大事な砲は金庫にしまう
 
 今日のASLは、J34 山男。1941年7月、イタリア支配下のモンテネグロで武装蜂起が起こり、大部分が解放された。パルチザンは8ターンの終了時、イタリア野砲が破壊されているか、それを所有または単独占有していたら勝利です。なぜこんな一次大戦時代の旧式砲がそんなに大事なのか分かりませんが。
 ELR2のイタリアは8.5個分隊(2個分隊まで展開可)と75*野砲、4火力機銃装備の無砲塔戦車で守ります。歩兵は基本的に建物内に配置しますが、操作班でない2個分隊相当までは外に置けます。また戦車と砲は放棄された状態で平地に置きます。
 ELR5のパルチザンは11個分隊(2個は突撃火力の無い5−2−7)と爆薬2個を南側に配置し、第3ターンには北から3個分隊が入って来ます。例によって展開も複数へクスグループ射撃もできません。
 戦力評価ではイタリアが10%の優勢で予想勝率8割なので、パルチザンを2個分隊増やし、イタリア6%優勢の勝率7割に下げました。調整を控えめにしたのは、パルチザンによる攻撃もパルチザン対イタリアの戦いも初めてで評価が正しいか分からず、ROARではむしろパルチザンの方が優勢だったからです。いつも当てにならないROARのバランスですが、レアケースの今回こそは当たるのでしょうか?
 子供がイタリア、私がパルチザンです。


 盤の際にあって背後に回られにくい尖塔有り石造建物が一番固いのは明白なので、イタリアは当然そこに集中配置します。
 パルチザンは尖塔の中機関銃に平地で撃たれないよう、丘の陰から中央の町に向かい、途中林で撃たれましたが全く効かず、イタリア中機関銃は数回で故障。パルチザンは全員が楽々町に到達する好調なスタートです。一方イタリアは、勝利条件である野砲を一所懸命奥に押し込んでいき、中機関銃もすぐ直りました。
 第3ターン、反対側からパルチザンの増援が入って来ますが、真っすぐのルートは尖塔から平地で撃たれるので、やはり丘の陰をぐるぐる迂回して進みます。そして初期の部隊はイタリア軍建物前面に並びました。パルチザンは複数へクス射撃グループが組めないので、火力を得るために全てフルスタックです。一方イタリアは戦車までも奥に引っ込ませました。

(下が西)

 第4ターン、パルチザン鬼スタックが前面のイタリア軽機関銃分隊をピンにし、その隙に部隊を右側に回り込ませます。これによって確保された足場から庭の中を撃たれるのを恐れ、イタリアは部隊を建物内に引き揚げました。
 そしてフルスタックで運び続けていたイタリア野砲が、ここでついに建物裏の石垣に囲まれた墓地に到着。ここに入られてしまうと、前の石造建物で完全に守られ、パルチザンが建物内のイタリア軍を壊滅させない限り、砲を取るのは困難です。しかも野砲には機動中の戦車がスタックしていて、弾も当たりにくく白兵戦でも倒しにくいこれを取り除かずには砲を奪えません。もうガチガチに固い金庫にしまいこまれているようなものです。
 第5ターン、パルチザンは突撃で一斉に石垣へ貼りつき。この撃ち合いが勝敗を分けるところですが、このターンは決着がつかず。一方混乱したパルチザン爆弾チームは一向に回復せず困ったもの。


 第6ターン、ついに鬼スタック同士の射撃戦に決着が。パルチザン負けました。これでもう勝利は望み薄ですが、パルチザンは不意打ちの有利さに賭け、白兵戦で最後の勝負を挑みます。
 裏手の林から隠蔽を付けたたま近づくパルチザン兵。これを待ち構えていた75ミリ野砲が撃って命中させます。しかし何とか1個分隊が生き延びたので、白兵戦に突入。そして一方的にイタリア分隊を損耗させました。
 ターン後半、今度はパルチザン増援部隊の射撃により、イタリア鬼スタックが一部混乱。しかし隠蔽を付けたパルチザン後続部隊も、野砲に撃たれて1個混乱しました。さらに悪いことに、潰走したパルチザン鬼スタックが、狙撃されて損耗と絶望。白兵戦でもパルチザンは一方的に損耗させられ、もはや無理そうです。
 第7ターン、パルチザンは石造建物へ最後の総突入。意外なことにこれが成功し、1か所占領1か所混戦となりました。と言ってももう動けるパルチザン部隊は少なく、ターン後半にはさらに撃たれて損害が増えます。そしてイタリア部隊は野砲を完全に囲んでしまい、これで野砲にたどり着ける可能性は0になったので、パルチザンの負けです。



 初めてのケースであっても、調整を積み重ねてきた戦力評価は、やはりROARよりも正確でした。それから砲は墓地に入れず、しまうなら奥の林だったことに後で気付きましたが、勝敗には特に影響無かったでしょう。

 
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