脇役たちのパーティー
今日のASLは、J142 Penny Packets。アメリカの装甲小隊の名前だそうです。1944年の冬期反攻で、ドイツは突破を目指す傍ら、アメリカの砲兵等を撃破しようと試みました。ドイツは7ターンの終了時にアメリカより多くのVPを持っていたら勝利です。VPは両者損害に加え、ドイツは西側中央からの脱出で、アメリカはM7 HMCの砲撃任務従事(丸1ターンTIになる)ごとに2VPが、入ります。曇りで積雪があり、最初は雪が降っています。
守るアメリカは、一線級3個分隊と75ミリシャーマン2両を中央から西に、二線級3個分隊と狐穴3、M7 HMC3両(HEAT無し)をさらに西寄りに初期配置します。そして一線級3個分隊とハーフトラック3台のグループ1と、ハートラックの火力16のが1台、20のが1台、24のが2台のグループ2が、サイの目で1ターンと2ターンに1つずつ出て来ます。さらに第3ターンには37LLでキャニスター弾装備のスチュアート4両が来ます。
一方攻めるドイツは、エリート6個一線級6個分隊を初期配置。第1ターンには20Lの装甲車2台、75*榴弾ハーフトラック2台、sMGハーフトラック1台が、第2ターンには75Lの4号戦車1両、75Lの3号突撃砲2両、火力20の対空戦車1両が、第3ターンには一線級6個分隊がやって来ます。可能ならシュルツェンが付きます。
さて様々なAFVが入れ代わり立ち代わり出て来るので、戦力評価が難しいです。ほぼVP獲得に従事し続けるだろうM7 HMCを除いて計算すると、ドイツの予想勝率は2%。しかしアメリカのグループ2の登場が第2ターンになった場合、ドイツの戦車がアメリカの初期戦車の3倍以上となって、アメリカ戦車は半劣後で0.5倍と見ることができ、それならドイツの予想勝率は58%になります。どちらになるかは半々なので、間を取って0.75倍とすればドイツ予想勝率は30%になりますが、これでいいか分からないので調整せずにやることにします。
子供がドイツ、私がアメリカです。
中央にある石垣に囲まれた建物群は、多分ASLのマップ中最も固い要塞で、きちんと守っていれば平地からこれを攻め落とすのは無理でしょう。逆にここをドイツが奪って拠点にしたら、ろくな地形の無い手前側は守りようが無くなります。そこでアメリカはここを塀付きおうち戦車と歩兵で固く守り、その後方にM7 HMCを置いてVP産出農園とし、左右には一部の部隊を置いて駆け抜けられないようにします。
ただドイツはしっかり守られた要塞を攻めないだろうと考え、要塞はダミーを多めにしました。もし相手が集中決戦戦術を理解していない人だったら、シャーマンは2両ともここに籠らせた方が安全でしょう。
さてそうするとドイツ軍は右か左に集中して進むしか無く、今回は攻撃の足掛かりがありアメリカ戦車のいない右から攻めて来ました。なお装輪式の装甲車が積雪で遅くなるのを忘れていて、少し余計に進んでいます。
1ターン後半、アメリカの増援はグループ1(歩兵とハーフトラック)の方で、ドイツ装甲車の20L砲にもやられる紙装甲なので、ドイツ軍の反対側から入ることにしました(西端からは入れない)。そして足止めを兼ねていた右のM7 HMCは要塞に逃げ、それ以外のM7は砲撃任務に就いて、シャーマンと左側の歩兵は右側に回ります。
第2ターン、ドイツはシャーマンを狙ってシュレックを含む部隊を中央側に送り、前面は75*ハーフトラックでアメリカの対空ハーフトラックに備え、sMGからは重機関銃を降ろして鬼スタックを作ります。これは強力な攻め方でアメリカはまずいかと思いましたが、護衛のバズーカ分隊が自らの混乱と引き換えにシュレックを混乱させ、装甲車まで撃破する大活躍を見せて難を逃れました。
ターン後半、アメリカハーフトラックは右側の森林列に着いて歩兵を降ろし、その歩兵はシャーマンと一緒にその前の平地を進むドイツ軍を見張ります。そして左側から来た歩兵スタックは要塞の守りに就き、今回来た対空ハーフトラックたちは遠距離からドイツ歩兵を狙いました。要塞のM7 HMCは敵が迫って来たので念のため逃げ、他のでまた4VPを獲得。
第3ターン、歩兵に入城されてしまった要塞を攻めるのは無理なので、ドイツ歩兵は転進して森林列を守るアメリカ兵に隣接します。そして3号4号はシャーマンと対決。中戦車戦で勝てば他のAFVはほぼ中戦車を倒せないので、勝負は決まったようなものです。そして結果は4号とシャーマンが相打ちでした。勝負はまだまだ分かりません。
ターン後半、スチュアートが到着しますが西からは入れず、3号突撃砲を恐れて遠い側から入っても、ドイツ鬼スタックと3号突撃砲が森林列の戦線を崩して来て、アメリカに勝ち目は無くなるでしょう。ここは危険だけどステューたち敵陣へ斬り込み!
まず突入を支援するためシャーマンが煙幕、白燐弾、煙幕迫撃砲と撃っていきますが、どれも無し。なんか最近これが多いな。仕方なく先頭のスチュアートがそのまま入ると、ドイツ75*はHEAT弾無し。さらに3号の背後に回り込んで撃とうとしたら、皆緊急機動してしまったので、代わりにキャニスター弾を75*ハーフトラックと歩兵のスタックに撃ち、隠蔽を剥がしました。
こうなったら残り3両も歩兵にキャニスターを食らわせろ!次々と近づき最初の1両はシュレックにやられたものの、残りの2両はどちらも弾があって、鬼スタックは全混乱でハーフトラックもスタン。これはやったぞ。ただ隣の平地で一緒に撃たれたもう1スタックは、むしろもっと厳しいはずなのに、なぜか全員ピンで耐えました。防御射撃ではスチュアートがもう1両昇天。
他にもアメリカは、対空車輌の連続移動攻撃でドイツ歩兵をいくらか混乱させ、ハーフトラックで出口付近から歩兵を狙います。またアメリカ農園の経営も順調に6VP。

(下が西)
第4ターン、こうなってみるとスチュアート突入の成功は思った以上に大きく、前線のドイツ歩兵が進めなくなっています。ひとまず3号突撃砲が背後に回ったスチュアートを倒し、増援の歩兵が進むだけ。そして出口付近のアメリカハーフトラックが予想外の活躍で、さっき混乱したドイツスタックにDMを置き、生き延びていたスタックも大混乱させてしまいました。しかしミーチョパーは1つが故障してリコール。
さらに後半にはスチュアートがROFバーストし、ハーフトラック2台を破壊した上、3号の弾は躱してしまいます。これはもうアメリカかなり有利じゃないか?
第5ターン、ひとまず3号は最後のスチュアートを倒し、ドイツ歩兵が森林列を進んでアメリカ阻止部隊を攻撃しますが、アメリカ対空車輌と歩兵に撃たれ、大損害を被って撃退されました。その後対空車輌を狙った75*ハーフトラックも返り討ちにあい、ドイツ歩兵は要塞に残ったアメリカ2個分隊を囲んだものの降伏させられず、こちらに来たことでもう脱出は間に合わなくなりました。これでアメリカは勝ちです。

スチュアートの活躍がかなり効きました。ただこれが無かったとしても、ドイツは損害を受けると損害+脱出不能で実質2倍のVP損失を受けるので、アメリカ軍を少ない損害で速やかに撃破しなければなりませんが、それは簡単ではなさそうです。また計算上はアメリカの増援の順序が大きいことになっていますが、実際には多分それほどの差は無く、結果的にドイツの予想勝率3割は割と良い線だったかもしれません。
このシナリオは普段陰に隠れてあまり活躍しない弱いAFVが色々登場しますが、その個性を生かして活用するのがなかなか楽しかったです。
インデックスへ