底知れぬ夜の闇
今日のSword & Fire: Manilaは、SF6 Deliver Us from Evil 邪悪から私たちを救い出して。前日のフィリピン病院大学複合施設への攻撃は失敗し、日本軍は未だに主要建物を全て掌握していた。日本軍は民間人や病院の患者を人質に立て籠もっており、人質を虐殺と蛮行から救い出すため、アメリカ軍は夜間攻撃を決行した。アメリカは8.5ターンの終了時に、24VP以上の損害を被ることなく、科学棟と医薬学校を合わせて日本より多くの区域を支配していたら勝利です。初めて夜間ルールを使い、視認距離は2です。
守る日本は、エリート5個、二線級6個、徴募兵2個分隊と機関銃重2中1軽4、擲弾筒2、爆薬2、地雷40戦力、鉄条網8、塹壕2、要塞化3です。爆薬は1つを隠匿で設置できます。そして徴募兵は6個の人質(捕虜駒)を監視して間の木造建物におり、アメリカがこれを救出すると、半個分隊ごとに日本のCVPを3減らし、日本軍は7ターンになるまで虐殺できません。
これを夜襲するアメリカは、14個分隊と9−2指揮官に、機関銃重1中3、バズーカ1、火炎放射器2、爆薬3、105ミリオープントップ2両、76L駆逐戦車3両が、第1ターンに南から入って来ます。
夜間ルールは初めでバランスは分からないのでそのままやり、子供が日本、私がアメリカです。
今まで夜間ルールは難しくて避けていましたが、状況的にこのシナリオでは必要と思われるので、使ってみることにしました。しかし改めてルールを読んでみると、日本語ルールに誤訳・紛らわしい表現が多い、原文を見ても分かりにくく何かおかしい所がある、1994年の古い夜間ルール解説記事Bring on the Nightもルールと違う所がある、と夜の闇は底知れません。これを浜甲子園さんにも協力いただきながら解釈し、多分正解は存在しないと思われますが、だいたいこんなものだろうというところでやりました。
日本は地下室があって固い科学棟に全戦力を置いているように見えますが、もしかすると他の場所にも隠れているのかもしれません。アメリカはクロークで近づきます。戦車は近くで音を立てると、気付かれて星弾を撃たれるので、遠くに控えさせました。
第2ターン、アメリカ軍はまず医薬学校を占領しに入り、科学棟正面の建物にも鬼スタックを送ります。すると鬼スタックは、タンクハンターヒーローの不意打ちを食らい、危ない所でしたが運良く難を逃れました。

(下が南・医薬学校の大きなスタックは火爆隊)
第3ターン、医薬学校を掃討したアメリカ軍は科学棟に迫り、人質を救出します。ターン後半には右側に隠れていた日本機関銃が、隣接してきたアメリカ軍を混乱させました。
そして第4ターンにアメリカは後詰めを送り、二階にいた人質も救出。すると日本軍はそこに爆薬を設置しており、人質もろともアメリカ2.5個分隊を吹き飛ばそうとしました(ルール上の虐殺は禁止されているが、爆破は禁止されていない)。日本人、邪悪の極みだな!しかし日本兵にも良心の欠片が残っていた者がおり、この非道行為に躊躇して、アメリカ兵は助かります。そしてそれに気付いたアメリカ鬼スタックは、良心が尽きない内に日本の爆破班を射殺。

第5ターン、アメリカ軍は皆科学棟に近接していきますが、建物はほとんどが鉄条網と地雷に囲まれており、隙がある裏手には要塞に入った日本の鬼スタック。そしてその向かいの射撃拠点になりそうな所には、火の手が迫りつつあります。日本軍は相変わらずお構いなしに、これも虐殺ではないと人質ごとアメリカ軍を撃ちまくっています。これからアメリカはどう攻めたらいいのだろう?
第6ターン。「そうだ!左手の鉄条網下の塹壕から入れば、地雷攻撃を受けずに建物に入れるぞ。」こちら側はアメリカの火力に押されて、もう前面に日本軍はおらず、時間さえかければ鉄条網をくぐれます。「よし、ここから中に爆薬を仕掛けて、突入だ!」アメリカは爆薬持ちを含む半個分隊をフルに送り込みました。
するとターン後半、日本は地下室からこの塹壕を探索し、自動損耗と引き換えに全員の隠蔽を剥がします。あれ?そして日本はエリート半個分隊と二線級1個分隊が隠蔽で突撃白兵戦。あれあれ?日本は3つ有利な不意打ちに成功。あれれれれ?アメリカスタック全員を目標に格闘、8以下。6、アメリカスタック全滅。日本は次のターンに爆薬2個も奪取。
夜の闇にぽっかり空いた落とし穴だった。邪悪な日本の勝ち。

多分アメリカは戦車ぐりぐりで鉄条網を除去しておいて、最終ターンで一斉に建物へ突入するのが、一番分の良い手だったのでしょう。今回は夜間ルールの深い闇を切り開くのに精いっぱいで、そこまで考えが至りませんでした。
夜間ルールはやたら面倒だった割に、結局市街戦では昼間とあまり変わらなかったように思います。ジャングルの日米戦で、日本軍が闇に乗じてこっそり近づき、不意を突いて斬り込むようなシナリオ向きなのかもしれません。
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