市街戦の神様
今日のASLは、ジャーナル2よりJ29 バルタの攻略。前回、防御側の至近距離から高火力で奇襲するシナリオは、攻撃側がかなり有利になると分かったので、それによってバランスが取れそうなシナリオとして選びました。オデッサを目指すドイツ軍は、途中の小さな町バルタの支配を争っていました。今回歩兵、工兵、ルーマニア軍共同でこの攻略を目指します。枢軸は10ターン終了時、南の盤外に通じる道路2本の、端から3ヘクスとその隣接へクスに、混乱していないソ連MMCがいなければ勝利です。
攻めるドイツは町の東側に近い所に、9−2率いる8−3−8突撃工兵4個と一線級8個分隊(軽機関銃、火炎放射器、爆薬が豊富)、75*の3号突撃砲1両が初期配置。北の端にはルーマニア軍8個分隊と中機関銃2個を配置。そして第3ターンには9−2率いるドイツ突撃工兵3個と一線級9個分隊が、北から入ってきます。
一方ソ連は、北側を狐穴に入った10個分隊、南側は建物内に20個分隊と、82*迫撃砲1門、57LL対戦車砲1門、45LのT−26戦車2両、ロードブロック1で守ります。これらは1へクスに1MMCしか置けません。そして第5ターンにはT−26がもう2両南からやって来て、100ミリ盤外砲が使えるようになります。
数だけ見るとソ連軍はドイツとほぼ同じくらいおり、防御側が有利に見えます。しかしソ連は初期配置で分散を強制されている所に、高火力のドイツ軍が近距離から襲い掛かるので、防御不全として戦力を評価します。そうするとソ連が1%優勢なだけの良いバランスと予想されます。
子供がドイツ、私がソ連です。
町の方のソ連軍は、スタックできず建物に配置なので、あまり選択の余地はありませんが、ドイツ側の孤立建物は、逃げられずに降伏する恐れがあるので置きませんでした。北の部隊は逃げやすいよう森に近い側に集めます。第1ターンはソ連先攻ですが、動けるのは戦車のみで、今回は失速で移動不能。何もできずに終わりです。
第1枢軸ターン、ドイツ軍は3号突撃砲で煙幕を落とし、それに隠れて南の3階建て建物に向かう部隊と、西に進んで町の中心部に向かう部隊に分かれます。またルーマニア軍は北のソ連軍の両脇を離れて前進。ソ連の防御射撃はどちらにも効きませんでした。
第2ターン、南の3階建て建物には「市街戦の神様」8−3−8突撃工兵と火炎放射器が9−2指揮官と迫っており、ここに兵力を送り込んでも死ぬだけと思われるので、ソ連軍はここから引き揚げます。そして町の中央では防衛態勢を構築。一方北方では後退を開始しますが、中機関銃に狙われているので慎重な後退に留め、これを支援するために戦車をこちらに持って行きました。
枢軸ターン、ドイツ軍は南の3階建て建物を占領し、町の中心では外縁に取りつきます。また3号突撃砲は北に向かい、ルーマニア軍は南下を続けました。

(下が南)
第3ターン南方では、隠蔽無しに2階に上がって来た9−2指揮官の突撃工兵スタックに対して、ソ連軍が射撃。巨大射撃グループを組んで、火力はなんと30火力。これでドイツ人にソ連の恐ろしさを思い知らせてやる!10、NMC、全員MC成功、効果無し。まさにterrible。。突撃工兵の射程内に残っていたら死ぬだけなので、反撃を生き延びたソ連部隊は突撃で後退するしかありませんでした。
一方北では、3号突撃砲に勝てないT−26が南に逆戻り。そして北の歩兵の脱出も中機関銃と戦車に妨げられて、あまりはかどりません。後から考えると、ここは戦車が犠牲になって左側のルーマニア中機関銃の射撃を封じ、歩兵の後退を助けるべきでした。
枢軸ターン、ソ連軍は撃たれて混乱したりクラス低下したり。そしてドイツ軍は町の内部にどんどん侵入して来ます。ソ連軍はたまたま突撃工兵1個を混乱させたものの、全体にはドイツの火力が高い上に目も良く、全然食い止められそうにありません。北側から入って来たドイツの増援は、逃げ遅れたソ連兵を混乱させていきました。
第4ターン、ソ連はここで勝負に出ます。まず南側で前面に隣接してきたルーマニア軍を撃ち、これを混乱させます。そしてその隣の道路に出て来ていたドイツフルスタックに対し、T−26が突っ走って突入。ここでドイツ軍はCC対応射撃を掛けてきましたが、うまくこれを躱しました。そこで戦車は停止して前進射撃、平地で6火力と4火力。ところが目が悪くて全く効果無し。うーん。
しかしソ連は諦めず、これに向かって歩兵を前進させます。そして前進射撃では1個分隊ずつ混乱とピンにしました。そして白兵戦、ソ連軍は半個分隊を失ったものの、1個分隊と指揮官を除去。まあぎりぎり成功か。他のソ連部隊は危険を避けて後退しました。
枢軸ターン、北側ではドイツ軍が逃げ遅れたソ連兵を潰しながら前進。南側でドイツは混戦を救援しようと部隊を送りましたが、2個がピンになって失敗。しかし北からドイツ戦車が戻ってきて、隣接されたソ連戦車はもう逃げようがありません。
しかも近づいてきた増援のドイツ軍が、遠距離から混戦を味方ごと前進射撃。でドイツ兵は無事なのに、ソ連兵は2個分隊が混乱し、潰走できずに降伏してしまいました。残った部隊での白兵戦も混戦継続となり、ソ連の賭けは完全に潰えます。

第5ターン、すでにソ連軍の損害はかなり膨らんでおり、間近に迫る圧倒的戦力のドイツ軍に対して逆転するチャンスは、このターンに始まる盤外砲しかない。この時期のソ連無線機は6以下でしか成功しないが、、よし成功!そして攻撃許可は、、赤、無情・・ソ連投了。
とにかくドイツ軍は突撃工兵と大量の支援火器と9−2指揮官が強力すぎ、ソ連軍は一方的にやられていくばかりでどうしようもありませんでした。
以前にも同様の例(The Last Bid(RB5)やWith Flame and Shell(D7))がありましたが、やはり市街戦では火力密度(分隊・戦車火力、支援火器、指揮修正)と士気で大きく勝る側(普通は攻撃側)は、総戦力の優劣にかかわらず有利になるようです。特にこのシナリオの場合、防御側は戦力を分割・分散させられている上に時間も長いので、全く救いがありません。
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