当然のことながらそうでしょう
今日のASLは、アニュアル90よりA14修道院の丘。アルバニアの丘の上の修道院を守るギリシャ軍に対し、イタリア軍がそこを攻撃します。丘の上に8へクスあるレベル4の内、5へクスを9.5ターンで取ればイタリアの勝利です。3倍近くの数があるとはいえ、塹壕で固められた丘の上を攻め、レベル4の修道院付近を取れとか、イタリア軍に可能なんでしょうか。
14分隊と18へクスの塹壕を持つギリシャ軍に対し、最初モラル7の26個分隊と、3ターンにモラル6の14個分隊が脇から来るイタリア軍。レベル2以上には雪が残っており、丘の上の修道院は瓦礫になってしまっています。どう見てもイタリアの不利は明らかなので、イタリア優遇のバランスルール、「モラル7のイタリア軍はELRが2ではなく3になる」を使いますが、これって気休めレベルじゃない?子供がギリシャ、私がイタリアです。
盤上には5つの丘がありますが、ギリシャ軍の配置は、、全部修道院のある丘の上。塹壕も丘の上全体に敷き詰めますが、攻撃正面側には全く置きません。こうすることでギリシャ軍は丘の外からは撃たれず、ここを撃つには丘の上の平地に登らなければならず、他の丘からは遠くて射程の短いイタリア軍では効率的には撃てません。まあ当然ながら、ちょうどいい距離からみんなで撃たせてなんてくれるわけないよね。
イタリア軍は散らばって前進を始めますが、修道院の丘の手前側に1か所だけあるレベル4の場所から、9−2指揮官付き中機関銃3丁がパシパシ撃ってきます。そしてこれが良く当たり、遠距離なのにイタリア軍はかなり損耗していきます。
第3ターンになると、イタリアに増援がでてきます。こちらはできるだけ森に隠れて撃たれないように進みます。主力もできるだけ無駄に平地で撃たれないように進んでいますが、やはりギリシャの中機関銃は強く、パンパン当たります。それでもイタリア軍はなんとか迫撃砲を撃てる所まで進め、ギリシャ中機関銃へ砲撃を開始します。

第5ターンには、イタリア増援部隊がみんなで、奥の丘の上の修道院跡の敷地を射程に捉え、ギリシャ軍に混乱を与え始めます。これがうまく行けば、修道院まで崖を登ってみるつもりでいます。主力もようやく最大射程内に入り、迫撃砲と共にギリシャ機関銃部隊を撃ち始めますが、やっぱり効果は上がりません。
第6ターン、イタリア軍の攻撃で修道院方面に少し損害が出たので、ギリシャは機関銃部隊を下がらせそちらの守りに向かわせます。第7ターンには、イタリア主力も丘の麓にたどり着きます。しかしギリシャ中機関銃部隊は、修道院脇の丘全体を見渡せる位置に移動。鉄壁の防御態勢を整えます。
イタリア軍は中機関銃にやられまくって、もう2倍ちょっとの数しかありません。これから一気に丘を駆け上がって頂上に突撃しても、平地で隠ぺいが取れたところを、ずらり並んだ塹壕内のギリシャ兵に各へクス倍火力で先撃ちされ、なんとか生き延びた部隊もさらに−2修正の機関銃散布射撃が食らわせられます。運良くイタリア兵が幾らか残ったとしても、相手が塹壕内ではあまり効かず、万一白兵戦に持ち込めたとしても、火力で劣る鈍兵のイタリア軍は不利です。修道院周りのレベル4の場所など、1へクスたりとも取れっこありません。イタリアここで投了します。

(最初間違えて岩場に塹壕を置いていたので、後ろに置き直しました)
これだけ完璧に配置されたら、イタリアどうやっても無理です。ギリシャ機関銃部隊に迫撃砲が大当たりすればもしかしてと期待しましたが、むしろギリシャの方が目は良くどうしようもありませんでした。アーカイブでもイタリアの勝率は2割で、私の戦力評価でもイタリアは15%の劣勢率であり、ギリシャが各丘に戦力を分けるなどの間抜けな配置でもしない限り、イタリアに勝ち目があるとは思えません。
それにしてもASLのシナリオバランスルールは、どれもほんの気持ち程度しか変わらないものばかりですが、シナリオ作成者はよっぽどバランスに自信があるのでしょうか?しかしその割にはこれほどバランスが悪いシナリオがたまにあるのは、どういうこと?
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