少配置換えをしたものの、あくまでここで戦い続ける覚悟。
第2ターンのドイツ増援は一線級と三号突撃砲で、同じ場所からの登場でした。やはり戦力は集中すべしとの考えです。ドイツ軍はソ連の防御射撃をくぐり抜けて、正面から射程内にたどり着き、ソ連軍徹底排除の構え。さらに装甲車を後ろに回り込ませて退却路も絶ち、ソ連軍は袋のねずみか?
しかしソ連の対戦車砲が、目と鼻の先に隠れていました。ドイツ装甲車は撃たれて炎上。潰走するソ連兵を取り逃がしたばかりか、ボードを越えたことでソ連軍の移動制限も解けてしまいました。対岸右側のソ連軍は全速で左へ移動します。

それならドイツ、左に来た第3ターンの増援を、トラックに分乗させて右へ大移動。そしてここで右の橋は空いており、その気になればそのままそこを越え、トラックを突っ走らせることもできました。しかしさすがに橋をがら空きにしているのは、隠匿配置された部隊がいるのだろうと思って、橋の手前で降ろしました。でも実はこっちに隠匿部隊はおらず、突っ込んでいたらドイツが有利になっていたところでした。
一方既存のドイツ部隊は、ソ連軍に肉薄し一気に撃破を図ります。しかしソ連軍は信じがたい目を出し続けて、困難なモラルチェックをどんどんクリア。多少混乱するものの、損耗には至りません。
第4ターン、ドイツ軍はさらに追いすがるものの、またしてもモラルチェックに耐え続けたソ連軍は、結局全員橋向こうへの潰走に成功してしまいました。うーん。ドイツは右側でもソ連軍攻撃の配置。対してソ連は、中央の小さな3階建て建物にいる重機関銃で、広い範囲を睨んでいます。
第5ターン、ソ連重機関銃はドイツの準備射撃に耐え、ドイツ軍はちょっとまだ橋を渡れそうもありません。そこで右側では橋の目前まで進み、左側では対戦車砲を混乱させ、中央でも正面の橋をまっすぐ見据えます。
しかしこれでは一歩遅い。ここで登場したソ連増援は、右側の館の庭にT−34が入って右と中央の橋の入り口を狙い、歩兵も後方から橋を監視します。そして耐え続けていたソ連重機関銃が、ここでやっと混乱。
第6ターン、ドイツはこれで中央が手薄になったので、戦車でその橋向こうに煙幕を置き、中央に向かって部隊を移動させます。そして最後にこの中では最精鋭である9−2指揮官と一線級が駆けつけた時、そこに左の建物上階から軽機関銃の射撃が。
3!1KIA!9−2指揮官戦死!LLMCでスタック大損耗!あえなくドイツ投了です。

ソ連は分割した配置を強要されていましたが、それぞれのグループを集中した置き方が上手く行きました。3本以上の橋は補正無しで計算することで、今回のシナリオについては勝率予想とプレイ実感が一致しましたが、他のシナリオだとどうなるかも試してみたいところです。
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